150m先の森林中の遭難者探索を実演 レーザーサーチライトを用いた山岳遭難者探索システムを開発
2019.07.24
- 理工
- 農
図1 レーザーサーチライト装置
※1 従来のキセノンサーチライトに比べて指向性が強く、点滅する周波数を変化させて発光時間の長さを変えることで、明るさを制御・調節できる
※2 光が照射された方向に反射光を跳ね返す性質を持った薄くやわらかいウレタン樹脂状の素材
【本件のポイント】
●150m先の森林中のQRコード付き再帰性反射ウェアを着用した学生の探索を実現
●指向性が強く明るさを制御・調節可能な特徴をもつレーザーサーチライトを利用してウェアの認識率をアップ
●今後、レーザーサーチライトをヘリコプターに搭載することによって、山岳遭難者探索に活用
【本件の内容】
近畿大学理工学部電気電子工学科教授 前田佳伸、農学部水産学科准教授 光永靖および講師 鳥澤眞介は、平成30年(2018年)7月からレーザーを搭載した特殊な小型ドローンを使用する山岳遭難者探索システムを開発しています。山岳遭難者探索システムとは、山岳登山者が遭難した場合に、特殊な小型ドローンからレーザーを照射して、QRコード付きの再帰性反射材を着た遭難者の位置を探索可能にするもので、平成31年(2019年)3月には再帰性反射材を開発している株式会社丸仁(福井県福井市)と山岳登山者用ウェアを共同開発いたしました。
また、これらの研究の一環として、令和元年(2019年)7月3日(水)に本学農学部のキャンパスで、レーザーサーチライトを用いた山岳遭難者探索システムの実証実験を行い、150m先の森林中のQRコード付き再帰性反射ウェアを着用した学生の位置を肉眼およびカメラで正確に確認することが可能であることを実証しました。また、あらかじめ氏名や性別などの個人情報を登録したQRコードを識別することによって、個人を特定することも可能であることを示しました。さらに、株式会社丸仁と共同開発したウェアに使用されている反射材「オーロラカラーリフレクター」は反射光が虹色に光る特徴を持っており、レーザーサーチライトの発光色を選択することによって、太陽光とは異なる鮮やかな色の反射光を得ることが可能となり、認識率を大幅にアップさせることが確認されました。今後の展開としては、本レーザーサーチライトをヘリコプターに搭載して、山岳登山者探索システムを構築・実験をしたいと考えています。
【開催概要】
日時:令和元年(2019年)7月30日(火)11:00~13:00
11:00~12:00:150m先の森林中の探索実験(実績あり)
12:00~13:00:400m先の探索実験(今回新規に実験)
場所:近畿大学 奈良キャンパス
(奈良県奈良市中町3327-204、近鉄奈良線「富雄駅」からバス 約10分)
対象:報道関係者(ご参加いただける場合は、電話もしくはメールにてご一報ください。)
【関連リンク】
理工学部電気電子工学科 教授 前田 佳伸(マエダ ヨシノブ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/444-maeda-yoshinobu.html
農学部水産学科 准教授 光永 靖(ミツナガ ヤスシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/185-mitsunaga-yasushi.html
農学部水産学科 講師 鳥澤 眞介(トリサワ シンスケ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/183-torisawa-shinsuke.html