情報技術とデータ分析を駆使して
農業の未来にアクション!
天候が作物に与える影響を分析し、
市場価格を予測する
システム構築をめざす。

小林 聖矢 吉岡 さやか 清水 純

Vol.11

めざすは農家の経営安定。
情報学の視点で、農業の課題に挑戦!

  • 2 飢餓をゼロに
  • 8 働きがいも経済成長も
小林 聖矢

情報学科4年

小林 聖矢

Seiya Kobayashi

吉岡 さやか

情報学科4年

吉岡 さやか

Sayaka Yoshioka

清水 純

情報学科4年

清水 純

Jun Shimizu

「教育情報システム研究室」所属。地産地消を進める行政と連携しながら、生産者と消費者をつなぐ情報システムの設計と開発に取り組む。

私たちは、情報技術と
データ分析を活用することで、
人と現場を強くする「農業DX」を
研究しています。
身近な“食”をサステナブルに支えるため、
農業の未来を支える仕組みづくりを
めざします!

私たちの研究では、日本の農業が抱えるさまざまな課題の中でも、「気候変動によって起こる農産物価格の変動」に注目し、気温や雨量、日照時間などの環境要因が、作物の生育や出荷時期、さらには価格にどのような影響を与えるのかをデータで分析しています。価格の予測は、天候や市場の動きなど多くの要素が関わるため容易ではありませんが、複数の分析手法や機械学習モデルを用いて、より精度の高い価格予測に挑戦しています。また、この研究は生産者の安定した経営を支えることを目的としており、全国で進められている地産地消の取り組みとも深く関係しています。地元で採れた野菜の価格傾向を事前に把握できれば、出荷量や販売時期の調整がしやすくなり、安定した収入の見通しを立てることができるからです。

実測値を元に収集したデータを分析して野菜の育ち方を予測します。年度をずらしながら照合することで自分たちが立てた推論と合致するかを判定。合っていれば、次のシステム構築へとステップを進められます。

具体的には実際の気象データや観測値をもとに分析を行い、野菜の価格をどの程度正確に予測できるかを検討しています。一定の精度が確認できれば、生産者が実際に利用できる価格予測システムの開発へと進みます。広島県内でも地産地消の取り組みは進んでいますが、気候変動の影響による価格の変動は依然として大きな課題です。私たちは広島県を対象に野菜の価格予測を行い、地域特有の気象条件と価格変動の関係を分析していますが、地域を絞ったとしても多くの要素が関係することに変わりはなく、精度の高いモデル構築と、より実用的な仕組みづくりへの課題は少なくないと考えています。

研究で大切なのは、できるだけ多くのデータを集めて分析することです。
【小林】私はキャベツや大根などの野菜を対象に、生育の特徴と気温や降水量、日照時間などの環境データを組み合わせて分析しています。気象庁のデータを活用しながら、気候が作物の成長や価格にどのように影響するのかを調べることで、農業の仕組みをより深く理解できるようになり、身近に感じるようになりました。また、集めたデータは、統計的な分析や機械学習モデルを使って価格変動の要因を探るために活用しています。
【清水】思った通りの結果が出ないこともありますが、農産物と天候との関係を深く理解できたことは、自分にとって大きな学びになりました。

現段階で開発している野菜価格予測システムのデモページです。予測された野菜の価格情報をわかりやすく伝える工夫を行うことにより、地域の生産者のためにより価値のある情報提供を行えるようにしています。

【吉岡】この研究はまだ基礎的な段階にあり、気候や季節によって変化する野菜の価格の仕組みを明らかにすることをめざしています。予測の精度を高めていけば、将来的には作付けや販売計画を支援できる価格予測システムの実用化につながると考えています。それが、いずれ日本の農業を支え、生産者の働きがい向上に貢献できると感じられることは、研究を進めるうえで大きなやりがいです。 今後も「農業DX」として地域の現場を支える取り組みを通じ、また、気候変動という不確実な課題に対してデータと情報技術を活用することで、持続可能な農業と地域社会の発展に貢献できる仕組みの構築をめざしたいと思います。

※学生の所属および学年は、2025年度取材時のものです。