医学部主任教授 工藤 正俊が「Highly Cited Researchers 2019」に選出 臨床医学部門では日本人唯一の受賞
2019.12.02
- 医
Highly Cited Researchers 2019
【本件のポイント】
●臨床医学分野では受賞者436人中、唯一の日本人
●Clinical Medicine分野で日本の研究機関の日本人が選出されたのは5年ぶり
●肝がん研究における第一人者として、日本の高被引用論文数を牽引
【本件の内容】
Highly Cited Researchers 2019とは、クラリベイト・アナリティクスが運営する論文検索サービスである「Web of Science」に収録された33,000以上の学術誌において、平成18年(2006年)から平成28年(2016年)に発表された論文について、発表から1年間の被引用件数を分析したものです。自然科学及び社会科学の21分野に加えて、一人の研究者が複数分野で論文を発表している場合の合計被引用件数を示すクロスフィールドカテゴリーを追加した、合計22分野における論文の被引用件数が世界の上位1%に該当するものを高被引用論文として定義し、その著者をリストアップしています。令和元年(2019年)は、22分野で6,217名の研究者がリストアップされ、日本からは102名が選出されました。本学からは医学部 主任教授 工藤 正俊がClinical Medicine部門で選出されました。
【工藤 正俊プロフィール】
近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門)主任教授
Publications(出版数):1,356
Total Times Cited(総引用数):25,345(令和元年(2019年)11月21日現在)
<直近の主な研究論文>
ジャーナル:Lancet Gastroenterol Hepatol 2:407-417,2017(IF:12.856 @2017)
論文名 :S-1 versus placebo in patients with sorafenib-refractory advanced hepatocellular carcinoma(S-CUBE):a randomised,double-blind,multicentre,phase 3 trial(ソラフェニブ抵抗性の進行肝癌に対するS1の有効性の検証:無作為化比較2重盲検多施設共同第3相試験)
ジャーナル:Lancet Gastroenterol Hepatol 3:37-46,2018(IF:12.856 @2017)
論文名 :Orantinib versus placebo combined with transcatheter arterial chemoembolisation in patients with unresectable hepatocellular carcinoma(ORIENTAL):a randomised,double-blind,placebo-controlled,multicentre,phase 3 study.Lancet Gastroenterol Hepatol(TACEとオランチニブの併用の有効性の検証:無作為化比較2重盲検多施設共同第3相試験)
ジャーナル:Lancet Gastroenterol Hepatol 3:424-432,2018(IF:12.856 @2017)
論文名 :Sorafenib plus low-dose cisplatin and fluorouracil hepatic arterial infusion chemotherapy versus sorafenib alone in patients with advanced hepatocellular carcinoma(SILIUS):a randomised,open label,phase 3 trial(進行肝細胞癌に対するソラフェニブと肝動注化学療法の併用とソラフェニブ単剤の治療効果:多施設共同オープンラベル無作為化比較第3相試験)
ジャーナル:Lancet 391:1163-1173,2018(IF:47.831 @2017)
論文名 :A Randomised Phase 3 Trial of Lenvatinib vs.Sorafenib in First-line Treatment of Patients with Unresectable Hepatocellular Carcinoma(切除不能肝細胞癌に対する一次治療薬としてのレンバチニブとソラフェニブの無作為化比較第3相臨床試験)
【受賞のコメント】
肝癌領域において最先端の高度医療を行っているからこそ未解決の問題点が見えてきます。一つの問題点を解決すると、さらに新たな問題点が見えてきます。また、新規に確立した知見・技術は英文発表して世界中の人と共有してこそ初めてより多くの人類の福祉に貢献することができると考えています。その意味では、今回の選出は光栄なことではありますが、通過点に過ぎないと感じています。解決すべき課題は、まだまだ山積しているので、その意味において臨床研究には終わりがありません。
【関連リンク】
医学部 医学科 教授 工藤 正俊(クドウ マサトシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/569-kudou-masatoshi.html