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5/2(土)“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト報告会 近畿大学

2015.04.27

  • 社会連携

相談コーナーで教員に相談する様子 (4月12日川俣町での報告会にて)

近畿大学(大阪府東大阪市)は、平成27年(2015年)5月2日(土)近畿大学東大阪キャンパスにて、東日本大震災復興支援として行っている「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」の活動報告会及び、「震災復興アドバイザー」委嘱状交付、支援活動へのお礼として町から寄贈される「かえで」の植樹も実施します。

【本件のポイント】
● 5年目を迎える川俣町への支援活動を検証。新たなフェーズに向けて支援の更なる充実をめざす。
● 町で実施した報告会の結果を踏まえ、昨年度の活動と今後の予定を報告。
● 川俣町長が来校され、「震災復興アドバイザー」委嘱状交付と支援活動へのお礼として町から寄贈される「かえで」の植樹も実施。

【本件の概要】
本学は、13学部48学科を擁する総合大学としての研究力を生かし、総力を挙げて福島県川俣町(東日本大震災に伴う原発事故により、現在も一部地域が居住制限区域と避難指示解除準備区域に指定)の早期復興を、「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」として学部横断的に支援してきました。本活動も6月をもって5年目を迎えることになり、現在の川俣町のニーズに則した活動に切り替えていく必要性を感じています。

平成27年(2015年)4月12日、川俣町において、これまでの活動報告と相談会を実施。町民との対話のなかから「よりエネルギー効率の良いビニルハウスを建設したい」「地区全体を盛り上げる新たな特産品を作っていきたい」など、多くのご意見をいただきました。今回の報告会では、これまでの活動と、町からのご要望を踏まえた今年度の計画を報告します。

また、川俣町古川道郎町長が来校され、「震災復興アドバイザー」委嘱状交付と支援活動へのお礼として町から寄贈される「かえで」の植樹も実施します。

これまで以上に町の方々の意見に寄り添った効果的な復興支援を行うことで、一日も早い復興実現をめざします。

■日 時:平成27年(2015年)5月2日(土)13:00~17:00
■会 場:近畿大学東大阪キャンパス ブロッサムカフェ多目的ホール(3階)
■対 象:教職員、学生および一般の方(入場無料、申込不要)

【「震災復興アドバイザー」委嘱状交付式、川俣町の木「かえで」植樹式次第】
川俣町の木である「かえで」が川俣町古川道郎町長から寄贈されます。また、川俣町から「震災復興アドバイザー」委嘱状の交付も行います。
※植樹式はKUDOS(情報処理教育棟)前で行います。

13:00~13:15 近畿大学 理事長 清水 由洋  挨拶
         近畿大学 学長  塩﨑 均   挨拶
         川俣町  町長  古川 道郎様 挨拶
13:15~13:20 「震災復興アドバイザー」委嘱状交付
13:20~13:25 記念植樹

【報告会 次第】
研究代表者及び主要メンバーがこれまでの活動報告とこれからの展望について講演します。

13:40~13:45 東日本大震災復興支援室 室長 伊藤 哲夫 教授 挨拶
13:45~14:45 除染研究グループ
         研究代表者:原子力研究所 山西 弘城 教授
         講演内容:セシウム吸着ブロックの開発と性能評価など
14:45~15:45 心身ケアグループ
         研究代表者:医学部 細野 眞 教授
         講演内容:ガラスバッジによる子供の個人線量測定など
15:45~15:55 休憩
15:55~16:55 産業振興グループ
         研究代表者:農学部 林 孝洋 教授
         講演内容:ポリエステル培地を用いたアンスリウムのミスト栽培など
16:55~17:00 川俣町町長 古川道郎 様 挨拶

【“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト活動内容】
本学は、13学部48学科を擁する総合大学としての研究力を生かし、総力を挙げて福島県川俣町(東日本大震災に伴う原発事故により現在も一部地域が居住制限区域と避難指示解除準備区域に指定)の早期復興を支援するために立ち上げた学部横断プロジェクトです。

地場農産業の活性化や教育・文化の育成などの「復興支援」と、除染研究や健康管理など被災からの「再生支援」の二面から、町の方の意見を取り入れながらサポートしています。

除染研究:バイオコークス技術による減容化
東日本大震災被災地でひっ迫している除染廃棄物仮置場や仮置場から中間貯蔵施設への輸送問題について、近畿大学が開発したバイオコークス技術によって解決する方法を提案。昨年は環境省の事業として、本技術の実証実験を川俣町で実施しました。

心身ケア:ガラスバッジによる放射線量測定
原子力発電所の事故による放射線から子どもたちの命と健康を守るため、町内の幼稚園児、保育園児、小学生、中学生全員を対象に、個人の放射線量を測定する積算線量計(ガラスバッジ)の配布を支援しています。3カ月ごとに子どもたち一人ひとりが日常生活で受けた放射線量を測定し、結果を保護者へお知らせしてきました。

産業振興:ビニルハウスで特産品栽培川俣町小島地区にビニルハウスを設置して町の特産品になり得る農作物の試験栽培を開始。糖度10度以上のトマト「ロッソ・ナポリタン」や、空中栽培法で育てたサツマイモ、ハーブ類などを栽培しました。また、昨年度からポリエステル培地によるアンスリウムのミスト栽培を開始し、現地での技術指導および販路提案も含めて準備中です。

その他の活動(一部抜粋)
・放射線健康不安に関する相談会実施
・町内の小学校・幼稚園において、野外でのサツマイモ空中栽培実習
・山木屋地区避難住宅へ農作物の空中栽培棚贈呈
・町内の小学校・幼稚園児童と共に、復興支援モニュメント作成
・特産品のパッケージデザイン提案
・「川俣シャモまつり」において、ビニルハウスで育てた野菜類と川俣シャモを使用したコラボメニュー販売
・汚染水から放射性物質を取り除く技術の開発
・藻類を使った土壌から放射性セシウムを除去技術の研究

*活動報告内容については、WEBサイトでも公開しています。「近畿大学東日本大震災復興支援室」で検索してください

関連URL:http://www.kindai.ac.jp/rd/social-activity/earthquake-east-japan/all-kindai.html

「かえで」植樹予定場所

川俣町の木「かえで」

除染研究:バイオコークス技術による減容化

心身ケア:ガラスバッジによる放射線量測定

産業振興:ビニルハウスで特産品栽培