近畿大学 経済学部・大学院 経済学研究科

嶋本大地准教授の共著論文『A Study of Bid Rigging in Procurement Auctions: Evidence from Indonesia, Georgia, Mongolia, Malta, and the State of California』が『Journal of Political Economy Microeconomics』に掲載

2026.09.24

  • 研究

著者      Kei Kawai / Jun Nakabayashi / Daichi Shimamoto
論文タイトル  A Study of Bid Rigging in Procurement Auctions: Evidence from Indonesia, Georgia, Mongolia, Malta, and the State of California掲載誌情報   Journal of Political Economy Microeconomics, Volume 4, Number 3, pp. 848-869
リンク先    https://doi.org/10.1086/737570

<論文の内容紹介>政府や地方自治体が公共事業などを発注する公共調達では、企業間の競争を通じて、限られた財源を効率的に活用することが期待されています。しかし、入札に参加する企業が事前に落札者を調整する「談合」が行われると、競争が妨げられ、政府支出の効率性が損なわれる可能性があります。本研究では、インドネシア、ジョージア、モンゴル、マルタおよび米国カリフォルニア州の公共調達データを用いて、入札談合の可能性を検証しました。

本研究では、入札価格が僅差となったケースに注目し、僅差で落札した企業と僅差で敗れた企業について、直近に受注した公共調達契約の総額を比較する回帰不連続デザインを用いています。競争的な入札であれば、僅差の勝者と敗者の間で、直近の受注額に大きな違いは生じないと考えられます。一方、企業が順番に案件を落札するよう調整している場合には、直近の受注額が少ない企業が次の案件を落札するため、僅差の勝者と敗者の間に不連続な差が現れます。分析の結果、インドネシアでは、僅差で落札した企業が直近に受注した公共調達契約の総額は、僅差で敗れた企業よりも有意に少ないことが明らかになりました。この結果は、企業が順番に公共事業を落札する「受注調整」が行われていた可能性を示しています。さらに、インドネシアでは、電子調達による入札の少なくとも約7%、全入札の少なくとも約3%が競争的ではなかった可能性が示されました。一方、ジョージア、モンゴル、マルタおよび米国カリフォルニア州では、競争的な入札が行われているという仮説を統計的に棄却することはできませんでした。

本研究の結果は、特に開発途上国における公共調達の効率性を高めるためには、発注者側の汚職を防ぐ取り組みだけでなく、入札企業間の談合を発見し、防止する取り組みも重要であることを示しています。