実学教育を貫き
型破りの近大改革に挑んだ
Leading with practical education — Kindai University drivesbold innovation in learning.


塩﨑 均
元学長 名誉教授
Former President Professor Emeritus
これまでの歩みと
近畿大学への想い
病院長時代
病院長として、先進医療の拠点づくりに尽力。
PET施設の設立により、がんの早期発見・精密診断体制を整えるとともに、看護師支援のための保育施設を開設し、働きやすい環境の実現を進めました。
自身も転移性進行性胃癌を患い、化学・免疫・放射線療法、さらに根治手術を経て回復。その経験を活かし、進行胃癌に対する新たな治療法の開発に取り組みました。
また、第64回日本消化器外科学会を主催し、全国から700名を超える参加者を迎え、学術的交流の場を創出しました。
医学部長時代
東日本大震災では、発災当日にDMATを編成・派遣するとともに、岩手医科大学への医療用オイル支援を実施。
被災地支援を通じ、医療人としての使命を学生・教職員とともに再確認しました。
さらに、臨床心理学講座の新設やリハビリテーション科、安全管理室の設置など、教育・医療の質向上にも取り組みました。
著書『天を敬い、人を愛し、医に生きる』(悠飛社)を刊行し、医の本質と人間愛を次世代へ伝えています。
学長時代
学長として、復興と挑戦の象徴とも言える新たな取り組みを数多く実現しました。
東日本大震災復興支援室(伊藤室長)を設立し、福島県川俣町には原子力研究所、農学部、バイオコークス研究所など、学問の枠を超えた支援体制を構築。
関西地区の責任者として、医学部からの長期医師派遣も主導しました。
また、学部長会議を毎月開催し、長瀬地区以外も含めた大学全体の連携を推進。
「近大マグロ」で新聞ポスター賞を受賞し、大学発ベンチャーとしてマグロの飲食店(大阪・東京)を展開するなど、産学連携の新たな形を確立しました。
外国語学部を新設し、受験者数日本一を達成。
さらに、著書『近大学長 ― 常識破りの大学解体新書』(中公新書)を発刊し、大学改革への情熱と哲学を示しました。
近畿大学医学部・病院への
メッセージ
学長に就任して改めて感じたことは、近畿大学における医学部・病院の存在の大きさです。
学問的にも経営的にも、大学を支える“太い大黒柱”であり、その力が近畿大学全体の発展を牽引しています。
今後も、患者さんと大学の双方を支える誇りと自信を胸に、誰からも発展と進歩を期待され、信頼され続ける医学部・病院であり続けることを、心から願っています。