光通信技術とレーザー技術の融合。
光ファイバで日本の産業用レーザーの復権を目指す。
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光ファイバレーザーとは
光ファイバレーザーの仕組みは、わかりやすく言うと光ファイバをリング状にしてその中をぐるぐる巡らせることによってレーザーを生み出します。従来のレーザーは鏡やレンズを何層にも組み合わせ、光を閉じ込めることによってレーザーを作っていましたが、光ファイバを使ったレーザーはファイバの中に光が全て閉じ込められているので、非常に安定度が高く丈夫なレーザーを作ることができるのです。
例えば産業分野でも温度や振動など、厳しい環境下でも使い勝手のいいレーザーを作れるということです。
光ファイバレーザーの研究テーマ
光ファイバは非常に細いものなので、大きなガラスの塊から出てくるレーザーに比べると、どうしても光を増幅する断面積が狭くなり、ファイバ1本では大きなエネルギーを取り出すことができません。そこで研究室では複数のファイバを束ねることによって大きなエネルギーを得られるような、そういったレーザーの開発を進めています。あるいは光ファイバから出てくる光に特殊な性能を持たせるにはどうすればいいか、そういった研究もしています。
光ファイバレーザーの将来性
現状ではレーザーそのものの出力は高くないので、まずは計測分野。正確な距離を測る、あるいは光の干渉を利用して物体の形を正確に測定するような分野に活用できたらいいと思っています。そしてその先に日本が得意とする製造業の分野。わかりやすい例で自動車産業とか電子産業とか、そんな製品加工の現場に活用領域を広げて行くことを目標としています。
日本の産業用レーザーは正直、一時期ほどの勢いがありません。産業用ではドイツの方がはるかに進んでいます。けれども幸い、日本は光通信の分野で非常に進んだ技術を持っていて、光通信で培った光ファイバ技術があります。そこでこれとうまく融合させることで、新しい従来にない機能を持ったレーザー装置が開発できるのではないか。そうして産業分野に貢献したいと考えています。
失敗から始まる新発見
私たちは実験を中心に研究を進めているので、まずはすでにある研究成果を教科書として勉強します。でも、そこに書いてあることでも実験をしてみないと解らないことがたくさんあります。そして実験を重ねていく中で、失敗することも多くあります。けれども、もし失敗をしたら「これは教科書に載っていない何かを見つけたに違いない」と、そんな風に思えるようになって欲しい。新しい発見は躓きから見つかることもあるのです。研究者として、そんな資質を育んで行って欲しいと思います。
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景観工学研究室 岡田 昌彰
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バイオコークス研究所 所長/教授 井田 民男
近畿大学理工学部 理学科 教授
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