【続報】深刻な雷災害に悩むマレーシアの防災に貢献 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS) マレーシア初のロケット誘雷に成功
2026.06.26
- 研究
近畿大学理工学部 電気電子通信工学科 教授 森本 健志、特任研究員 高柳 裕次、博士研究員 Muhammad Haziq Mohammad Sabriらのグループは、年間の発雷日が200日を超え、深刻な雷災害に悩むマレーシアのマラッカ海峡沿岸地域を対象に、世界最高峰の雷観測網を構築し、発雷予測などの実現によって防災に貢献することを目的に国際共同研究「持続可能なエネルギー供給と極端気象災害の早期警報のための電荷分布リアルタイム3Dイメージングと雷活動予測」(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム:SATREPS)を実施しています。2023年のプロジェクト開始から現在までの間に、マレーシアのクアラルンプールからマラッカにかけての全9地点に、雷の前兆となる雲内の微小放電の開始からその進展路を詳細に観測するVHF(超短波)帯と、広域の雷活動全体を隈なく観測するLF(長波)帯を両輪とする電磁界観測網を構築し、雷放電がどこで始まり、どのように進展し、どこで終わるのかが3D観測できるようになりました。ここで得られたデータを高速処理して雲内の電荷分布と雷放電で中和される電荷量を推定する3Dイメージングも実現しています。
同プロジェクトでは、3Dイメージングを検証し、推定モデルを改善することを目的に、ロケット誘雷実験も行っています。ロケット誘雷とは、雷雲下に小型ロケットで接地したワイヤーを引き上げ、落雷を誘導する技術で、雷の発生時刻と場所を予め特定できるため雷のメカニズム解明に有効で、自然雷による被害を減らすための研究も期待されています。マレーシアでの誘雷成功を目指し、2023, 2024, 2025年度には、わが国へマレーシアから研究者を招き、冬季に誘雷実験のトレーニングを行いました。2024年度には、日本で7年ぶりとなる誘雷に成功し、2025年度には1シーズンに7回の誘雷成功という記録的な成果を挙げました。そしていよいよ2026年度には、マレーシアでの実験を開始し、5月3日にマレーシアで初となる誘雷に成功しました。この成果は、早速 Asia-Pacific Intenational Symposium and Exhibision on Electromagnetic Compatibility (APEMC 2026), 日本地球惑星科学連合大会 (JpGU-AGU Joing Meeting 2026), International Conference on Lightning Protection (ICLP 2026)で報告され、関連研究者に驚きを与えると共に注目されています。
本プロジェクトでは今後、IoTやAIを活用した雷害対策の開発や、落雷や極端気象災害の早期警報等の社会実装を進めていきます。
![]() |
![]() |
これまでの記事:
深刻な雷災害に悩むマレーシアの防災に貢献 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)に採択
【続報】深刻な雷災害に悩むマレーシアの防災に貢献 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)が始動
【続報】深刻な雷災害に悩むマレーシアの防災に貢献 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)がキックオフ!
年間発雷日が200日を超える、世界有数の雷多発地域・マレーシア その深刻な雷の防災を考える国際シンポジウムを開催
地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)をきっかけにマレーシア2大学と協定覚書を取り交わしました
関連サイト:
JICAプロジェクト、マレーシアで初のロケット誘雷実験に成功
Facebook_SATREPSさんの投稿
RTL-3D KILATサイト
Facebook_RTL3D | Malacca City

