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第52回日本栄養・食糧学会近畿支部大会で「凍り豆腐の大豆クラス2食物アレルギー性低減化」について発表

2013.10.24

近畿大学農学部応用生命化学科 森山達哉准教授らのグループ・旭松食品株式会社・NPO食の安全と安心を科学する会の共同研究の成果として、2013年10月26日(土)に滋賀県立大学で開催される第52回日本栄養・食糧学会近畿支部大会にて、「凍り豆腐の大豆クラス2食物アレルギー性低減化」について発表いたします。

<講演発表概要>
シラカバ・ハンノキ属の花粉に対してアレルギー(花粉症)を持つ方が、大豆食品を摂食した際に、口腔アレルギーやアナフィラキシーといったアレルギー症状を発症することがあります。
(大豆クラス2食物アレルギーと呼ばれています)。この原因は、大豆に含まれるGlym4、Glym3というタンパク質が花粉アレルゲンと似ているため、勘違いして体内のIgE 抗体(アレルギー反応に関与する抗体)が反応してしまい、アレルギー症状を引き起こすことにあるとされています。一般にこのタイプの食物アレルギーでは未変性で可溶性(液体に溶けている状態)のタンパク質が口腔内で吸収され、IgE 抗体と反応して発症します。

今回の研究では、凍り豆腐に含まれるGlym4、Glym3 は、製造中に変性し不溶化(液体に溶けなくなること)することが確かめられました。従って、凍り豆腐にも大豆クラス2食物アレルギーの原因となるタンパク質は含まれてはいるものの、アレルギーを引き起こす状態とは異なっているため、凍り豆腐は大豆クラス2アレルギーの発症リスクが低減化された大豆食品であることが明らかとなりました。今後はチャレンジ・テスト等により、リスク低減化を臨床レベルで実証する必要があります。
なお、通常の大豆アレルゲンは含まれているため、乳幼児に多い通常の大豆アレルギー(大豆クラス1 食物アレルギー)患者では他の大豆加工食品と同様にリスクは残っています。


報道資料

NPO 食の安全と安心を科学する会は、国内外の生活者に対して、「食の安全と安心」に関する情報を中立的かつわかりやすく提供するための、研究推進と学術啓発活動を行ってまいりました。このたび、近畿大学農学部 応用生命化学科 森山達哉准教授らのグループ・旭松食品株式会社・NPO 食の安全と安心を科学する会の共同研究の成果として、2013 年10 月26 日(土)に滋賀県立大学で開催される第52 回日本栄養・食糧学会近畿支部大会にて、「凍り豆腐の大豆クラス2食物アレルギー性低減化」について発表いたします。本研究結果を多くの方に知っていただき、食物アレルギーリスクの低減化にお役立ていただければ幸いです。

関連URL:http://www.kindai.ac.jp/topics/2013/10/522.html