パンルヴェ方程式の高階化など、新しい方程式の発見。
数学の持つ普遍性と発展性を鍵に、最先端研究の礎を築く。

特殊関数の研究から新しい関数の発見へ

方程式の解の公式は、2次方程式なら中学で習いますし、人によっては3次や4次方程式まで知っている人もいるでしょう。でもその先の5次方程式となるとどうでしょう?これを解くには、楕円関数と呼ばれる高校では習わない特殊関数の知識が必要になります。このように、方程式が解けることと、その解が具体的に書けることとはまったく別の話です。私たちの研究は特に微分方程式に注目し、既存の関数では解が書けないが解けることはわかっている、そのような方程式を見つけることです。すると発見された方程式の解は新しい関数になるわけです。

パンルヴェ方程式の背景にある理論を拡張する

パンルヴェ方程式はおよそ100年以上前に発見された2階の非線形微分方程式です。それが実は解析学だけでなく代数学、幾何学、物理学など、数学に限らず様々な自然科学の分野と関係していることがわかっています。私たちはこの背景にある理論を拡張することで一緒に方程式も拡張しようという、パンルヴェ方程式の高階化を一つの成果として発表しました。この論文は他の数理物理学の分野の研究者によって引用され、そこでは名誉なことに新しい方程式に私の名前をつけてくれました。

数学の普遍性、発展性はさまざまな最先端研究の礎

数学には2000年という歴史があり、一度正しいと認められたものは半永久的に残り、その理論はずっと使い続けられます。また4次元空間のような絵に描けない、形にならない世界へ拡張できる発展性もまた数学の持つ強みです。そうしたことからも数学は物理学や電気電子工学や機械工学など、さまざまな最先端の研究開発における基礎となっています。この事実はあまり意識されていませんが、普遍的なものと、すぐに役に立つ最先端なものとは、言わば車の両輪のように、どちらかが欠けても研究は前に進めなくなります。そんなことを踏まえて、さまざまな研究の重要なツールとなる数学の価値を、再認識してほしいと思います。

数学研究に取り組む姿勢が社会で、生きる上で役に立つ

数学の研究を続けていると、論理的に物事を考える習慣が身につきます。さらに研究を通じて、答えのない問題に対してどのようにアプローチをすればいいか、その答えに辿り着くためのプロセスを経て、実は問題解決能力も大いに身につくのです。これは社会に出ても、もっと言えば生きて行く上で、とても役に立つ力を備えられるということです。学生の皆さんには自分が好きになれる、一生懸命になれる研究分野を見つけて、時間を掛けて取り組むことから多くのスキルを身につけてほしいですね。

鈴木 貴雄
理学科 准教授

所属: 学科 / 理学科 数学コース 
研究室:
特殊関数研究室

略歴 1998年 関西日本電気通信システム株式会社
2011年 大阪府立大学教育拠点形成教員
2012年 近畿大学講師
2016年 近畿大学准教授

スポットライト -最先端研究一覧

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