カリキュラム

生命のしくみを探究し、遺伝子工学の技術を磨く
――未来の課題に挑むためのカリキュラム

本学科では、生命のしくみを分子・細胞・個体・環境といった多様な階層で学び、遺伝子操作・タンパク質解析・細胞培養・動物実験といった基本技術を実践的に身につけていきます。カリキュラムは「学科基礎」「生命と情報」「高次生命」「応用生命工学」「実験・実習・演習」の5分野に分かれており、基礎から応用へ段階的に学べるように設計されています。
講義では、生命現象のしくみを理論的に理解し、実験・実習・演習では、遺伝子工学の技術を実際に手を動かして修得します。たとえば、マウスを用いた体外受精の実験や、受精卵の凍結保存、口腔粘膜細胞からDNAを抽出して遺伝子を調べる実習、線虫を掛け合わせて遺伝のしくみを体感する実験など、生命の神秘に触れる体験がそろっています。
3年次には研究室に配属され、それまでに身につけた知識や技術を土台に卒業研究として最先端のテーマに挑戦します。マンモス復活計画や人工生命の構築、動物園動物の人工繁殖、がん・感染症・免疫疾患などの原因を探る研究や新しい治療法の開発など、「夢」のある研究に取り組むチャンスがあります。

開講年次 遺伝子工学科開講科目 学際領域選択科目
1年次 前期 必修 動物生理学
細胞生物学I
遺伝子工学概論
動物学
選択 化学I
生物学I
物理学I
生命科学概論
他学科が開講している専門科目(一部を除く)
後期 必修 生体構成分子
細胞生物学II
分子生物学I
統計学
発生生物学I
発生工学
公衆衛生学
選択 化学II
生物学II
物理学II
微分積分学
線形代数学
2年次 前期 必修 微生物学
生化学I
分子生物学II
動物繁殖学
発生生物学II
遺伝子工学
遺伝子基礎化学実験
選択 進化遺伝学
後期 必修 生化学II
専門ゼミ
遺伝子工学実験
選択 生物物理化学
実験動物学
免疫学概論
神経科学
3年次 前期 必修 生殖工学実験 選択 遺伝子機能解析学
生命科学のための分析化学
分子発生学
生命科学のための情報リテラシー
幹細胞・再生医工学
後期 必修 生命倫理
専攻科目演習I
選択 タンパク質機能学
生殖医療工学
遺伝子発現制御とエピジェネティクス
医用遺伝子工学概論
4年次 前期 必修 卒業研究
専攻科目演習II
選択
後期 必修 卒業研究
専攻科目演習III
選択

PICK UP1

遺伝子工学概論

最先端の生命科学から学ぶ、遺伝子工学の全体像

遺伝子工学は、医療・環境・農業など、私たちの暮らしのさまざまな分野に関わる生命科学の重要な領域です。この授業では、遺伝子工学科の教員がそれぞれの専門分野から最新の研究成果や技術をわかりやすく紹介します。
マンモス復活計画や人工生命の構築などの合成生物学、がんや不妊症、感染症、免疫疾患などの病気の原因を探る研究、そして、それらを支えるタンパク質工学・細胞工学の基礎研究。多様な分野の研究を学ぶことで、遺伝子工学の全体像をつかみます。自分の興味や進路のヒントを見つけるきっかけにもなる授業です。

PICK UP2

進化遺伝学

進化と遺伝が織りなす、生命のドラマを読み解く

この授業では、遺伝子の変化がどのように生物のかたちや行動を変えてきたのか──進化の視点から生命現象を読み解いていきます。個体の特徴や行動の違い、さらには人間の心理にまでつながるしくみを、遺伝子レベルから探ります。
進化多様性生物学の教員が、長年にわたって探究してきた研究成果や独自の視点を交えながら解説するため、生物の多様性や進化のしくみを深く理解できる授業です。「なぜ生物は多様なのか?」「遺伝子はどこまで私たちを決めているのか?」そんな問いに触れながら、生命科学の奥深さと面白さを実感することができます。

PICK UP3

幹細胞・再生医工学

私たちの体をつくる源──幹細胞のしくみと再生医療の可能性を学ぶ

この授業では、私たちの体をつくる源である「幹細胞」とはどのような細胞なのか、どこから生まれ、どのようにしてさまざまな細胞に分化していくのかを学びます。さらにそこから皮膚や臓器などの組織を創り出して、それを医療に活かしたい──iPS細胞の研究や、工学的な技術との組み合わせによって広がる再生医療の可能性を、わかりやすく解説します。
幹細胞研究に取り組む教員の知見をもとに、生命のしくみと医療の未来をつなげる視点を養う授業です。細胞のふるまいを知ることで、「治す医療」から「再生する医療」への発展を考えるきっかけになります。

カリキュラムツリー・カリキュラムマップ・科目ナンバリング

カリキュラム体系図

科目ナンバリング