Survey or Interview奥村 二郎
ローカルな事柄から
大きな視野における真実を導く
From local matters, we derive truths with a broader perspective.


奥村 二郎
OKUMURA Jiro
名誉教授
Professor Emeritus
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近畿大学医学部およびその他のキャリアにおいて、特に印象に残っている職務・経験について教えてください。
2024年1月の3学年の最終講義終了後、学生さんから、サプライズで、花束贈呈を受けたことです(添付写真)。「学生には不評な学年もあり、猛烈に抗議された時もありましたが、一方的に教えるのではなく学生が自ら考える授業を長年やってきて良かったなあ」と思い感慨無量でした。御礼、感謝、感謝 -
環境保健、医療保健行政、公衆衛生学の分野で、先生が一貫して追求してきた理念や価値観はどのようなものですか?
常に、いろんな意味での、弱者に対するサービス提供 -
政策立案、行政実務、学術研究という多面的な立場を経験してこられた中で、学びとなったことや気づきをお聞かせください
狭い範囲、身近な事象、いわゆるローカルな事柄から、大きな視野における真実がみえてくる -
感染症対策や健康危機管理の現場で、特にやりがいを感じた取り組みや、課題と感じた点を教えてください。
事前の準備や装備が重要とは言え、急に降って湧いてくるようなものなので、日頃からの人間関係の構築や、あらゆる角度からの他者への理解や信頼関係の構築が重要 -
教育者として近畿大学医学部で公衆衛生の教育に携わる中で、学生に特に伝えたいと意識されてきたことがあればお聞かせください
公衆衛生は、卒業してすぐには役立つものでもなく、卒後10年20年後に初めて身近に必要に迫られる知識や技術だと説明してきました -
近畿大学医学部・病院がこれから取り組むべき公衆衛生・地域医療分野の課題や方向性について、期待することがありましたらお聞かせください
地域との結びつきということで、大都市の堺市と組むことになるのですが、小都市で衛星都市でもある大阪狭山市とも引き続き、医療・福祉・保健の課題と取り組んで、その成果を日本全体、世界に発信してほしい(Q3の回答と同じ趣旨を含む) -
今後、先生ご自身がさらに取り組んでいきたいテーマや、後進に託したい分野があれば教えてください。
現在、私は政府のボード(公害健康被害補償不服審査会)に常勤で務めており、卒業生にも厚生労働省や環境省(熱中症、アレルギー、PAFSなどの有害物質)に、医系技官(医師の常勤公務員)として参入(就職)してほしい。 -
これからの医療・保健行政・公衆衛生分野に進もうとする若手医師・研究者・学生に向けたメッセージをお願いいたします。
まず始めは、内科外科小児科産科といったメジャーな科目で診療経験を積んでから、公衆衛生医師を目指すことを提案したいです。やはり、実地における問題意識を経験しておくことが将来の糧になり、楽しく長く公衆衛生の仕事ができるかと思います -
50周年史に、先生の人生や近畿大学医学部との関わりを通じて、後世にぜひ残しておきたい言葉・エピソードがあればご記入ください。
「実(みのる)ほど 頭(こうべ)を垂(た)れる 稲穂(いなほ)かな」
近大の卒業生らしく、人間として立派で、誰からも親しまれる人になってほしい