水産学科について

水産学科について

概要

Vision

体験型講義などを通して、幅広い分野を網羅した水産学のプロを養成

体験型講義などを通して、幅広い分野を網羅した水産学のプロを養成

海洋の資源が、食品だけではなく医薬品や工業用材料、エネルギーなどにも利用されるようになり、その一方で海洋の環境汚染が問題となっている現在、水産業の重要性はますます高まっています。水産学科では、生物、増養殖、漁業、水産加工業、流通など水域の食糧生産にかかわる学問分野から、水域生態系の評価・保護・改善・修復・共生などの環境保全分野まで、幅広い分野の教育を進めています。基礎・応用知識と実践力を修得した上で、社会奉仕やインターンシップ、実践的フィールドワークなど本学独自のカリキュラムを編成。世界的な設備と技術を誇る水産研究所をはじめとする学内外の諸施設での体験型講義も開講し、現場に即した問題意識を高めながら、水産学のプロを養成します。

TOPICS

2008年に国家的プロジェクト「グローバルCOEプログラム(5年間継続)」に、水産研究所と大学院農学研究科の「クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点」が選ばれました。2003年の21世紀COEプログラム採択に引き続く快挙です。

JABEE教育プログラム

JABEE(日本技術者教育認定機構)とは、理工農学系の学会・協会と密接に連携しながら、各教育機関の技術者教育プログラムが社会の要求水準を満たしているかを審査し認定する団体です。これまで我が国には、国際的な技術士資格はありませんでしたが、アメリカやイギリスをはじめ世界の数カ国には、優れた技術者の能力を証明する国際的に認知された資格があり、資格の同等性を国際的に承認する協定である「ワシントン・アコード(WA)」により共通化されていました。2001年にJABEEは英語圏以外で初めて、世界に通用する認定団体としてWAへの加盟が許可されました。

JABEE 教育プログラムには、社会の要求水準を満たす人物を育成しているかが問われます。すなわち、人類の幸福・福祉について考え、技術が社会や自然に及ぼす影響を理解し、技術者としての責任を自覚した人物であること。さらに、「論理的に書き、話すことで意見を相手に伝え、意見を交わす国際コミュニケーション能力」「数学・自然科学・(IT)技術の基礎知識を備え、それを応用する能力」「自ら進んで学習を継続する能力」「様々な分野の科学・技術・情報を利用して社会のニーズを解決する方策をデザインする能力」「与えられた条件下で計画的に仕事を進め、まとめる管理能力」「チームで仕事をするための能力」を有していることが求められます。これらの要求水準はすなわち、本学科が行うJABEE教育プログラムを修了した時点の学生の姿にほかなりません。

JABEEが認定する教育課程を修了した卒業生には、修習技術者の資格が与えられ、技術士第一次試験が免除されます。

Close Up

ナゾに包まれたウナギの生態

ウナギの生き様を探ろう
[水産生物学研究室]

ニホンウナギの産卵場が西マリアナ海嶺南端部の海域と特定されてから10年近く経過しました。しかし、「なぜ・どうして・どのように彼らがそこへ正確に戻れるか?」は未だにナゾのままです。これを科学と最先端の技術で解き明かしたいと考えています(写真1参照)。またニホンウナギが川で成長することはよく知られていますが、彼らが川でどのように暮らし、成長し、そして旅立つかは実はほとんど解明されていません(写真2参照)。彼らの河川生態を知ることは、ニホンウナギの資源減少と河川生態系の再生や保全への直接的な貢献につながります。

ポップアップタグを装着した親ウナギ

写真1:ポップアップタグを装着した親ウナギ

河川でのニホンウナギ

写真2:河川でのニホンウナギ

このように、ウナギを含めた海と川を行き来する水圏生物の生き様を知ることは、生態や進化の過程の解明につながるだけではなく、地球の環境変動に直面していく人類の今後の存続や未来の在り方につながるヒントも与えてくれるかもしれません。研究を通じて、「知る」ことの積み重ねを共に経験し、その結果として「わかった」時の爽快感や感動を皆さんと共有したいと思います。一緒に研究を楽しみましょう。

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