薬品分析学研究室

研究課題

糖鎖を指標とする癌細胞の個性解析
高機能マイクロチップ電気泳動法の開発
複合糖質糖鎖の高感度高性能分離分析法の開発

研究室紹介

 様々な分析装置が開発され、性能は日々進化を遂げています。しかし、われわれ薬学の分析研究者は「装置」よりも、 物質、すなわち「何を分析したいのか」という視点に立って研究しています。 我々の研究室では、2002 年のノーベル賞で有名になった質量分析装置を用いて、 ある種の癌細胞のみに発現する糖鎖バイオマーカー分子の探索を行っています。 また、最近の研究成果によりある糖鎖を詳細に解析することで細胞の悪性形質転換の状況が推察できる可能性を見出しました。 μ-TAS と呼ばれるマイクロマシンの研究では、小さなプラスチック板の上で物質を分離・検出するシステムが開発されていますが、 流路があまりにも細いため、分離できても検出が難しいという欠点がありました。 そこで、このチップの流路の一部に機能性ポリマーをピンポイントで光重合させる技術を開発し、 105 倍の高感度化に成功しました。 このように我々の研究室は「化学」「物理」「生物」が複合した薬学部ならではの視点で、ユニークな研究をめざします。