研究科長挨拶

近畿大学大学院総合理工学研究科のサイトにようこそお越しくださいました。
このサイトに来られた皆さんは、多少なりとも、理工系の勉学、科学技術開発に興味を持っておられることでしょう。日本はエネルギー自給率が極めて低く、食料自給率が50%を下回り、生活に必要な物資の多くを海外からの輸入に頼る国です。これに対等な輸出をし続けるには、未来永劫、科学技術開発の歩みを止めることができません。自動車、電化製品、ロボット、ハイテク素材、ICT、AI等々、「理学」と「工学」の適切な融合の結果が人々の生活を豊かにしてきました。

今、世界では、SDGs(持続可能な開発目標)を共通の目標とした取り組みが始まり、豊かな教養と競争力を備え、情報・データを適切に利活用できるグローバル人材が社会から要求されています。それは、言い換えれば、社会が何を欲しているのかを正しく受け止め、試行錯誤しながらも、感性豊かに複数の実践・解決手段を提案できる人材のことです。皆さんの未来予想図は、従来の「理学」「工学」の枠組みにとらわれない「総合理工学」においてハッキリと可視化されます。

近畿大学大学院総合理工学研究科は、現在、理学専攻(数理解析分野、物理学分野、機能性分子化学分野、生物・環境化学分野)、物質系工学専攻、メカニックス系工学専攻、エレクトロニクス系工学専攻、環境系工学専攻、東大阪モノづくり専攻、建築デザイン専攻の7専攻で構成され、広範囲な理工学分野をカバーしています。それぞれの専攻で開講されている専門科目群や特別研究のみならず、総合大学の強みを活かしたグローバル社会で生きる力を育む共通科目をも開講しており、社会全体をデザインしていく視点が養われます。

大学院での学生生活では、学部学生時代に比べ、財源はどうであれ「自分自身への投資」という側面を強く意識する必要があります。したがって、しっかりとした投資回収計画が重要です。国内外を問わず、学会・国際会議での研究発表の機会が訪れることもあるでしょう。専門的知識の学修は無論のこと、語学力、企画力、デザイン力、情報処理力、後輩を導く力、そして論理的なプレゼンテーション力等々、様々な機会を有効利用して多彩な力を身に付けてください。

時代がどれだけ変わっても、社会を動かす礎は携わる人の熱意です。大学院での学修は、教員、学生相互の熱意によって、いかようにも進化を遂げます。皆さんと共に成長できることを楽しみにしています。

2022年10月

研究科長

中野 人志
HITOSHI NAKANO
総合理工学研究科長