教員・研究員紹介

理学専攻

理学専攻の教員及び研究室について紹介します。
※研究室は、2024年度のものです。2025年度は変更になる場合があります。

池田 徹(いけだ とおる)

職名
教授
研究室
多様体研究室
位相幾何学、3次元多様体論、結び目理論

3次元多様体は任意の点の周囲に3次元座標系を描ける空間です。全体の姿を見るのは難しいですが、空間や曲面を切ったり貼ったりして、対称性などの幾何的性質を研究しています。

石橋 明浩(いしばし あきひろ)

職名
教授
研究室
一般相対論・宇宙論研究室
一般相対論、重力理論、宇宙論

宇宙全体のダイナミクスやブラックホールに関する問題を一般相対性理論を用いて解き明かします。特に高い時空次元の可能性を取り入れた高次元宇宙モデルや高次元ブラックホールを研究しています。

井上 開輝(いのうえ かいき)

職名
教授
研究室
宇宙論研究室
宇宙論、宇宙物理学、銀河天文学

井上研究室では、宇宙における未知の物理法則や物理メカニズムを解明するため、理論及び観測の両面から宇宙論的スケールの様々な現象を解明することに挑戦しています。特に、一般相対論的効果による光の経路の曲がり(重力レンズ効果)や光のエネルギーの変化(重力的赤方偏移効果)に着目し、理論と観測のシナジーによって宇宙モデルの整合性を検証しています。近年はアルマ望遠鏡やすばる望遠鏡による観測的研究に力を注いでおり、ダークマターモデルの検証、超巨大低密度領域における銀河進化、深層学習による天体探査、銀河形成に及ぼす活動銀河核(AGN)の影響など、様々な研究を行っています。

大久保 貴志(おおくぼ たかし)

職名
教授
研究室
光電子機能化学研究室
錯体化学、物性化学、有機光電子デバイス

テレビやコンピュータ、携帯電話などの電化製品には、さまざまな機能性材料が使われていますが、最近では有機ELテレビなど有機材料を用いた電化製品も身近になりつつあります。私たちの研究室ではこれまであまり電子材料としては使われていない金属錯体という無機・有機の複合材料に着目しており、電子デバイスへと応用可能な新しい金属錯体の開発と、薄膜太陽電池や電界効果トランジスタ(FET)、有機EL素子などの電子デバイスへの応用を行っています。同時に薄く軽く透明な次世代太陽電池として注目されている有機薄膜太陽電池の高効率化に向けた研究も行っています。

小田 文仁(おだ ふみひと)

職名
教授
研究室
群論研究室
有限群の表現論

有限群とその表現の問題を、圏論的手法を用いて考察しています。群作用をもつ単体的複体、半順序集合、加群等を研究しています。

加川 尚(かがわ なお)

職名
教授
研究室
行動遺伝学研究室
魚類生理学、行動神経内分泌学

動物にみられる多様な行動はどのように制御されているのか?行動中枢である脳で発現する遺伝子に着目して、社会性行動を制御するメカニズムを解明する研究を、魚類を用いて行っています。

笠松 健一(かさまつ けんいち)

職名
教授
研究室
物性理論研究室
物性理論

絶対零度近くまで冷却された中性原子のボース気体は、ボース・アインシュタイン凝縮と呼ばれる相転移を起こし、超流動に代表される不思議な性質をもつ量子物質になります。この凝縮体が示すさまざまな現象を解明します。

加藤 幸弘(かとう ゆきひろ)

職名
教授
研究室
素粒子実験研究室
素粒子実験

現在、物質はクォークなどの素粒子で構成されていることが分かっています。では、素粒子は何でできているのでしょうか?このような疑問を、巨大な粒子加速器を用いて解き明かそうとしています。

神山 匡(かみやま ただし)

職名
教授
研究室
物理化学研究室
生物物理化学、溶液化学

様々な条件下(温度・圧力・溶媒・添加物など)におけるタンパク質の性質を解明することで、タンパク質の言わば“設計図”や“取扱説明書”を明らかにする研究を行っています。

近藤 康(こんどう やすし)

職名
教授
研究室
量子制御研究室
量子情報、物性物理学

量子情報、量子制御などの量子力学が大きな役割を果たす広い意味の制御に興味を持って、研究を行っています。特に、量子コンピュータは実現すれば、世界を変えることができます。そのような未来のコンピュータの実現に向けての基礎研究も行っています。

佐賀 佳央(さが よしたか)

職名
教授
研究室
生物化学研究室
光生命科学

光合成など、光がかかわる生命現象のメカニズムを分子レベルで解明します。生命に重要な光化学反応の理解は生命化学の進歩に貢献するとともに、エネルギー・環境問題を解決するナノマテリアル開発への応用も期待されています。

佐久間 一浩(さくま かずひろ)

職名
教授
研究室
位相幾何学研究室
位相幾何学

微分可能写像の特異点理論を用いて、4次元多様体やさらに高次元の多様体を研究しています。多様体上のジェネリックな写像には、一般に特異点と呼ばれる写像の微分の階数が退化する点が現れますが、余階数の高い特異点を解消する方法を考察し、それにより多様体の微細な構造の解明を企てています。

杉本 邦久(すぎもと くにひさ)

職名
教授
研究室
無機化学研究室
無機化学、X線結晶学、放射光科学

無機化学では扱う原子の種類が多く、物質の構造設計に無限の可能性を追求することができます。世の中の役に立つ新機能を持った無機化合物を合成し、その本質を先端的な計測・解析手法によって解明する研究を行っています。

知念 宏司(ちねん こうじ)

職名
教授
研究室
応用代数学研究室
解析数論、符号理論

情報を正しく伝える仕組みである符号理論は、さまざまな数学的成果を取り入れた、充実した理論です。数学理論としての符号理論、それに関する群論、環論など代数学を中心に研究しています。また、暗号につながりのある解析数論を研究しています。

辻内 俊文(つじうち としふみ)

職名
教授
研究室
分子腫瘍学研究室
分子腫瘍学、病理診断学、実験病理学

がんは種々の遺伝子異常を蓄積しながら、前がん病変からがんへと多段階的に発生します。膵がん・肺がん・骨肉腫など、予後不良な難治性がんの遺伝子変異を検索するとともに、標的遺伝子をノックダウンしたがん細胞を作成して細胞機能解析を行うことにより、がんの浸潤・転移・抗がん剤耐性能獲得における分子機構を明らかにします。

堂寺 知成(どうてら ともなり)

職名
教授
研究室
ソフトマター物理学研究室
準結晶物理学、ソフトマター物理学、物性物理学

2007年世界ではじめて高分子準結晶を発見し、ソフトマターにも、繰り返し単位のない秩序構造である準結晶があることを明らかしました。準結晶の生成起源に関する理論研究は2014年ネイチャーに掲載、その後青銅比準結晶や無数の金属比準結晶タイリングを発見しました。ソフトマター準結晶だけでなく、ソフトマター特有の複雑構造であるジャイロイドの研究も進めています。

中口 譲(なかぐち ゆずる)

職名
教授
研究室
地球化学研究室
海洋地球化学

地球上にはさまざまな物質が存在するが、その中でも生物に必須な元素の地球上における循環メカニズムの解明を行います。

日髙 雄二(ひだか ゆうじ)

職名
教授
研究室
生命工学研究室
蛋白質・ペプチドの立体構造形成、生理活性発現、分子進化、遺伝子工学、タンパク質・ぺプチド科学、ジスルフィド結合

人体の生命現象の主役であるタンパク質。私たちの研究室では、そのタンパク質がどのようにできあがり、どのように変化することで病気になるのかということを研究しています。

福嶋 伸之(ふくしま のぶゆき)

職名
教授
研究室
分子神経生物学研究室
細胞生物学、神経生物学、脂質生物学

脳の複雑な神経回路はどのように作られるのか、動物の行動はどのように決まるのか、神経とがんに共通する仕組みはどのようなものか。分子生物学を駆使した研究によりその不思議に迫ります。

前川 雅彦(まえかわ まさひこ)

職名
教授
研究室
有機金属化学研究室
錯体化学,有機金属化学

ガス状小分子(オレフィン,カルボニル,ヒドリドなど)が付加した金属錯体や配位高分子の合成,構造および機能に関する研究を行っています。

牧 輝弥(まき てるや)

職名
教授
研究室
環境微生物研究室
微生物生態学,バイオエアロゾル学

大気、水圏、土壌に生息する微生物(細菌やカビなど)を採取し、その生態学的特徴を、環境ゲノムDNA解析を使って調べ、健康や生態系への影響を解明します。人の生活に役立つ微生物も、分離培養し探索しています。

松井 優(まつい ゆたか)

職名
教授
研究室
超局所解析研究室
代数解析学、超局所解析学

微分方程式の研究から生まれた代数解析学が専門です。組合せ論的手法や超局所解析的手法を用いて、構成可能関数のラドン変換の反転公式や像の挙動を研究しています。

矢野 陽子(やの ようこ)

職名
教授
研究室
生物物理学研究室
生物物理学、化学物理、構造化学

生体内で複雑な立体構造をとることで機能を発揮する一方、容易に変性して機能を失うタンパク質。その構造変化を、世界最高輝度のX線を使って観測し、立体構造形成のメカニズムに迫ります。

山口 仁宏(やまぐち よしひろ)

職名
教授
研究室
機能性有機分子化学研究室
合成有機化学、機能性分子化学

有機ELの材料になり得る有機発光体の合成をはじめ、有機トランジスタや有機太陽電池などへの応用も含めた広い視野に立って、さまざまな機能をもつ有機化合物の合成研究を行っています。

山下 登茂紀(やました ともき)

職名
教授
研究室
離散数学研究室
グラフ理論

離散的な構造の多くはグラフとして記述でき、それらを扱うグラフ理論は離散数学の大きな研究分野の一つです。なかでも極値グラフ理論と呼ばれるグラフの部分構造と不変量の関係を研究しています。

若林 知成(わかばやし ともなり)

職名
教授
研究室
構造物理化学研究室
物理化学、ナノ構造化学

レーザーの光を使うと物質を瞬時に数千度以上の高温に加熱でき、普段は見られない分子を作り出すことができます。その光吸収や光散乱、蛍光などユニークな物性を調べます。宇宙空間にも存在するサッカーボール型分子C60の生成機構を調べます。

井原 健太郎(いはら けんたろう)

職名
准教授
研究室
数論研究室
整数論

様々なゼータ関数の多重化について研究しています。多重のゼータ関数の値はもとのゼータ関数の値よりも豊かな性質をもち、その値たちが張る空間の美しい代数構造に興味をもって研究しています。

大村 雄司(おおむら ゆうじ)

職名
准教授
研究室
素粒子現象論研究室
素粒子物理(理論)

我々の知らないミクロな世界には何があるのか。宇宙初期には何が起こったのか。未だ未解明な素粒子を取り巻く物理を解明すべく、幅広い可能性を考え新物理の検証方法を理論的に探究していきます。

川下 理日人(かわした のりひと)

職名
准教授
研究室
計算生体物質科学研究室
計算化学、バイオインフォマティクス、蛋白質間相互作用、感染症、薬剤耐性、分子進化

コンピュータ、時にはスパコンを利用した、計算化学・バイオインフォマティクスなどの手法を用いて、分子進化・薬剤感受性・蛋白質間相互作用など、生命科学における諸現象の解明を目指しています。

島本 茂(しまもと しげる)

職名
准教授
研究室
分子機能制御研究室
構造生物学、熱力学

タンパク質などの生体高分子では、その立体構造に機能発現メカニズムの秘密が隠れています。生体高分子の立体構造を原子レベルで決定し、その情報を基にした活性や機能の制御を目指しています。

鈴木 貴雄(すずき たかお)

職名
准教授
研究室
特殊関数研究室
特殊関数、可積分系

複素領域上の微分・差分方程式、およびその解として定義される特殊関数について研究しています。特殊関数は純粋数学及び応用数学の様々な分野と繫がりのある、とても魅力的な研究対象です。

鈴木 晴(すずき はる)

職名
准教授
研究室
凝縮系物理化学研究室
物性物理化学、熱力学

分子集合体の熱力学的な特性や力学的な特性を調べることで,集合体挙動の多様な姿の解明を目指しています.

段下 一平(だんした いっぺい)

職名
准教授
研究室
量子多体物理学研究室
凝縮系理論、原子・分子・光学物理学理論、量子制御理論

固体中の電子集団や液体ヘリウムなどの凝縮物質では、構成粒子の量子性と相互作用の結果、直感に反する数々の物理現象が起こります。新奇な量子多体効果の開拓を目指して、さまざまな解析手法を開発します。

鄭 仁大(ちょん いんで)

職名
准教授
研究室
結び目理論研究室
結び目理論

結び目理論、および低次元(3、4次元)トポロジーを研究しています。結び目を数学的に調べるためには、多くの場合結び目の不変量を用います。不変量の代数的な性質と結び目の幾何的な性質の関係に興味を持って研究しています。

中村 弥生(なかむら やよい)

職名
准教授
研究室
計算代数解析学研究室
解析的数論、計算代数解析

留数を用いた多重ポリログ関数の解析接続や多重ゼータ値に関する研究をしています。

西山 雅祥(にしやま まさよし)

職名
准教授
研究室
生命動態物理学研究室
生命動態物理学、バイオイメージング、生物物理

私達の体の中ではたらく生体分子はどのようにして駆動しているのか、その仕組みを明らかにする研究をおこなっています。

早坂 晴子(はやさか はるこ)

職名
准教授
研究室
免疫分子機能研究室
分子生物学、細胞生物学、免疫学

病原体から私たちを守るための攻撃・防御に活躍する免疫細胞。原発巣から他の臓器に転移して増殖する癌細胞。細胞が体内を移動し、特定の場所で働くメカニズムを研究します。

増井 孝彦(ますい たかひこ)

職名
准教授
研究室
固体電子物理研究室
物性物理学(実験)

物性物理は、自ら試料を作り測定することで研究が可能な分野で、巨大科学とは違った面白さがあります。新奇な物理現象や新物質の発見、また長年の謎の解明をめざします。

松本 浩一(まつもと こういち)

職名
准教授
研究室
有機合成化学研究室
有機合成化学、新規有機反応の開発

近年注目を集めている電極反応を用いて、有機分子の酸化・還元を行うことで活性な有機化学種を発生させ、これを利用した新しい有機反応の開発に挑戦しています。ルイス酸を用いての複雑な骨格を構築する環化反応や、有機電子材料の合成にも取り組んでいます。

三角 樹弘(みすみ たつひろ)

職名
准教授
研究室
場の量子論・素粒子論研究室
理論物理学 場の量子論 素粒子論

万物の根源的要素である素粒子は「場の量子論」と呼ばれる理論によって記述されます.場の量子論においては粒子の存在が不確定になり,粒子が無から生成されたり逆に消滅したりする驚くべき状況が生じます.本研究室では,この理論のさまざまな解析手法を提案・研究し,実際の物理現象に応用することで自然の深い理解を得ることを目標としています.

森澤 勇介(もりさわ ゆうすけ)

職名
准教授
研究室
分光物性化学研究室
物理化学、分光分析化学、分子分光学

分光学の基礎研究を基に、光物性の研究を行います。物質と光の相互作用から、物質の性質や量といった情報を引き出すため、分子からのメッセージであるスペクトルを観測し、解析法を開発します

森山 隆太郎(もりやま りゅうたろう)

職名
准教授
研究室
環境生理学研究室
繁殖学、生理学、神経内分泌学

生物は生息環境に適応した性質を備えることで個体を維持し、ひいては種の存続を可能にしています。当研究室では栄養状態の変化や外的・内的ストレスが生殖機能を制御するメカニズムの研究をしています。

山際 由朗(やまぎわ よしろう)

職名
准教授
研究室
有機化学研究室
有機化学、生物活性天然物、全合成

HIV(エイズウイルス)やインフルエンザウイルスの感染・増殖を阻害する化合物や、老化やがんなどに関連して注目されているラジカル(活性酸素など)を分解する化合物の合成方法を開発しています。

飯田 慶(いいだ けい)

職名
講師
研究室
生物データ科学研究室
情報生物学, RNA生物学

近年、高速シークエンサーの発達より、細胞内の分子の種類や数、また相互作用などの情報の蓄積が急速に進んでいます。本研究室では特にRNAの転写制御や、RNA修飾・スプライシングといった転写後制御に着目し、ビッグデータ解析を通じて、生命現象の理解や医療の発展につながる情報の創出を目指します。

木下 善仁(きした よしひと)

職名
講師
研究室
ゲノム科学研究室
分子生物学、人類遺伝学、ゲノム解析、ミトコンドリア

人間の遺伝情報(ゲノム)は人体の設計図にあたりますが、このゲノムの異常がどのように病気を引き起こすのかを研究しています。ゲノム編集技術などを用いた病態解明や創薬研究への展開を目指しています。

駒田 致和(こまだ むねかず)

職名
講師
研究室
発生生物学研究室
解剖学、神経発生毒性学、先天異常学、発生生物学

妊娠期の母胎環境が子供の発生や発達に及ぼす影響を明らかにすることで、先天異常を予防し、子供の健やかな成長に貢献するとともに、次世代を担う子供たちの誕生と成長を願える人材の育成に携わりたいと考えています。

仲間 美奈(なかま みな)

職名
講師
研究室
遺伝医療学研究室
遺伝カウンセリング、遺伝医学、分子生物学

遺伝性疾患および遺伝医療に対する啓発の一環として、社会的・倫理的視点からの系統的レビューを行っています。また、独自のスプライシング検出系を用いて、Alu配列による遺伝子発現への影響を研究しています。

信川 久実子(のぶかわ くみこ)

職名
講師
研究室
高エネルギー天体物理学研究室
高エネルギー宇宙物理学(観測)

X線で観る宇宙は超高温で莫大なエネルギーを放出しています。そのなかでも天の川銀河で起きる高エネルギー現象を研究しています。また、X線天文衛星に搭載する検出器の開発を行っています。新型検出器の実証実験のため、国際宇宙ステーションに検出器を搭載する計画も進めています。

兵藤 憲吾(ひょうどう けんご)

職名
講師
研究室
有機反応化学研究室
有機化学,触媒反応

医薬品や農薬,その原料などのファインケミカルの合成を指向した新たな有機合成手法の開発を行っています。その上で,環境への意識だけでなく,直接薬品を扱う人にも配慮したやさしい合成をコンセプトに掲げ,研究を行っています。これらの目的を実現すべく私たちは新たな試薬や触媒の開発,新規反応の探索,反応機構の解明を中心に据えた研究を展開しています。

小森 大地(こもり だいち)

職名
助教
研究室
代数解析研究室
代数解析学,超局所解析学,佐藤超関数論