研究目的

増殖シグナルを標的とした革新的がん治療法開発をめざした統合的ゲノム研究に関する医薬連携基盤形成

革新的がん治療をめざした戦略<概念図>

“がん細胞のアキレス腱”と呼ばれる増殖シグナルはがん治療の重要な標的であり、代謝やストレスなどにより精緻に制御されています。本学では増殖シグナルの制御に関するゲノム科学研究、がん化の鍵を握るERK MAPKシグナル経路を標的としたゲノム創薬研究が精力的に行われ、次世代のがん治療につながる成果と魅力的な創薬シーズが集積しています(Sugiura et al., Nature 1999, 2003; Ishimoto et al., Cancer Cell 2011)。

本研究プロジェクトは、増殖シグナル、特にERKやPI3K, AKTシグナル伝達経路を標的とした創薬研究を軸とし、最先端のオミクス分析や幹細胞技術を結集し、癌や増殖シグナルの制御機構の解明、および代謝(癌メタボリズム)の関わりや、抗がん剤治療法副作用の克服などについて統合的な基盤研究を進めるとともに、基礎研究の成果を具体的な創薬・医療シーズへと育成するための橋渡し研究(トランスレーショナル・リサーチ)の基盤形成を行います。

本プロジェクトの推進を通して、日本有数の総合大学であり、がん治療拠点でもある近畿大学が、革新的がん治療法開発を目的とした医薬連携研究により、橋渡し研究の基盤作りを行います。