Survey or Interview上硲 俊法
有機陰イオンや
脂質の機能解明、
病態関連の研究を貫く
Unraveling the functions of organic anions and lipids— pursuing research related to pathophysiology.


上硲 俊法
KAMISAKO Toshinori
医学部同窓会学術幹事
Academic Advisor of Alumni Association
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近畿大学医学部在学中で、特に印象に残っている出来事は何ですか?
すべての先生方の授業とみんなで取り組んだ金剛祭 -
当時の学びや経験で、今のご自身に最も影響を与えたことは何でしょうか
教養部や基礎医学に授業を通じて本当の学問に接することができ、「学ぶこと」に対する新たな感覚のようなものができたのを感じた。この時培われた感覚はその後の学習に対する姿勢や進路に影響した。 -
ご専門である臨床医学に関して、近畿大学での研究・診療で大きな成果や進展は何でしたか?
一貫して有機陰イオン(ビリルビン、胆汁酸など)や脂質(コレステロールやリン脂質など)の肝細胞になどにおける代謝と輸送のメカニズムの解明と病態との関連を研究してきた。これらの研究の中でも胆汁中へのビリルビン抱合物の排泄蛋白機構の解明は、大学院生として在籍していた山本俊夫教授が主催していた第2内科の足立幸彦先生と近畿大学での同級生で小林宏明先生らの先駆的な重要な研究が行われていた。これらの成果を発展させビリルビン抱合物排泄蛋白の同定と機能解析を行った。この成果は今も多くの教科書に引用されている。 -
卒業後も近畿大学医学部と関わり続けてきた中で感じる、母校の魅力や強みは何でしょうか。
好きな研究を自由にさせてくれる懐の深さ -
50周年という節目にあたり、母校に期待することや今後の発展に向けた提言があればお聞かせください。
最近の近畿大学の強みである最先端の臨床を発展させることはもちろん、近年のわが国で地盤沈下している基礎的研究の発展に寄与することも期待します。 -
医学を志す学生や若手医師に向けて、伝えたいアドバイスやエールをお願いします。
大学の値打ちはそこで学んだ人たちの活躍で決まります。近畿大学の今の評価はこの50年間の卒業生や働いていた人々が作りました。近畿大学を良い意味で利用して世界に羽ばたいてください。そして新たな近畿大学の50年を作って下さい。