農学部の取り組み

食糧・環境・生命・健康をキーワードに最先端の研究を展開する6学科

近畿大学農学部では、私たちの暮らしに欠かせない食糧・環境・生命・健康の分野を学問領域とする6つの学科を設置。社会のニーズに対応した専門的知識と技術を修得し、グローバルな視野を持って社会に貢献できる人材の育成をめざしています。

2019年4月よりバイオサイエンス学科が「生物機能科学科」へ名称変更予定

農業生産科学科

「探る・作る・儲ける・尖る」の4つの視点から農学を追究する、農学分野の中心学科

「生物現象の探究(探る)」「農産物の生産(作る)」「アグリビジネスへの展開(儲ける)」「先端農業への挑戦(尖る)」の4つの視点をもとに教育・研究を展開。将来の農業・食糧問題を見据え、先端的な研究成果やものづくりの技術を農業分野に応用することにより、実学主義で、近畿大学ならではの農学を追究します。

水産学科

食糧と環境の分野から水産資源の有効利用を追究

海洋資源が食品や医薬品、工業用材料などに利用される一方、海洋の環境汚染が問題となっている昨今、水産業の重要性はますます高まっています。本学科では、生物・増養殖・漁業・水産加工業など水域の食糧生産にかかわる学問分野から、生態系の評価・保護・改善などの環境保全分野まで、幅広い分野の教育・研究を進めています。

応用生命化学科

生命の特性を化学的視点から理解し、社会に役立つ応用研究を行う

化学と生物の力で、「豊かな暮らし」を実現する応用研究を行っています。生命・資源・食糧・環境の4つの柱のもとに機能性食品の開発、微生物代謝物や未利用植物資源の創薬などへの活用、環境に優しい農薬の創製、マツタケ人工栽培の挑戦、木材資源の保全と有効活用など、生物の特性を生かした「役に立つ」研究を行っています。

食品栄養学科【管理栄養士養成課程】

時代のニーズにこたえられる、食と健康のスペシャリストを育成

人の健康は、食と大きな関わりがあります。それだけに近年、管理栄養士の存在が注目されるようになってきました。本学科では、人間生活の基礎要素である食・栄養・健康に関する問題を基礎から応用まで研究するとともに、管理栄養士養成課程として地域・福祉・医療などの現場で活躍できる人材を育成します。

環境管理学科

環境問題と真摯に向き合い、自然と人間社会の共生をめざす

陸域の絶滅危惧種の保全、多様な水生生物の調査、食品工場の環境衛生管理、環境の修復、緑化、途上国における環境保全と利用や、これらを具体化するための政策立案など、多彩な研究を展開し、環境問題にさまざまな角度からアプローチ。世界で活躍できる環境マネジメント能力を持つ人材を育てます。

バイオサイエンス学科
※2019年4月、バイオサイエンス学科から生物機能科学科に名称変更予定

生物機能を探求し、先端科学で医療・創薬・食糧・エネルギー問題を解決

「何かを自分の手で作り出したい」「新しい技術を開発したい」、そんな意気込みのある人に最適な学科です。ユーグレナによるジェット燃料生産や、iPS細胞を利用した再生医療の技術開発のほか、クローン動物、ゲノム創薬、天然物創薬、遺伝子治療、病害・ストレス耐性植物などの実現をめざした技術開発に注力しています。

農学部の「研究力」を産業界へ研究成果を生かし、新しい未来をつくる

実社会と結びついた数々の独創的な研究を展開している近畿大学農学部。
「近大マグロ」や「近大マンゴー(愛紅)」をはじめ、商品として世の中に流通している研究成果も少なくありません。ここでは、企業と連携し、商品化に成功した研究を紹介します。

  1. 病気に強く、糖度の高い新品種メロン「バンビーナ」

    病気に強く、糖度の高い新品種メロン「バンビーナ」

    近畿大学 × 株式会社松井農園 × 株式会社近鉄リテーリング × 株式会社テンダーボックス

    生産数や栽培規模の拡大、製品化を試み、県の特産品をめざす
    高級品としてのイメージが強い「メロン」ですが、病気に弱く、栽培が難しいのが実情です。近畿大学農学部では、2016年4月から病害抵抗性選抜を繰り返し、病気(フザリウム病)に強く、果実中には機能性を有する成分を含み、糖度の高い新品種メロンを開発。品種名は、奈良県をイメージする「鹿」から、「バンビーナ:Bambina」と命名しました。今回、メロンそのものを商品化するとともに、メロン本来の風味を生かしたジェラート(無着色、無香料)を製品化。今後、他の製品化も視野に入れつつ、メロンの生産数や栽培規模を拡大して県の特産品の一つになることをめざしています。
  2. 企業との共同研究から生まれた、虫除けスプレー

    企業との共同研究から生まれた、虫除けスプレー

    近畿大学 × 京都リフレ新薬株式会社

    天然由来成分のコパイバオイルに、昆虫の忌避効果を確認
    コパイバオイルは、南米原産のマメ科植物「コパイバ」の樹木から採れるエッセンシャルオイル(精油)のことです。近畿大学農学部と京都リフレ新薬株式会社の共同研究により、このオイルが蚊やゴキブリなど多くの昆虫に対して、忌避(虫を寄せつけない)効果があることが確認されました。コパイバオイルはFDA(米国食品医薬品局)や厚生労働省から食品添加物として認定されるほど、安全性が高いため、小さな子どもにはもちろん、食品関連機器や施設における防虫対策用としても注目されています。この研究成果では特許の取得も行われ、近年、さまざまな虫除けの製品として販売されています。
  3. タヒボに含まれる抗がん成分の研究

    タヒボに含まれる抗がん成分の研究

    近畿大学 × タヒボジャパン株式会社

    アマゾンの薬木・タヒボに含まれる抗がん活性成分の化学合成に成功
    タヒボとは、ブラジル・アマゾン川流域に自生し、古くから薬木として用いられてきた樹木です。現在、世界的に研究が進み、抗がん活性成分であるNQ801という化合物が含まれていることがわかっています。
    1本当たりの抽出量がきわめて少なく、また人工栽培も難しいため、量産化には化学合成しか方法がありませんでしたが、生命資源化学研究室では、このNQ801の実用的化学合成に成功。タヒボから微量しか得られない成分の大量供給を可能にする技術を確立しました。
    また、タヒボジャパン株式会社(大阪市)に基礎研究の成果を提供。同社では健康茶などを製品化、販売しています。現在はNQ801を活用した医薬品および機能性食品開発の可能性を追究。NQ801は既存の抗がん剤マイトマイシンC(抗がん性抗生物質)と比較しても効果が変わらないと同時に正常細胞への影響が少なく、副作用の軽減・解消も望めるなど、安全性の高さも特長です。また、タヒボには抗腫瘍活性以外にも抗酸化作用、抗炎症作用や内臓脂肪蓄積抑制効果のほか、骨吸収阻害物質も含み、骨粗しょう症にも有効なことが明らかになっています。機能性食品としての開発が進めば、がん予防のほか、さまざまな健康効果をもつサプリメントなどの製品化が期待されます。

2008年度グローバルCOEプログラム採択

近畿大学水産研究所と農学研究科水産学専攻の合同プロジェクトチームである『クロマグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点』は,2008年度文部科学省「グローバルCOEプログラム」に採択されました。
この『グローバルCOEプログラム』は,文部科学省が世界最高水準の実績を持つ教育・研究拠点を重点的に支援し,国際競争力のある大学づくりをバックアップすることを目的とした制度です。