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ニュースリリース

第4回William S Hancock賞を受賞 近畿大学薬学総合研究所長・教授 早川堯夫

2015年3月12日

近畿大学(大阪府東大阪市)の薬学総合研究所所長・教授早川堯夫(たかお)が、世界で4人目、米国人以外で初めて William S Hancock賞(下記参照)を受賞しました。授与式は、平成27年(2015年)1月27日にNPO団体のCASSS 1により、ワシントンDCで開催されたシンポジウムWCBP 20152の冒頭で行われました。

  • ※1 California Separation Science Society:北米を中心に南米、欧州、日本などでバイオ医薬品について最も活溌な活動を展開している国際的NPO
  • ※2 Well Characterized Biotechnology Products:バイオ医薬品に関する最先端の課題を世界40カ国余の産・官・学の専門家1000名近くが一堂に会して3日間にわたり討議するシンポジウムの2015年会

【本件のポイント】

●世界で4人目、米国人以外で初のWilliam S Hancock賞を受賞
●バイオ医薬品実用化を推進する評価科学研究で画期的業績を挙げた世界の第一人者
●高品質な多数のバイオ医薬品を世界中の患者さんにいち早く届けることに大きく貢献

【本件の概要】

受賞を塩﨑学長(右)に報告

バイオ医薬品の評価科学分野の世界最高賞とされているWilliam S Hancock賞の栄えある本年度の受賞者に本学教授早川堯夫が選出されました。早川がこれまで国内外で、長年にわたり積み重ねた画期的な業績や成果が、数多くの高品質なバイオ医薬品を一日でも早く医療現場に届けることに大きく貢献した功績が高く評価されました。世界中の広汎な候補者から賞選考母体であるCASSS理事会は満場一致で早川の受賞を決定しました。バイオ医薬品が隆盛を極めている米国の関係者以外で、本賞が特に、EUを飛び越えて日本人に与えられたことは、我が国の学術分野のみならずバイオ医薬品振興にとってきわめて意義深いことと言えます。

【William S Hancock賞】

William S Hancock賞は、組換え医薬品誕生30周年、CASSS創設10周年に当たり、バイオ医薬品が医薬品売り上げのトップ10のうち7つを占めるに至った2012年に設けられました。これまで、バイオ医薬品規制の国際調和活動や産業面及び研究面で功績を残したKenneth Seamon現ケンブリッジ大学教授、組換え医薬品第1号誕生に決定的な役割を演じたYuan-Yuan Chiu博士、FDA生物製剤研究・評価センターのトップとして数多のバイオ医薬品の承認、免疫・アレルギー・感染症の予防や治療に必要な機構解明研究などで功績を残したKathryn Zoon博士といった著名な3人の米国研究者が、本賞を受賞してきました。

【本件の背景・功績】

早川は、1980年代始めのバイオ医薬品の草創期からその品質、安全性、有効性評価に関する研究を開始し、以降、わが国のバイオ医薬品の品質・安全性確保上必要な評価技術開発やほぼすべてのガイドライン作成研究の中心として活動してきました。また、わが国で臨床に供されたほとんどすべてのバイオ医薬品の承認審査に携わってきました。最近は、再生医療の実用化に向けての評価科学研究面の牽引者として最前線で活躍しています。

国際的には、日・米・欧の医薬品国際調和活動(ICH)のバイオ医薬品分野での活動が特筆されます。「ウイルス安全性」、「遺伝子安定性」、「製品安定性」、「細胞基材」、「同等・同質性評価」、「品質特性解析・規格」、「世界共通技術文書CTD」、「薬局方国際調和」に関する国際調和ガイドライン作成すべてに参画した世界唯一の科学者として、2課題の座長職も含めて中核的役割を演じてきました。また、日・米・欧三薬局方の国際調和に中心的関与、さらにWHOの臨時顧問としてモノクローナル抗体(※)、細胞基材、遺伝子治療、ワクチン規制世界研修ネットワーク、バイオ医薬品の国際標準品確立国際共同研究などへも参画し、重要な貢献をしてきました。早川のこれら数々の顕著な貢献により、現行の国際ガイドラインや基準の主なものが整備され、今日のバイオ医薬品隆盛の基盤となっています。今回の受賞の背景には、こうした早川の永年にわたる活動業績が、従来の化学薬品などでは救えなかった世界中の患者さんたちに多大な恩恵をもたらし、グローバルな観点からその功績はきわめて顕著であると認められたことが挙げられます。

  • ※単一の抗体産生細胞に由来するクローンから得られた抗体(免疫グロブリン)分子。

【プロフィール(抜粋)】

・近畿大学薬学総合研究所特任教授(2007-)、同研究所所長(2008-)
・国立医薬品食品衛生研究所副所長(2002-2005)、同研究所名誉所員(2005-)
・IABS(International Alliance for Biological Standardization:国際生物製剤標準化連盟:理事(2000-)、
 IABS初代 遺伝子・細胞治療委員会委員長(2012-)
・ウイルス安全性」,「バイオ医薬品の同等性・同質性評価」に関する国際調和ガイドライン作成のための
 日・米・欧専門家会議座長
・薬事食品衛生審議会日本薬局方部会長、生物由来技術部会長(2003-2011)
・日本再生医療学会顧問 (2013-)
・国際学術雑誌"Biologicals"編集幹事(1994-)
(主な受賞歴)
・平成24年(2012年) 春の叙勲で瑞寶中綬章
・平成26年(2014年) 文部科学大臣表彰(科学技術賞研究部門)
・平成27年(2015年) 日本再生医療学会功績賞

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