情報学部の教育方針

情報学部 情報学科

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

情報学部では、近畿大学の建学の精神である未来志向の「実学教育と人格の陶冶」に則り、広い視野から問題の核心を的確に把握する洞察力、技術的な課題を解決する専門能力、進歩を続ける情報技術に対応できる柔軟な思考力と創造力を持ち、社会の一員としての責任と自覚を有する情報技術者の育成を目標としています。4年間のカリキュラムを通じて、社会のニーズに応える情報技術者としてふさわしい問題発見能力、制約の中で他者と協調しながら問題を解決する能力、情報分野における幅広い専門技術の知識とそれらを問題解決に応用できる能力、システム構想・設計力、プログラミング能力に加え、国際的に通用する英語コミュニケーション能力と技術者倫理を身につけた学生に卒業を認定し、学士(工学)の学位を授与します。卒業した学生が有する資質・能力を以下に示します。

1.
関心・意欲・態度
1.1
問題発見、及びそれに必要な知識の修得を自主的、継続的に行う意欲を持つこと。
1.2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、及び技術者がそれらに対して負う責任を理解し、関心を持つこと。
2.
思考・判断
2.1
グローバルな視点から多面的に物事を考える能力と素養を身につけること。
2.2
与えられた制約の下で計画的に仕事を進め、まとめる能力を身につけること。
2.3
他人との共同、協調作業を通して問題解決ができること。
3.
技能・表現
3.1
日本語による論理的な記述力、口頭発表力、討議などのコミュニケーション能力を身につけていること。
3.2
国際的に通用する英語コミュニケーション能力を身につけていること。
4.
知識・理解
4.1
数学、自然科学に関する知識を情報分野の問題に応用できる能力を身につけていること。
4.2
情報分野における幅広い専門技術の知識と、それらを問題解決に応用できる能力を身につけていること。
4.3
システム管理・運用能力、システム構想・設計力、プログラミング能力を身につけていること。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)

情報学部では教育方針に沿って、ディプロマ・ポリシーに示した資質・能力に対応した到達目標を設定し、それぞれの目標達成に適した、以下の科目群にまとめられるカリキュラムを設定しています。

<共通教養科目>

情報学部では、ディプロマ・ポリシーの項目1.1、2.3、3.1の能力を育成するため、課題設定・問題解決科目群を開講しています。この科目群では、4年間を通した少人数ゼミ教育により、学生同士での活発な議論や担当教員との対話のもと、広い視野に立った問題発見への意欲と、問題解決に必要な知識の修得への意欲を継続的に持たせることを目的とし、「得られた知識をレポートにまとめる(1.1)」、「グループのメンバーと協調しながら与えられた課題を解決する(2.3)」、「考案した方策を口頭で発表し、質疑に対して適切に応じる(3.1)」、「文化としての日本語の奥深さや、音声表現の技法を習得する(3.1)」という学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで項目1.1、2.3、3.1の能力が身につきます。
また、項目1.2の能力を育成するため、人間性・社会性科目群を開講しています。この科目群では、これからの科学技術者の在り方、基本として持つべき科学技術倫理観を養うことを目的とし、「科学技術者として必要な倫理を知る」、「品質問題、環境問題、安全問題と情報問題と技術者倫理の関係を知る」、「知的財産権、リスク問題の対処法を知る」という学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで1.2の能力が身につきます。
さらに、項目2.1の能力を育成するため、地域性・国際性科目群を開講しています。この科目群では、地球的視点から、人類や環境が直面している様々な問題について認識を深めさせ、技術者という立場から問題解決への意欲を持たせることを目的とし、「多種多様の価値観に触れることで視野を拡げるとともに、グローバル化された社会における問題解決のための最良の手段が幅広い知識の獲得とそれに基づく言語化能力の向上にあることを理解する」学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで2.1の能力が身につきます。
加えて、スポーツ・表現活動科目群では健康な精神と肉体を培うとともに、趣味の涵養を通して豊かな人間性を養うことを目標としています。

<外国語科目>

情報分野の主要言語は英語であり、国際社会で活躍できる人材を育成するため、英語教育を重視しています。情報学部では、ディプロマ・ポリシーの項目3.2の能力を育成するため、外国語科目群という教育プログラムを開講しています。この科目群では、基礎・基本を徹底する科目、実用英語力をつける科目、外国人教員によるコミュニケーション力をつける科目を体系づけ、集中的かつ効果的に履修できるようカリキュラムを構成し、「日常生活についての様々な事項に関する文章を読み、語彙を修得し、またそれをもとにまとまった文章を書いて発表できるようになる」学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで3.2の能力が身につきます。

<専門基礎科目>

情報学部では、ディプロマ・ポリシーの項目4.1の能力を育成するため、専門基礎科目群という教育プログラムを開講しています。この科目群では、情報学の基礎的理解、科学技術リテラシーの修得、及び専門教育を受けるための学力養成を目的として、線形代数学、微分積分学、統計学などを中心とした科目を開講し、「ベクトル、行列、微分積分、確率の基本的な計算ができるようになる」学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで4.1の能力が身につきます。

<専門科目>

情報学部では、ディプロマ・ポリシーの項目2.2、4.3の能力を育成するために実習科目群を開講しています。この科目群では、デザインパターンを含めたオブジェクト指向プログラミングを習得するための実習科目により、徹底してプログラミング技術の教育を行い、「プログラミングに関する基本的な知識・技術を活用して、より実用的な問題を解決できるプログラムを作成できる能力を獲得する」学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで2.2、4.3の両方の能力が身につきます。
また、項目4.1、4.2の能力を育成するために、専門科目群を開講しています。情報分野が中心となり急速な発展を遂げる科学技術の進歩に対応できる基礎力と適応力を持った人材を育成するため、「知能システム」、「サイバーセキュリティ」、「実世界コンピューティング」の3つコースを設けています。それぞれのコースでは実践的な問題解決型学習(PBL)と、特色のあるカリキュラムを通じて、基礎から高度な専門教育までを行います。さらに、学生が情報学に関する幅広い分野を学べるよう、他コースの科目も履修できるシステムを提供しています。この科目群では、「基本的なコンピュータシステムの構成とソフトウェアの知識を活用して、知能システム、サイバーセキュリティ、実世界コンピューティングにおける諸問題を解決できるようになる」学修目標を設定しています。これらを主体的に学ぶことで4.1、4.2の能力が身につきます。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

情報学部では、国際的に通用する高度な学問的素養を持ち、豊かな社会の実現に貢献し、社会的責任を有する自立した技術者の育成を目指しています。このため学部教育での到達目標として、ディプロマ・ポリシーを達成できるようなカリキュラムを提供しており、情報学への適性を兼ね備えた基礎学力を持つ人物はもちろんのこと、基礎学力のみにとらわれず社会のニーズ変化に即した多種多様な能力を持つ人物も併せて受け入れます。具体的には、カリキュラム・ポリシーに従った教育課程に十分従事でき、ディプロマ・ポリシーを達成できることが期待される、下記のような人物が入学することを期待しています。

1.
技術と人間、社会、文化の関わりについての基礎的な洞察力を持つ人。
2.
技術者の社会的責任について理解し、それを誠実に遂行しようとする倫理観を持つ人。
3.
知的好奇心があり、情報技術をベースとする工業製品あるいは社会システムへの応用に強い関心を持つ人。

また、情報学部に入学するまでに、次のような教科の内容を理解し、それらに即した記載の能力を持っていることが望まれます。

数学

数学的公理や定理を活用した推論能力、論理的思考力。

理科

自然現象を数式や化学式でモデル化する能力。

外国語

文法に則って英文の文意を正確に理解する能力。

国語

日本語の基礎的な読解力、及び論理的な記述力。