近畿大学・リーブ21共同研究 脱毛者の毛髪には男女共に鉛やヒ素などの有害ミネラル蓄積量が多い傾向
2013.10.24
近畿大学薬学部医療薬学科公衆衛生学研究室(大阪府東大阪市、主宰:川﨑直人)と、株式会社毛髪クリニックリーブ21(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:岡村勝正、以下リーブ21)は、第72 回日本公衆衛生学会総会( 2013 年10 月23 日(水)~25 日(金) )において、「脱毛者における毛髪中有害ミネラルの含有量」の研究成果を発表いたします。
脱毛の原因は、ホルモンバランスの崩れやストレスなどが知られておりますが、他にも食生活や生活習慣の乱れによる体内の栄養状況の悪化も一つの要因として考えられています。近畿大学とリーブ21 は、これまでに女性の脱毛者と非脱毛者の毛髪中ミネラル量を分析し、脱毛者の方が有害ミネラルの蓄積量が多い傾向にあることを発表いたしました※。そして今回、新たに男性脱毛者2,646 名についても解析し、男性女性ともに脱毛者の毛髪では有害ミネラルの蓄積量が多い傾向にあることを発見いたしました。
今後、近畿大学とリーブ21 では、有害ミネラルがどのように脱毛に関与しているか、また、排泄・摂取回避によって脱毛が予防・改善できるか検討していく予定です。
【対象】
・2008〜2013年の5年間にわたり20〜40代の男女を対象に調査
・リーブ21に通う脱毛者(男性:2,646名/女性:412名)と本研究への協力を承諾された非脱毛者(男性47名/女性64名)の毛髪中有害ミネラルを分析
【結果】
・男性では、Cd(カドミウム)、Pb(鉛)、As(ヒ素)、Al(アルミニウム)が、女性では、Cd(カドミウム)、Hg(水銀)、Pb(鉛)、As(ヒ素)、Al(アルミニウム)が脱毛者の毛髪に多い傾向がある
・どの年代でもほとんどの有害ミネラルについて同じような傾向がみられる
【結論】
毛髪中有害ミネラルの蓄積レベルが脱毛の指標になる可能性が示唆された
【毛髪分析とは?】
髪の毛から体内の必須ミネラルや毒素である有害ミネラルの量を分析する検査。毛髪は、尿や血液に較べて数ヶ月分のミネラルが残留するため、より精度のある数値が測定できます。
【有害ミネラルについて】
ヒトにおいて必須性が証明されておらず、また欠乏症が確認されていない、生体に有害な作用を及ぼすミネラル。リーブ21では「Cd、Hg、Pb、As、Al」の5種類を有害ミネラルとしています。