4つの系 文化資源学系

文化資源学系とは

文化資源学とは、まだ新しい学問です。日本・世界、有形・無形を問わず、受け継がれてきた文化を「資源」として見直す仕方を学び、現代の社会・文化に生かす方法を探究します。私たちの身の回りにも文化資源はあふれています。身近な文化資源を調べて掘り起こし、文化資源の活用と発信の方法を考えてみましょう。この系では考古学、民俗学を中核にしながら、歴史と現代の学問を統合した形での新しい授業群を用意しています。実習形式の授業に参加しながら、主体的にフィールドに出て、自分で考え、行動することを求めます。

文化資源学系とは

ポイント

文化遺産と文化資源を考える

広く日本と世界の例を取り上げながら、将来に残すべき文化遺産や文化資源について、根本から考えます。文化遺産と文化資源についての、多様な見方を学びます。

文化資源の調査と掘り起こし

身近な近畿圏にも、過去と現在の文化資源がたくさん存在します。そこで、近畿圏を中心に、自らフィールドに出て、現在と将来に残すべき有形・無形の文化資源を調査し、文化資源を掘り起こします。

文化資源の活用と情報発信を学ぶ

文化と歴史を学ぶだけではなく、そこから得られた知識や情報を発信して、社会に役立てる方法を学びます。「文化発信実習」では、印刷物、HP、その他のコミュニケーション手段を通じた情報発信を実習します。

過去・現在・未来の融合を学ぶ

旧来の専門体系では、歴史と現代の研究は分離しがちでしたが、文化資源学ではこれらを融合した未来的な思考を目指します。過去の有形遺産を扱う「考古学」と、現在に残る有形・無形の伝統文化遺産を扱う「民俗学」は、文化資源学の基礎になります。さらに、現代に生まれた新しい文化資源を理解し、現代社会における文化資源の役割と活用方法を考えることによって、過去と現在の結びつきを学びつつ、未来を考えていくことを目指します。

授業科目

必修科目 選択必修科目 学科選択科目
基礎科目I 基礎科目II 発展科目
基礎研究
演習I
演習II
卒業論文
文化資源学概説 考古学講読
文化資源学講読
民俗学実習
日本民俗学
環境民俗論
日本考古学
近畿の文化資源
歴史考古学
考古学実習
近畿現代文化探索
近畿歴史文化探索
文化探索実習
文化活用・発信実習
文化資源学自由研究
自然地理学
政治学原論
文化学特講
言語文化セミナー

ピックアップ講義

文化資源学概説A(網・藤井) 文化資源学とは、どのような視点と可能性を持つ学問なのでしょうか。今日における文化取り扱いの多様な視点、文化の取り扱い・活用現況、多様な研究方法と課題、実際の問題点などを取り上げつつ、近畿大学における文化資源学の方向性を考えます。
民俗学実習(藤井) 実際に地域に入って民俗調査を体験する授業です。関西の農山漁村に合宿形式で調査に出かけます。これまで、和歌山県かつらぎ町・高野町、滋賀県長浜市などに行きました。最近では、和歌山県紀美野町に出かけています。さまざまな民俗を現地で聞き取り調査することは、貴重な伝承を記録するだけでなく、地域の文化資源を見出していくきっかけにもなります。また、大学近くの東大阪市や八尾市でも民俗調査を実施させてもらっています。
文化活用・発信実習(文化・歴史学科教員) 「文化探索実習」において受講生が見出してきたさまざまな文化資源について、多様な発信の方法を模索し、多様な発信を体験します。たとえば、受講生が学内・学外イベント企画、文化・歴史学科学生誌企画・編集、文化グッズ開発企画、文化遺産ツアー企画などをできることを目指します。

関連ゼミ(3・4年生対象)