薬物治療学研究室

研究課題

シグナル伝達活性化による抗がん剤(分子標的薬)耐性機序の解明とその治療薬の開発
がん転移機序の解明と抑制剤の開発
がん分子標的治療薬の開発

研究室紹介

シグナル伝達活性化による抗がん剤(分子標的薬)耐性機序の解明とその治療薬の開発

現在、臨床におけるがん治療では種々の抗がん剤や分子標的薬を用いますが、 約1 年後には薬剤が効かない(薬剤耐性を持つ)がん細胞が出現し、治療が困難となります。 従って、薬剤耐性を克服できれば、患者の延命に期待ができます。 この薬剤耐性獲得には様々な要因が考えられていますが、明確なメカニズムは明らかになっていません。 そこで、このメカニズムの解明研究を行い、いくつかの耐性因子を同定し、それらに対する抑制剤を見出しています。

がん転移機序の解明と抑制剤の開発

悪性の腫瘍は多くの場合、進行すると他臓器へ転移します。このがん転移は、患者の予後を大きく左右するため、 転移を抑制できれば、余命を大幅に改善できます。当研究室では、そのがん転移促進機序とそれを抑制する薬剤について研究を行い、 転移を抑制する数種の薬剤を見出しています。

がん分子標的治療薬の開発

現在、研究・開発されるがん治療薬の多くは分子標的薬になってきています。 分子標的薬は、がん特有の遺伝子変異やシグナル伝達因子を標的とすることで、 より効率よく、がん細胞に細胞死(アポトーシス)を誘導することができ、 副作用も軽減できる可能性が考えられます。当研究室でも、リード化合物から数種の薬剤を開発し、 その作用メカニズムの解明研究も行っています。これらの薬剤を臨床応用することが出来れば、 がん患者の予後の改善、延命に期待できます。