学部長挨拶

近畿大学は「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神とし、「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人を育成すること」を教育の目的としています。1959年以来、長きにわたり広島県にキャンパスを構える工学部では、工学を中心とした技術的側面から社会に貢献できる人材を輩出すべく、技術者・研究者として必要な高い人格と倫理観(人間性)、専門領域における知識や技能(専門性)、国際化時代を生き抜く力(国際性)の育成に注力しています。
皆様に愛される工学部となれるように、教職員一同で力をあわせて教育・研究・社会貢献に取り組んでまいります。大学卒業後も社会の変化に柔軟に対応できるように自己研鑽に励み、生涯にわたって社会に貢献できる人材の育成に尽力する所存であります。

学部長

荻原 昭夫
AKIO OGIHARA
工学部長

2022年10月1日、工学部の新学部長に情報学科の荻原 昭夫教授が就任しました。
今大学が求められていること、これからの近畿大学工学部(広島キャンパス)は何をめざしていくのか、荻原学部長にインタビューしました。

---これからの大学生に求められることは何でしょうか?

コロナ禍により、社会では様々な変化が進みました。大学もしばらくは、オンライン授業と対面授業を、状況に応じてバランスよく併用していく状況が続くと思います。学生の皆さんにとっては、大学卒業後に社会人となった際には、業種や企業によってはオンラインで働く機会や、外国の方とコミュニケーションをとる機会も今後ますます増えていきます。
ですので、大学生のうちに、オンラインにも対応でき、対面でも人間関係を築くことができる人間性や専門性、国際性を身につけること、それがますます重要になってくると思います。

学部長

---学部長からみて、コロナ禍の変化をどう受け止めていますか?

大学としても、時代が急速に変化している中、ずっと同じ授業や研究をおこなうのでなく、時代の変化に対応したテーマに変えていく必要があります。
そのためには、私たち教員も新しいことを学ぶ時間が必要です。
コロナ禍で普及したオンライン授業でも驚くほど上手な授業をする教員もいます。積極的にその教員のオンライン授業の知見を活用し、それぞれの教員が得意分野を分担して取り組むことで、時間を生み出せないかと思っています。そうすることで、学生の皆さんが学びたいと思える研究テーマや授業カリキュラムを創出し続けていくことが重要だと思います。

学部長

---工学部・広島キャンパスの強み、地域の方に知っていただきたいポイントは何でしょう?

ひとつは広島県に立地するキャンパス、なおかつ工学部1学部しかない単科のキャンパスでありながら、近畿大学という西日本最大級の総合大学であるメリットを享受できることが、県内の他大学との大きな違いと言えると思います。近畿大学は「実学教育」をベースにしている大学であり、地場の企業との連携を大切にしてきた歴史があります。またその中で、中小企業の社長も多く輩出し、OBのネットワークが全国に拡がっているという大きな強みもあります。
ICT(情報通信技術)の進歩により、今では「場所」や物理的な「距離」はデメリットではなくなり、ほとんど影響を受けなくなってきています。広島県在住の方にとっては、近畿大学というと大阪のイメージが強いと思いますが、大阪・福岡など他キャンパスと密に繋がっており、教育面でも研究面でも様々な制度の面でも、大規模総合大学が広島にあるのと同じ意味合いであるということをもっとアピールしていきたいと思います。

---具体的には?

今年(令和4年)3月、近畿大学と東広島市は、包括連携協定「東広島市・近畿大学Town&Gown構想」を締結し、より一層連携を強化していくことになりました。地元企業とのイノベーションの創出、スマートシティに向けたキャンパスでの実証実験、SDGsの視点での研究強化など、市と大学がそれぞれ役割分担、またそれぞれの知見を持ち寄って地域課題の解決に取り組み、より一層、地域・世の中に役立つ大学になることをめざします。

学部長

---最後にメッセージをお願いします

工学部(広島キャンパス)は広島県にキャンパスを構えて、令和4年(2022年)で63年になります。創設当時の昭和34年(1959年)、当時の総長が、今後の日本の発展のために重要となる、科学技術の振興およびアジア圏への産業進出の拠点とすべく、瀬戸内工業地域の中核の1つであった呉市に、広島県では私立大学として初めての理工系の学部を構えましたが、このことは一般的にはご存じないものと思います。
このように、広島キャンパス創設の経緯からして、地域の産業振興に貢献すべく設置されたのですが、さらなる産官学連携のためには、もっと門戸を開き、企業向けの相談窓口のハードルを下げ、何よりまずは工学部・広島キャンパスでどのような研究が行われているかを知っていただかねばなりません。
そして、起業プロジェクトを立ち上げるなど多方面で活発な学生がたくさんいますので、学部長として、学生たちがやりたいことがあれば提案しやすい環境を作り、もっと活発なキャンパスを作り上げていきたいと考えています。
広島県の皆さんに、「あの大学に頼んでよかった」「近畿大学工学部は地域にとって役に立っている大学だ」と思っていただけるよう、小回りが利く、融通が利く、フットワークの軽い工学部(広島キャンパス)でありたいと思います。

学部長