建築学部の教育方針

建築学部 建築学科

ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)

近畿大学の建学の精神である未来志向の「実学教育と人格の陶冶」に則り、建築学部では、21世紀における社会の変化の中で建築のあり方を継続的に探求できる人材を輩出するため、多角的かつ厳格な成績評価により教育カリキュラムを運営しています。所定の単位を修得した学生に卒業を認定し、学士(建築学)の学位を授与します。卒業までに身につけるべき知識・能力を以下に示します。

1.
幅広い知識と深い洞察力を培い、コミュニケーション能力とグローバルな視点を持ち、柔軟な思考・発想で国際化社会に貢献できること。
2.
「建築図面を読み描きする能力」を身につけ、都市や建築を形成していく広範なデザイン能力を修得すること。
3.
「つくり・守り・育てる」建築学を理解し、幅広い建築関連分野で活躍できる専門知識・技術を修得すること。
4.
社会の課題や問題を、建築学の専門知識・技術にもとづき高い倫理観をもって創造的に解決する能力を身につけること。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)

従来の「つくる」ことを主たる目的とした建築学に加えて、「守り・育てる」建築学を幅広く身につけるために、共通教養科目、外国語科目、専門科目によって、カリキュラムが構成されています。
共通教養科目と外国語科目では、ディプロマ・ポリシーにある「1.幅広い知識と深い洞察力を培い、コミュニケーション能力とグローバルな視点を持ち、柔軟な思考・発想で国際化社会に貢献できること。」の能力を育成します。
専門科目では、ディプロマ・ポリシーにある「2.『建築図面を読み描きする能力』を身につけ、都市や建築を形成していく広範なデザイン能力を修得すること。」、「3.『つくり・守り・育てる』建築学を理解し、幅広い建築関連分野で活躍できる専門知識・技術を修得すること。」、「4.社会の課題や問題を、建築学の専門知識・技術にもとづき高い倫理観をもって創造的に解決する能力を身につけること。」の能力を育成します。

各科目の履修では、1年次に共通教養科目、外国語科目ならびに建築分野の基礎的な知識・技術を中心に幅広く学びます。学生の関心と適性に応じて段階的に、2年次に建築工学・デザインコースと住宅・企画コースに分かれて基礎的な専門科目を中心に履修し、3年次以降には、現代社会の課題に応えるべく用意された建築学の4つの体系である建築工学専攻、建築デザイン専攻、住宅建築専攻、企画マネジメント専攻に分かれて、高度な専門知識・技術を学修することができます。
なお、カリキュラム全体に、文系・理系を問わず建築学の知識・技術を修得できるよう、きめ細かい指導のもと、1年次から段階的に実施される自発的・主体的に学ぶゼミナール形式の少人数教育において、学んだことを実際の問題に適用しながらコミュニケーション力や創造力・論理的思考能力などを培います。

<共通教養科目>

共通教養科目は、人間性・社会性科目群、地域性・国際性科目群、課題設定・問題解決科目群、スポーツ・表現活動科目群で構成されており、これらの科目を履修することで、幅広い知識と洞察力を培い豊かな人間関係と確かな主体性を確立するに足りる十分な教養を身につけることができます。
各科目は1年次の「基礎ゼミ1・2」、「健康とスポーツの科学」、「技術と倫理」、「国際社会と日本」、「国際化と異文化理解」など、2年次の「自校学習」「人権と社会1・2」、「暮らしのなかの憲法」など、3年次の「メディアの読み方」、「キャリアデザイン」、「企業倫理と知的財産」、「プレゼンテーション技術」と順次性のある科目構成となっています。
履修によって身につけられる能力の到達に関しては、各科目のシラバスに、学習・教育目標及び到達目標、成績評価方法及び基準、試験・課題に対するフィードバック方法が示され、成績評価によって到達度は点数化されて確認することができます。成績評価については、各セメスター終了後に通知します。

<外国語科目>

外国語科目は、外国語のコミュニケーション能力とグローバルな視点を持ち、国際的な活動の場に貢献できる人物となることを到達目標としてカリキュラムを設定しています。ネイティブ教員と日本人教員のそれぞれの利点を活かした「イングリッシュ・スキルズ」科目では、英語によるコミュニケーションや情報収集・伝達に特化した4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)を養います。「英語演習」科目では、学生が独自のテーマを設定して英語で調査・討論・発表・論文執筆を行うプロジェクトを行い、段階的に英語で情報収集・発信できる能力を1年生から3年生まで身につけます。第二外国語科目では2年間のカリキュラムと少人数教育の実践により、発音指導を中心とする入門から中級レベルの4技能の修得を目指します。これらの科目を履修することで、「外国語によるコミュニケーション能力とグローバルな視点を持ち、柔軟な思考・発想で国際社会に貢献できる能力」を身につけることができます。各科目は英語、第二外国語ともに順次性のある科目構成となっています。
履修によって身につけられる能力の到達に関しては、各科目のシラバスに、学習・教育目標及び到達目標、成績評価方法及び基準、試験・課題に対するフィードバック方法が示され、成績評価によって到達度は点数化されて確認することができます。成績評価については、各セメスター終了後に通知します。

<専門科目>

専門科目は、「専門科目(学部共通)」、「専門科目(建築工学専攻)」、「専門科目(建築デザイン専攻)」、「専門科目(住宅建築専攻)」、「専門科目(企画マネジメント専攻)」で構成されており、これらの科目を履修することで、「『建築図面を読み描きする能力』を身につけること」、「『つくり・守り・育てる』建築学を理解し、幅広い建築関連分野で活躍できる専門知識・技術を修得すること」、「社会の課題や問題を、建築学の専門知識・技術にもとづき高い倫理観をもって創造的に解決する能力を身につけること」などの能力を身につけることができます。
「『建築図面を読み描きする能力』を身につけること」においては、1年次の「情報処理基礎」、「建築概論」、「基礎製図」、「基礎数学」、「物理学及び演習」、「建築基礎演習」、「3D・CAD演習」、「建築構法」、「『つくり・守り・育てる』建築学を理解し、幅広い建築関連分野で活躍できる専門知識・技術を修得すること」においては、1年次の「建築設計概論」、「環境工学概論」、「静定構造力学1」、2年次の「設計演習Ⅰ・Ⅱ」、「住宅計画」、「音・光環境」、「建築計画総論」、「アーバンデザイン」、「建築材料」、「企画マネジメント総論」、「不静定構造力学」、「熱・空気環境」「近代建築史」などの順次性のある科目構成となっています。
履修によって身につけられる能力の到達に関しては、各科目のシラバスに、学習・教育目標及び到達目標、成績評価方法及び基準、試験・課題に対するフィードバック方法が示され、成績評価によって到達度は点数化されて確認することができます。成績評価については、各セメスター終了後に通知します。

「社会の課題や問題を、建築学の専門知識・技術にもとづき高い倫理観をもって創造的に解決する能力を身につけること」の達成のために、各専攻により独自の科目で構成されています。

建築工学専攻では、建築工学全般に対して深い専門知識を身につけ、建築物や都市の設計・計画をする能力を得ることを到達目標としてカリキュラムを設定しています。建築工学の専門知識や技術を基礎に、論理的思考力や問題解決能力、技術者としての倫理観を身につけることができます。また実務経験のある教員が担当する授業を配置しており、演習、実験などの実践型の学修によって、学生の主体性を養うことができます。3年次の「設計演習Ⅲ」、「建築計画各論」、「コンクリート構造」、「鋼構造」、「建築設備概論」、「耐震耐風工学」、「建築施工」、「建築行政」、「木質構造」、「環境演習」、「建築構造実験」など、4年次の「建築再生論」、「環境設備計画」などの順次性のある科目構成となっています。

建築デザイン専攻では、デザイン・プレゼンテーション能力、デザイン理論と表現技術、様式や形式を身につけることを到達目標としてカリキュラムを設定しています。それらを主体的に学ぶことで、幅広い教養と専門知識の修得をはじめ、身近な空間を都市につなげ、社会に求められる建築を構想する力、質の高いデザインとは何かを追い求め、新しい発想と確かな知識で、次世代の建築をデザインする力が身につきます。3年次の「設計演習Ⅲ」、「建築デザイン論」、「コンクリート構造」、「鋼構造」、「建築設備概論」、「スタジオ設計Ⅰ」、「建築施工」、「建築行政」、「西洋建築史」、「日本建築史」、「ランドスケープデザイン論」など、4年次の「スタジオ設計Ⅱ」、「環境設備計画」の順次性のある科目構成となっています。

住宅建築専攻では、住宅に関連する幅広い社会的知見にもとづき住宅を構成できる能力、住宅とまちなみとの関係について考えることのできる能力、住宅内外の環境に関する深い専門的知識、構造・生産施工・材料に対する十分な理解にもとづき住宅を設計できる能力を身につけることを到達目標としてカリキュラムを設定しています。住宅に特化したより専門的・実践的な教育プログラムを用意し、それらを主体的に学修することによって、住宅設計において要請される幅広い社会的課題を柔軟な思考・発想および深い工学的知識により創造的に解決する能力を身につけることができます。3年次の「居住管理論」、「住宅都市計画演習」、「住宅構造学」、「建築設備概論」、「住宅実務設計演習」、「福祉住居論」、「建築施工」、「建築行政」、「住宅設備」、「住文化論」、「インテリアデザイン論」など、4年次の「土地建物調査法」、「建築再生論」の順次性のある科目構成となっています。

企画マネジメント専攻では、建築プロジェクトの企画力、建築ストックを維持管理し活用するマネジメント能力、建築のあり方を都市・まちづくりの視点から考える能力を身につけることを到達目標としてカリキュラムを設定しています。それらを主体的に学ぶことで「つくり・守り・育てる」建築学を理解し、幅広い建築関連分野で活躍できる専門知識・技術を修得することを通して社会課題を創造的に解決する力が身につきます。3年次の「居住管理論」、「建築企画演習Ⅰ」、「現代都市計画」、「建築設備概論」、「建築マネジメントⅠ」、「建築企画演習Ⅱ」、「まちづくり論」、「建築行政」、「建築生産論」、「保存修景計画」など、4年次の「建築マネジメントⅡ」、「建築再生論」などの順次性のある科目構成となっています。

また各専攻に共通して「社会の課題や問題を、建築学の専門知識・技術にもとづき高い倫理観をもって創造的に解決する能力を身につけること」では、3年次の「社会奉仕実習」、「インターンシップ」、「ゼミナール演習」、4年次の「建築総合演習」、「卒業研究・設計」などの科目構成となっています。
履修によって身につけられる能力の到達に関しては、各科目のシラバスに、学習・教育目標及び到達目標、成績評価方法及び基準、試験・課題に対するフィードバック方法が示され、成績評価によって到達度を確認することができます。成績評価については、各セメスター終了後に通知します。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

建築学部は、近畿大学建学の精神に則り、従来の「つくる」ことを主たる目的とした建築学に加え、「守り・育てる」建築学を学ぶ場を提供し、実学教育によって、現代社会の課題を読み解き、その課題解決に貢献する新しい建築を創造する人材を育成します。 このために、次のような人材を受け入れます。

1.
建築関連分野に対して幅広い興味・関心を持つ人
2.
建築学の修得に必要な基礎学力を修得している人
3.
社会における互いの多様な価値観を理解し、これらを尊重することのできる倫理観を持つ人
4.
地域環境・地球環境との共生の大切さを理解し、社会に貢献できる新たな技術を創造しようとするチャレンジ精神を持つ人
国語

基礎的な日本語の読解力、表現力、論理的な思考力

外国語

目的に応じて情報を得ることができ、考えを正確に理解し、表現できる能力

数学

事象を数理的に考察し表現できる能力

理科

自然現象に対する科学的な思考・判断をするための基礎的知識

地歴・公民

変化する社会情勢に対応していくための歴史・風土・政治・経済に関する基礎的知識

特別活動

自主的、協調的態度と奉仕の心

近畿大学建築学部の入学試験では上記の人材を多元的な評価尺度で選抜するために、理系・文系を問わず受験可能な科目選択の方式を採用します。
また、高等教育レベルでの基礎学力に加え、建築に対する意欲・能力を評価することを目的として推薦入試を実施します。

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