研究科長挨拶

医療と創薬、基礎と臨床、多様な社会のニーズや変革に対応・活躍できる国際性豊かな人材の育成を

2020年10月1日付で大学院研究科長を拝命した杉浦麗子です。本学には2004年より分子医療・ゲノム創薬学研究室教授として就任し、2012年より薬学部創薬科学科長として薬学部運営に参画してきました。今後はより広い視野から薬学研究科のさらなる発展と改革に貢献したいと思います。

21世紀を迎え医療の変革・進歩のスピードはめざましく、それに伴い社会が医療に向けて希求するニーズは多様化しています。COVID-19に象徴される新規感染症に対応するワクチンや医薬品開発、検査法の確立から、尿や血液を用いたがんの早期診断、個々人のゲノムに最適化したプレシジョン(精密)医療、人工知能(AI)を駆使した病理診断、遠隔医療に至るまで、時代の要請は医療や創薬の劇的な変革を生み出す原動力ともなり得ます。このような社会のニーズに応え、変革する医療分野で活躍できる人材を育成するには、高い専門知識を有するだけではなく、イノベーション・マインドを培うことが重要です。イノベーションは、日々の研究の絶え間ない積み重ねに加えて、自らの研究を実学へと応用する視点、日々の臨床経験における緻密な観察に基づく発想を基礎研究で実証するという視点を持つことにより可能となります。

近畿大学はわが国でも有数の私立総合大学であり、常にイノベーションをめざした最先端の実学研究が展開されてきました。特に薬学研究科では、医療薬学科(6年制)の卒業生を対象とする「薬学専攻博士課程」と創薬科学科(4年制)の卒業生を対象とする「薬科学専攻博士前期・後期課程」を設置することにより、急激に進歩する医療分野・創薬関連産業において活躍できる人材の育成に貢献しています。とりわけ、医学部を擁する強みを最大限に活かし、近畿大学病院、奈良病院薬剤部、堺市立総合医療センターあるいはスギ薬局でのレジデントを兼ねた連携大学院方式など、充実した医薬連携研究体制が大学院生に提供されています。薬科学専攻においては、将来大学・研究所・企業などで医薬品の創薬研究、臨床開発を担う人材の輩出をめざし、学内、学外の研究施設、海外との国際共同研究も活発に行われています。また、ネイティブスピーカーによるオーラル、ライティング、プレゼンテーションイングリッシュなど国際性豊かな人材育成に不可欠な科目も充実しています。

薬学研究科では、他大学・他学部出身者、海外からの留学生も互いに切磋琢磨し、最先端の研究を行う熱気にあふれています。最後に、私の研究の座右の銘を皆様にお送りし、一人でも多くの方が薬学研究の楽しさを味わっていただけることを願っています。

“Science Should be Fun!!”

研究科長

杉浦 麗子
REIKO SUGIURA
教授
薬学研究科長