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2015年度日本再生医療学会功績賞を受賞! 近畿大学薬学総合研究所長・教授 早川堯夫

2015.04.08

  • 研究所

早川堯夫教授

近畿大学薬学総合研究所(大阪府東大阪市)の所長・教授である早川堯夫(たかお)が、「2015年度日本再生医療学会※功績賞」を受賞しました。
横浜で開催された第14回日本再生医療学会(3月19〜21日)において、授与式および受賞者講演(演題「適切な科学的規制による再生医療実用化促進」)が行われました。

※「再生医療の進歩、発展及び育成を図ると共に人類の健康増進と福祉の向上に寄与すること」を目的に平成13年(2001年)5月に発足した、基礎から臨床に至る国内最大の再生医療関連学会

【本件のポイント】
● 再生医療の進歩に貢献したとして、創設2年目にして2人目の「日本再生医療学会功績賞」を受賞
●「適切な科学的規制による再生医療実用化促進」に関する画期的な業績が評価される
● 実用化が期待される再生医療において、ヒトiPS/ES細胞等加工製品の品質・安全性確保に関する指針を世界に先駆けて整備

【本件の概要】
「日本再生医療学会功績賞」は、再生医療の進歩または学会の発展に特に顕著な功績を残した人物に贈られるものです。早川は、「適切な科学的規制による再生医療実用化促進」に関して画期的な業績や成果を挙げ、再生医療製品を医療現場に届ける道筋を開くことに大きく貢献したとして高く評価されました。
世界の医療現場で再生医療の実用化に対する期待が高まる中で、早川がその代表的な研究者として本賞を受賞したことは、我が国の学術分野のみならず再生医療分野全般のさらなる振興において、たいへん意義深いことと言えます。

【日本再生医療学会功績賞】
「日本再生医療学会功績賞」は、再生医療の進歩または学会の発展に特に顕著な功績を収めた人物を表彰するため、一般社団法人日本再生医療学会が平成26年(2014年)に創設しました。昨年の第1回は、再生医療研究にも応用されている細胞を分化誘導させることのできるアクチビンを世界ではじめて見つけ出し、学士院賞、恩賜賞、紫綬褒章、文化功労賞などを受賞している、東京大学の浅島誠名誉教授(現(独)産業技術総合研究所フェロー 兼 幹細胞工学研究センター長)が受賞されました。

【早川の研究およびその功績】
早川は、再生医療研究の基盤となるバイオ医薬品研究や関連研究において世界的第一人者として多大な成果を挙げてきました。再生医療に直結する新規幹細胞研究や再生医療製品の安全性確保研究等においても、先端的基盤的研究成果を挙げています。また、各種新医薬品等の審査に30年にわたり従事、医薬品等の実用化に必要な要件に精通。バイオ医薬品等の国際的調和に重要な指針作成のキーパーソンとしても、20年近く活動してきました。
これらを背景に、15年以上前から薬事法及び医療法下のヒト細胞加工製品の品質・安全性確保に関する研究に従事し、再生医療を支える指針等の通知化を先導。その全てに中心的な役割を果たしてきました。また、昨今施行された再生医療安全性確保法や医薬品医療機器等法と政省令等制定のための科学的バックボーンとして寄与しました。これら我が国の科学的規制が、再生医療及び関連製品づくりの国際的な基盤や標準となるよう、指針を英語論文にして世界に公表し、日本の再生医療の国際的優位性の確保にも貢献しています。
平成26・27年(2014、2015年)の二度にわたり、再生医療製品のあるべき規制科学に関する国際シンポジウムを我が国で主宰者として開催し、盛会裡に終わったことは、まさに日本が再生医療に関して世界で大きな主導権を得ることにつながっています。
このように、早川は、再生医療草創期から現行にいたるまで、我が国でも、あるいは国際的にも類をみない内容と幅広さで再生医療に貢献している人物とみなされています。これら数々の顕著な貢献により、科学的に適切な規制環境が整備され、再生医療の実用化が科学的合理性のもと、効率的、効果的に促進されることが期待されます。
こうした早川の永年にわたる活動業績が、従来の医薬品では救えなかった世界中の患者さんたちに多大な恩恵をもたらす可能性があり、グローバルな観点からもその功績はきわめて顕著であると認められ、今回の受賞にいたりました。

【早川堯夫プロフィール(抜粋)】
・近畿大学薬学総合研究所特任教授(2007-)、同研究所所長(2008-)
・国立医薬品食品衛生研究所副所長(2002-2005)、同研究所名誉所員(2005-)
・IABS(International Alliance for Biological Standardization:国際生物製剤標準化連盟)理事 (2000-)、IABS初代 遺伝子・細胞治療委員会委員長(2012-)
・「ウイルス安全性」「バイオ医薬品の同等性・同質性評価」に関する国際調和ガイドライン作成のための日・米・欧専門家会議座長
・薬事食品衛生審議会日本薬局方部会長、生物由来技術部会長(2003-2011)
・日本再生医療学会顧問(2013-)、特別会員(2015-)

(主な受賞歴)
・平成24年(2012年) 春の叙勲で瑞寶中綬章
・平成26年(2014年) 文部科学大臣表彰(科学技術賞研究部門)
・平成27年(2015年) 第4回 William S Hancock賞(米国人以外で初受賞)

関連URL:http://www.kindai.ac.jp/topics/2015/03/4william-s-hancock.html