2012(平成24)年度 海外留学帰国報告書

慶熙大学(韓国) 経営学部 商学科 帰国報告書

1.留学中の活動詳細について

授業内容

年間を通しての授業は前期が語学堂という大学内にある韓国語を学ぶための機関で勉強し、後期は交換留学の規定により語学堂へは通わず大学の学部授業を受講して単位取得・交換を目的として勉強しました。もちろん韓国語に自信がある学生は前期の時点から語学堂に通いながら学部の授業をとることができます。英語による授業もたくさんあるので積極的に単位取得に努めることができ、近畿大学に帰ってからのことを考えると可能であるならば前期の時点で学部の授業に挑戦してみるのもいいかもしれません。個人的には韓国に来たばかりの自分に学部の授業を問題なく受講できる語学能力(当時ハングル検定3級程度)が十分ではないと判断したため、前期は語学堂の授業に専念することにしました。同じ時期に交換留学生として来た他校の日本学生の多くは語学堂だけを受講していました。
語学堂の授業時間は月曜日から金曜日までの朝9時から昼の1時までです。それぞれのレベルに合った学習のためにまず授業が始まる前日に筆記と面接による簡単なクラス分けテストがあります。クラスは高級・中級・初級と分かれており、その中でさらに1と2に段階分けされています。翌日の朝、国際教育院の掲示板に結果が張り出されるのでそれにしたがって各自の教室へ向かいます。一つのクラスにつき15人程度で、私は中級2のクラスに入りました。クラスメイトの国籍は中国、グァテマラ、バングラデシュ、ロシア、ラオス、カザフスタン、ウズベキスタン、タイ、ベトナムなど本当に様々でした。同じ国籍の人でかたよらなかったおかげでお互いコミュニケーションをとる際は必然的に韓国語になりますし、韓国で生活を始める上で会話のいい練習になりました。
語学堂の授業内容は主に5つに分かれており、会話・書き取り・聞き取り・読み取り・語彙文法をそれぞれの時間で振り分けて勉強します。大学で販売している教科書にそって授業は進行され、その合間に先生が準備してくださった資料や、映画などを見て勉強します。難易度は自分のレベルに合ったクラスに振り分けられるので問題ありませんでした。クラスメイトもみんな同じぐらいのレベルなので一緒に楽しく授業を受けることができます。
授業を受ける上で、先生が話す言葉は全て韓国語で、文法や韓国語特有の語彙・言い回しなどを学ぶときも全て韓国語で説明を受けます。それでも先生は生徒にわかりやすいように説明してくれますし、文法などについて日本語ではなく直接韓国語の説明を受けることでその際に新たな語彙も一緒に学ぶことができ、効率的な学習ができたのではないかと思います。また一日4時間という授業時間のなかで先生や生徒の韓国語をみっちり聞くので、わりと早い段階で自分の聞き取り能力の向上に気づくことができるのではないかと思います。テストは選択式で、毎日の授業をきちんと聞いていれば問題なく受けることができると思います。
そして私が授業の中で感じたことは、皆よく先生に質問したり発言したり積極的に授業に参加していく姿勢です。時には先生の言葉より生徒の発言の方が多いのではないかと思う時間もあったくらいです。私も日本に居る時はそれほど自分から発言したりはできなかったのですが、ここに来て皆の姿勢を見習い、また発言しやすい雰囲気にも助けられてどんどん授業に積極的に取り組んでいけたような気がします。日本に居た時の自分より一歩進めたような気がして少し嬉しかったのを覚えています。
私が入った中級2は授業時間とプログラムの関係で次の段階の高級1に半分だけ進む形になりました。高級の授業になると少しずつ習う文法も難しくなりますし、読み取り・書き取りも複雑なものになってきます。またクラスの中で討論の時間をもうけるようになり、環境問題や教育、社会問題などについてお互いの意見を発表し合いました。私がいたクラスが特におしゃべりな学生が多かったため、討論の時間はとても盛り上がりなにより楽しい授業になりました。韓国語の勉強になるのはもちろんですが、各国から来た友達たちの考え方や文化の違いなども伺うことができ、とても良い経験になりました。
語学堂最後の月には授業のまとめとしてに個人発表の時間がありました。各自決められたテーマにそって準備したパワーポイントや資料などを使って一時間一人で発表します。ただ単に発表するというよりは、難しい単語は解説を加えたり、その時間自分が先生になったようにふるまい、聞いている生徒にどれだれ理解させるか、興味をもたせるかに評価の重点が置かれていました。私は事件・事故が主題だったので日本で問題になっている原子力発電と、またそれに関するマスコミの報道、情報選択の必要性などを発表しました。他のクラスメイトたちは、義務教育や年金、同性結婚など社会に関することを発表していました。やはり外国語で発表するにあたって、母国語のように自由に言葉を選んで瞬時に発言することは簡単なことではないので、事前に専門用語を調べておいたり、質問にも答えられるようにと準備にとても時間がかかりました。日本でも1時間一人で発表したことがないのに、ましてや韓国語で発表なんて自分にはできるのかと不安にもなりましたが、先生にも助けられながら準備し、納得のいく発表を行うことができました。なんでもやればできるのかなと感じることができましたし、最後に4カ月間の学習の成果を実感することができました。 7月は語学堂の授業自体は終わり、その代わりに個人の希望で受けることができるTOPIK(韓国語能力試験)の対策授業を受講しました。毎週月・水・金14時から16時までの2時間ずつ検定の過去問題をといて、先生に解説してもらうという授業でした。毎時間プリントがくばられ、それを全部やるようにするのですが、終わってみると膨大な量になっていました。この授業のおかげで語彙も増えましたし、語学堂で習った文法の復習にもなりました。そしてなにより韓国語能力試験4級に合格することができました。こうしてやってきた韓国語をなにか形に残すことができてよかったです。
夏休みが終わり、後期からは語学堂に通わず学部の授業だけを受けました。交換留学生は基本的にどの学部の授業もとることができ、私は近畿大学で経営学部ということもあったので、貿易原論、貿易商務論、現代社会と消費者という授業をとり、加えて教養科目として生命のエナジー、文化観光日本語の授業計5科目を受講しました。やはり学部の授業は語学堂とは比べ物にならないほど難しく、やらなければいけないことも多いです。授業ごとに必ずといっていいほど課題提出と発表があります。それに加えて中間と期末のテストですから、韓国の学生があまりアルバイトをしない理由がわかりました。する時間がないんだと思います。課題にも時間をとられますし、発表準備にはもっと時間がかかります。毎日の授業も進度が早く、ノートをとって先生の話を理解しようとするのに精一杯でした。先生も語学堂のように生徒に合わせて喋ってくれたりはしないので、聞き取れない時もあり、自分の未熟さを改めて実感させられました。私が受講した5科目のうち、貿易原論と貿易商務論の2つは外国人向け授業だったので留学生が多く、わりと気持ちは楽に聞けたような気がします。それでも内容は難しく、私には日本語で聞いてもすんなり理解できるだろうかと疑いたくなるレベルでした。発表はグループで行い、ある商品を一つ決め、その商品を輸出すると仮定し、それを仲介する業者、個数、輸送手段、保険などの費用を計算し、利益を出す過程を発表するものでした。授業で習った事の総まとめとしての発表で、グループのスペイン、モンゴル、中国の子達と協力して時には夜遅くまで学校に残って準備し、多くの時間をかけて発表を成功させることができました。
生命のエナジーの授業では、内容自体が難しかったことに加え、発表は細胞についての個人発表でした。韓国人の前で外国人の私が一人で前に出て発表することにすごく不安を感じましたが、なんとか無事に発表することができました。終わってみると他の生徒からの評価も良く、ここでもやってみればできるものかなと前向きに思う事ができました。
私が一番楽しかった授業が文化観光日本語の授業です。この授業は韓国人が第二外国語として日本語を学ぶ授業で、日本人の私は受講するつもりはなかったのですが、担当の先生に依頼されて受講したものです。自分が語学を誰かに教える立場にたったのは初めてのことで新鮮でした。固定の班を決め、毎回一緒に机を向かい合わせにして授業を聞き、発表もしました。他の授業と違い生徒同士の距離が近く、ご飯を一緒に食べる仲になったりとても良い雰囲気の中で授業を受ける事ができました。日本語を学ぶという事で最初は意味がないかなと思っていましたが、日本の文化についても知らなかった事を知る事ができたり個人的には一番楽しい授業になりました。
テストは中間も期末も論述が多く、範囲も広かったので難しかったです。テスト期間になると図書館はいっぱいになり、寮の勉強室にも朝から晩まで勉強している人がたくさんいました。私も期間中は勉強室や家にこもったり、気分転換にカフェに行ったりして勉強しました。
学部の授業は全体的に私が今まで学んできたことより難しかったような気がします。しかしそれが良い経験になりましたし、韓国の学生の意識の高さも感じることができました

生活面

韓国では学校内にある寮で暮らしました。2人一部屋で私は近畿大学から一緒に行ったもう一人の先輩と一緒の部屋で1年間過ごしました。他の大学から来ている日本人留学生も多く、部屋に遊びにきたりご飯を食べたりわからないことはお互い助けあったりし、留学生活で日本人とばかりいてはならないとは言いますが、いざという時心強かったのはこの人たちのおかげでした。また寮は基本的に外国人留学生が多かったので様々な国から来た人たちと友達になることができました。ロビーがあるので夜はみんなそこに集まってご飯をたべたり話をしたりテレビを見たりします。一人暮らしではなくいつも誰かがいるという状況だったので寂しくはなく、また安心でき海外生活においてこれは大きな支えになりました。
しかし台所がないので自分で料理を作ることができず食べる際はいつも外食か宅配などを利用していました。門限は平日が12時、週末が1時なのですが、私はそれほど不便と思ったことはなく、遊びにいっても終電までには帰るので安全のためにも夜遅くは外を出歩かないようにしていました。寮のホームページから申請すれば外泊もすることができます。携帯電話は私は現地では購入せずに日本で使っていたものをそのまま持って行き、wifiだけで生活しました。電話は使う機会があまりなく、アプリにある無料電話などで代用していました。他の人たちは現地でプリペイド式の携帯電話を購入していてそれも便利かなと思います。寮には有線LANがありインターネットには困らないのですが、私は携帯電話の関係でどこでもwifiを使いたかったので現地の携帯会社でwifi eggという小型の携帯する無線LANを契約して使っていました。外国人登録証があれば契約することができ、1カ月1万ウォンほどで使えてとても便利でした。外国人登録証は現地に着いて大学が書類をくれ、場所などを教えてくれます。それにしたがって申請しに行き、3月は人が多いので待たされますが2週間ほどで発行されました。
普段の生活は前期は語学堂がお昼1時に終わるのでその後はクラスメイトと学食や大学の周りでご飯を食べてそのままカフェにいったり買い物に出かけたり自由に過ごしました。前期は後期に比べて自由な時間が多かったような気がします。時間があるのに部屋にこもっているのはもったいないと思ったのでいつも積極的に外に出るようにしていました。キョンヒ大学ではトウミというチューター制度があり、留学生一人につき韓国人学生が一人ついて、身の回りのわからないことを助けてくれたり、いろんなところへ遊びにいったりする制度があります。私には3つ年上の女の人がついてくれました。このトウミが私が留学生活を送る中で一番仲のいい韓国人になりました。中には日本語がわかるトウミもいて、コミュニケーションはとりやすくても自分自身の韓国語を使えないという場合もあるのですが私のトウミは日本語が一切わからなかったため全て韓国語での会話でした。最初は私のつたない韓国語で通じないこともあり、緊張もしましたが何回か遊ぶうちに本当に日本人の学生と一緒にいるような感覚でリラックスして楽しく遊ぶようになりました。おいしいご飯をたべにつれていってくれたり、観光名所にいったり、かわいいカフェにも行き、映画も見に行きました。普通はトウミ制度は語学堂に通う間だけなのですが私のトウミは学部授業に入った後期にも友達としてかわらず遊んでくれました。
そして語学堂で同じクラスになった友達たちとは本当に仲がよく、誕生日パーティーをしたりそれぞれの国の料理を食べにいったり毎日のように遊んでいました。済州島へ旅行にも行きましたし、夜の汽車に乗って5時間かけて有名な海岸へ日の出を見に行ったりしました。自分が外国人の友達と旅行に行くとは思っていませんでしたし、これも留学にきて体験できたことでした。キョンヒ大学の文化祭では韓国人の学生達がお店を出店するのでそこで一緒にお好み焼きを焼いて販売したりと韓国での文化祭を存分に楽しみました。日本では行ったことがなかった美術館に行ってみたり新しい所にたくさん行ってみました。そして韓国は日本より塾の授業料が安いため、個人的に英語塾にもかよってみました。
後期は授業が忙しく前期よりは自由な時間が減りましたが、学部に入る事で韓国人の友達がさらに増え、授業の飲み会や発表準備などを通して留学生同士だけでなく現地の韓国の学生と一緒に過ごす事ができてよかったです。そして私は寮の自治会にも入り、寮に住む韓国人学生と共にお祭りを計画・進行したり、合宿なども行きとても良い経験になりました。
全体的に1年を通して、”せっかく留学にきているのだから”という思いが強く、とにかく外に出てなんでもやってたくさんの事を経験することを心がけました。そのおかげか毎日濃い楽しい時間をすごすことができましたし、友達も思い出もたくさんできました。ご飯もしっかり食べて動いていたせいか、風や熱などは一度も出ず、幸い病院にお世話になることもありませんでした。

経費面

基本的に韓国の物価は日本より少し安いのでご飯をたべるにも電車にのるのにも出費を抑える事ができます。お昼ご飯は学校の外で食べても300円ほどで定食やお鍋が食べれます。日本ではサンドウィッチ程度でお昼を済ませてしまうことも多いですが、韓国ではお昼から鍋などしっかり食べる事ができますし、また皆それが普通だと思っているようです。交通費は本当に安く済み、これはどこへでかけるにも本当に助かり、行動範囲もひろがりました。電車ならソウル内でしたらほとんど100円ほどで行けますし、便利なバスもそれぐらいでどこへでもいけます。タクシーも初乗りが200円ぐらいなので日本と大きく違います。服も日本と比べて安いですが、ただしカフェなどで飲むコーヒーは日本の価格とほぼ同じ程します。ご飯より高い場合があるので不思議です。ただ韓国はかわいいカフェが多くついつい通ってしまい私の場合そこにかかる費用が大きかったような気もします。
寮費はソウルキャンパスの私が暮らした世和院でいえば1カ月220000ウォン(19000円ほど)で、電気代・水道代は込みでした。それに加えて私は個人的にえいごの塾も通ったのでそれは1カ月1万円ほどでした。私の場合生活費は服をちょっと多めに買ったとして、毎日外食をしても1カ月4万ほどだったかなと思います。

2.留学の成果について

約1年韓国で過ごすことで、日本では経験できなかった様々な事を経験することができました。。語学面ではもちろんのこと、精神面においても成長できる期間になったと思います。
まず語学面で言えば、私の渡航前の韓国語レベルは検定のための一般的な語彙はありましたがそれを実際に使う場面が無く、話す事も聞く事も満足にできる状態ではありませんでした。語学堂に行っても上達することができるのかと不安でしたが、ゆっくりと教えてくれる先生、韓国語を学ぶ外国人同士という環境のおかげで”最初のうちは間違えてもいいや”、とにかく口から韓国語を出すことに慣れていこうと、積極的に発言できるようになりました。韓国語を発することに抵抗がなくなり、それがまず私の第一歩になりました。韓国で生活するということはご飯を食べにいっても、誰かに質問する際にも必然的に韓国語を使わなければいけない状況におかれるので、その点が留学することのひとつの利点でもあったかなと思います。語学堂の終盤になると日常生活を送る上で語学面で困る事は少なくなり、言いたい事もスムーズに言えるようになってきました。しかし学部の授業に入ると私の語学力ではまだまだだと思い知らされましたし、継続的な努力が必要だと感じました。やはり日常会話は日常会話にすぎず、授業でも使える韓国語を話そうと思えばもっと韓国人と話して、ネイティブの韓国語を吸収しなければならないと思いました。なので後期はたくさんの時間を韓国人と過ごしました。韓国人は少し仲良くなるとすぐ将来の夢はなにかと聞いてきたりします。日本ではあまり出会ってすぐの友達同士でそのような会話はしないかなと個人的には思います。そして現地の学生はよく休学をします。1年休んで留学にいったり塾に通って自分を成長させるための時間にするためです。将来のために今やるべき事をしっかり見据えて行動する韓国の学生の高い意識に感心させられました。そして韓国の授業では発表が多いので、学生たちは慣れているせいか皆とても発表が上手です。パワーポイントもすごく綺麗にまとめられていますし、発言する際もはっきり堂々とします。良い見本をたくさん見せてもらったのでこれは私が日本で発表する時にも参考にしなければと思いました。学部の授業は厳しく、時に投げ出したくなったときもありましたが、その分得られる事がたくさんありました。
1年韓国で暮らしてみて、わかったこと、感じたことはたくさんありました。やはり海外ですから日本の常識は通じませんし、なんでも自分で解決しなければならないプレッシャーもありました。自分から働きかけなければなにもおこりませんし、逆に自分でなんでも挑戦してみればいろんな可能性が広がるのが留学生活だと思います。私は留学したことによって日本に居た時より、授業の姿勢をはじめとし友達作り、旅行、イベントなど何事にも積極的に取り組むようになったと思います。友達もたくさんできました。今まで私は外国人と接する機会があまりなく、違う国の人たちと本当に心を通じさせることができるのかと思っていたのですが、韓国にきてそんな思いは一切なくなりました。韓国人はもちろんですが違う国からきた子達とも本当に仲良くなる事ができ、一緒にいれば面白い思う瞬間も同じだし、同じような事を同じタイミングで考えていたり、姿や文化は違えど皆同じように気持ちを共有できることを知りました。これは私の中で大きな変化で、私自身が持っていた外国人との距離がぐっと狭まりました。そこからその友達たちのおかげで英語の必要性を痛感させられることになり、韓国で英語塾にも通うようにもなりました。その友達たちとは今でも連絡を取り合っていますし、今度また韓国に合いに行けたらと思っています。そうしたことから人と関わる事が以前よりももっと好きになりましたし、ささいなことで嬉しくなったりプラスに物事を考えるようにもなったと思います。また1年の早さから日本では意識しなかった時間の大切さも痛感しました。そして両親、近畿大学をはじめとした周りのたくさんの人たちに感謝しなければと改めて実感させられた留学になりました。

3.反省点

さまざまな事に挑戦した1年でしたが、あまり地方に行くことができませんでした。済州島には行きましたが、釜山やその他の有名な地方には行けなかったので、留学中にもう少し行ってみればよかったかなと思います。
そしてもうひとつは英語の必要性です。私が寮と語学堂に入って初めにびっくりしたことが、日本人以外の子はほとんど皆英語がすらすら話せることでした。韓国語を学びに行ったのだから英語は必要ないと最初は英語を話す友達に少し腹をたてたりもしましたが、暮らしていくうちに韓国人も比較的英語ができる人が多いですし、どこにいっても英語は通じるので、毎日聞いているうちに本当に世界語といわれる英語の必要性を痛感させられ、できない自分がもどかしくなりました。韓国でも英語の勉強をしましたが、もっと早くから英語を力を入れて勉強していれば友達ともっと楽しいコミュニケーションができ、英会話の良い勉強になったのではないかなと思い後悔しました。
そしてもう少し日本の事を知っておけばよかったと思いました。語学堂では外国人が集まるので必然的にそれぞれの国の話になりますし、学部の日本語の授業では私に日本の文化についての質問が集中しましたが、どれもまともに答えられませんでした。そして韓国の歴史にも少し感心を寄せて知っていればよかったと思いました。

4.海外留学を目指している学生へのアドバイス

いざ留学しても学校の環境、プログラムの関係上実際は韓国人の学生と知り合う機会が思っていたほど多くはありません。韓国人と友達になるのに苦労するため放っておけば友達は気軽な日本人、仲良くなりやすい語学堂の外国人だけという場合もありえます。しかしやはり外国人同士で話す韓国語は完全ではないため、ネイティブと会話しなければ外国人の韓国語で終わってしまうと思います。せっかく現地に留学に来ているので積極的に韓国人の友達を作っていくことが楽しいし、自分のためにもなると思います。
留学は語学はもちろんですが精神面でも自分を成長させることができる機会になります。1年は本当に早いです。特に海外で過ごす1年は毎日が新しい事ばかりでとても早く感じます。しかしその1年も自分から何もしなければ退屈で辛い1年になってしまう可能性があります。日本では知り合えなかった友達、できなかった経験、得られるものがたくさんある留学生活のなかで自分がしたい事を精一杯して意義のある留学生活を送ってください。