製剤学研究室

研究課題

ナノ粒子化による血流改善薬静脈内投与法の確立と脳梗塞治療への応用
粒子径の違いを利用した局所または全身性経皮投与システムの開発
ナノ化テクノロジーを用いた口腔内崩壊錠の開発とバイオアベイラビリティの改善
ナノ結晶点眼製剤の創製と眼科領域への応用

研究室紹介

 「製剤学」とは、疾病の診断、治療、予防、その他の目的で薬物を使用する際の最終プロセスを工夫し、その薬物の効果が十分に発揮できるような製剤設計、調製方法及びその製品について考究する学問です。当研究室では下記に示すように、製剤技術に必要な製剤的基礎知識や製剤設計をするのに必要な物理化学・生物薬剤学的な知識を基本とし、新規薬効成分のスクリーニングをはじめ、新しい適用方法や治療に最適な剤形を開発することを精力的に進めています。

ナノ化テクノロジーを用いた新規製剤処方の確立

ナノ粒子化による血流改善薬静脈内投与法の確立と脳梗塞治療への応用

薬効が高く、副作用が少ない医薬品であっても、溶解性が低ければその用途は軽減される。本研究室ではこれら疎水性医薬品の新規溶解化の開発を行っており、この技術を用いることによる医薬品の使用用途の向上を目的としている。

粒子径の違いを利用した局所または全身性経皮投与システムの開発

経皮製剤は、皮膚に貼付し、皮膚を通して薬物が局部または全身への移行を示すタイプの医薬品である。我々は医薬品のナノ粒子化を行うとともに、このナノ粒子を経皮製剤として応用し、これまで吸収性等が乏しいなど経皮吸収に不向きであった医薬品の用途拡大を検討している。

ナノ化テクノロジーを用いた口腔内崩壊錠の開発とバイオアベイラビリティの改善

医薬品をナノ粒子化させ、その特性と用い口腔内崩壊錠の開発を目指し、ナノ粒子に適した処方設計を行っている。また、本製剤錠の血中動態についても検討している。

ナノ結晶点眼製剤の創製と眼科領域への応用

400nm以下の薬物粒子は角膜を比較的通過やすいことから、安定なナノ粒子分散液を調製し、眼後部への到達やその眼内動態について検討している。