感染症について

感染症における出席停止について

本学では、学校保健安全法で定められた感染症に罹患または罹患の疑いがある場合、学内での感染拡大を予防するため出席停止としています。
このような事情で出席停止となり講義・実習を欠席した学生に対しては、所定の手続きにより不利益にならないよう配慮をすることとしています。忘れず各自で手続きして下さい。
本学は敷地内に大学病院があり、学内での感染症発生は院内感染の原因にもなりえます。大学、病院内での感染予防、感染拡大防止のため、責任ある行動をとって下さい

注意事項

  1. 感染症と診断された場合は、学務課に電話連絡してください。感染症の疑いがある場合【発熱37.5度以上、感冒症状(咳・鼻水・咽頭痛)関節痛や全身倦怠感、嘔吐下痢など】は講義・実習に出席する前に保健管理室へ電話連絡してください。
  2. インフルエンザについては、発症後5日間かつ解熱後2日間が出席停止期間の基準としています。
  3. 欠席届については、出席可能になって3日以内に診断書と共に学務課へ提出してください。

針刺し・切創・血液染事故時の対応について

実習中に針刺し等で血液汚染事故にあった場合、以下の手順で対処してください。

  1. すぐに暴露部位を大量の水で洗い流す。
  2. 実習担当医に報告後、保健管理室へ電話連絡し指示に従ってください。
    *HIV関連の汚染事故の場合は、抗HIV薬の予防内服の内服開始を受傷後1~2時間以内が望ましいため、迅速な対応が必要です。
  3. 院内感染対策マニュアルのX1.職業暴露 針刺し・切創・体液暴露時マニュアルに沿って対処します。
    • 針刺し等汚染事故報告書を作成し、採血・必要な受診を行う。
    • エピネット報告書を事故発生後3日以内に中央検査部(内線2183)へ提出する。
    • 事故に係わる検査・診察・投薬等の費用支払いは、学生本人が一旦支払い、その後、学校が加入する保険に請求する。

X1.職業暴露 針刺し・切創・体液暴露時マニュアル

B型肝炎

B型肝炎は、DNA型ウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされるウイルス性肝炎です。現在、世界の約4億人に持続感染していると考えられており、我が国では100-130万人がHBVに持続感染していると推定されています。医療従事者は血液を取り扱うことが多いため、針刺し等の汚染事故など常に危険にさらされていると言えます。HBV感染予防には、ワクチン接種が有効です。
日本でも2016年4月生まれのお子さんより定期接種が開始されましたが、それ以前に生まれた方は接種されておらず抗体を獲得できていないことがほとんどです。医学部生も実習に出る機会が多いことから感染予防が必要です。

ワクチン接種について

本学では、2学年の健康診断時にHBV抗原抗体検査を実施し、ワクチン接種を開始します。ワクチンが必要な方にはワクチン接種申込書を同封しています。
ワクチン接種は自己負担です。ワクチン3回分と抗体価検査の費用(7,500円)と申込書を保健管理室に提出ください。

  1. ワクチンは、0、1カ月後、6か月後の3回接種(1シリーズ)を実施します。(本学では、6月、7月、12月に実施)
  2. 3回目の接種から1~2カ月後に、HBs抗体検査を行い、10mIU/ml以上で免疫獲得と判定します。(本学では、翌年の1月に実施)
  3. 1回のシリーズで獲得できなかった学生に対して、再度1シリーズのワクチンを接種します 。
  4. ワクチン接種シリーズ後の抗体検査で免疫獲得と確認された場合は、その後の検査と追加のワクチン接種は不要です。
  5. 学内ではなく他機関で接種される場合は、3回の接種日と接種後の抗体検査結果を2学年終了までに保健管理室へ提出ください。

麻疹・風疹 ・水痘・おたふくかぜ

麻疹

感染経路 飛沫・空気感染
潜伏期 10~12日
症状 大変感染力の高い疾患です。感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。死亡することもあります。

風疹

感染経路 飛沫・接触感染
潜伏期 16~18日
症状 感染すると約2~3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れます。 子どもの症状は比較的軽いのですが、まれに脳炎、血小板減少性紫斑病などの合併症が2,000人~5,000人に1人くらいの割合で発生することがあります。大人がかかると、発熱や発疹の期間が子どもに比べて長く、関節痛がひどくなることが多いとされています。風疹に対する免疫が不十分な女性が妊娠20週頃までに風疹ウイルスに感染すると、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風疹症候群)子どもが出生することがあります。

水痘(水ぼうそう)

感染経路 飛沫・空気感染
潜伏期 10~21日
症状 症状:38度前後の熱とともに数百個の発疹が次々と出現します。個人差は大きく、発疹は十数個から数千まで、発熱は無熱から40度を超える高熱まであります。発赤、ついで水疱形成、その後「かさぶた(痂疲)」が成されます。重篤な合併症として、肺炎、急性小脳失調症、脳炎、血小板減少症を起こすこともあります。

流行性耳下腺炎(おたふくかぜ・ムンプス)

感染経路 飛沫・接触感染
潜伏期 12~24日
症状 ムンプスとも呼ばれる感染症です。片側あるいは両側の唾液腺の腫脹を特徴とするウイルス感染症で、通常1~2 週間で軽快します。重篤な合併症として最も多いのは髄膜炎で、その他脳炎、睾丸炎、卵巣炎、難聴、膵炎などを併発することがあります。

ワクチン接種について

本学では、学生が麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎を発症すると、本人の重症化に加え、周りの学生や医療関係者および患者への感染源となりえてしまいます。それを予防するため、日本環境感染学会が提唱する「医療関係者のためのワクチンガイドライン」に沿って入学時よりワクチン接種を実施しています。

  1. 入学時の書類の中の「保健調査票」へ母子手帳を基にワクチン接種歴を記載し提出してください。すでに抗体検査を済まされた方は、検査結果を添付して提出ください。
  2. 入学時に未検査の学生に対し、4種ウイルス抗体価検査(麻疹、風疹、水痘、流行性耳下腺炎)を実施します。未検査の方は、お申込みください。
    自己負担(1,200円証紙を購入してください)
  3. 接種歴と抗体価の結果によりワクチンが必要と判断された学生には、検査結果と共に学内での接種の案内と申込書をお送りします。ワクチン接種は自己負担です。下記の証紙を購入のうえ、お申し込みください。
    MRワクチン 6,500円
    麻しんワクチン 3,000円
    風しんワクチン 3,000円
    水痘ワクチン 4,800円
    おたふくかぜワクチン 3,000円
  4. 他の医療機関で接種された場合は、ワクチンの種類と接種日を保健管理室へ提出してください。

インフルエンザ

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症です。A型・B型インフルエンザの流行には季節性があり、国内では例年12月~3月に流行し、短期間で多くの人に感染が拡がります。例年の季節性インフルエンザの感染者数は国内で推定約1,000万人とされます。
本学は敷地内に病院があり、患者様へ伝播した場合は大きな問題になりえることを認識し、しっかり予防できるように気をつけましょう。
ただし、きちんと予防していてもインフルエンザにかかってしまうことがあります。早期治療が大切ですから、インフルエンザが疑われるときはできるだけ早く医療機関で診察を受けましょう。

感染経路 飛沫・接触感染
潜伏期 1~5日
症状 普通のかぜのようなのどの痛み、鼻汁、咳などの症状もみられますが、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛・筋肉痛、全身のだるさ(倦怠感)などが比較的急速に同時に現れる特徴があります。
出席停止期間 発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで

インフルエンザ予防について

  1. ワクチン接種
  2. 手洗い・うがい・マスクの着用
  3. 流行期間は、人混みを避け、咳エチケットを行う
  4. 普段から健康管理をし、十分に栄養と睡眠をとり抵抗力を高めておく

インフルエンザ予防接種について

例年11月上旬~中旬に実施
日程の詳細はユニバーサルパスポート、掲示等でご案内します。

自己負担(500円証紙を購入)

  1. 任意接種ですが、感染予防の観点から全学年全員に接種を勧奨しています。特に臨床実習を行う学年は、院内感染に発展する恐れがあるため、学内または学外で必ず接種してください。
  2. 学内でなく、他機関で接種された場合は、接種日を保健管理室へ提出ください。また、アレルギー等で接種できない場合もご報告ください。

結核

結核は2類感染症に分類され、空気感染する感染力の強い疾患です。肺結核の初期症状は、咳・痰、発熱など、風邪と同じです。ただしそれが2週間以上も続いたり、良くなったり悪くなったりを繰り返すところが風邪と違います。風邪と思っても早めにかかりつけの医師を受診しましょう。早期発見・早期治療は本人の重症化を防ぐためだけではなく、大切な家族や友人等への感染の拡大を防ぐためにも重要です。
結核に感染しても必ず発病するわけではありません。健康であれば、菌を吸い込んだあと、免疫によって結核菌を抑え込みます。一時的にその人の体力が低下したり、他の病気になって免疫機能が働かなくなるなどして抵抗力がおちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病する可能性があります。

結核感染診断(IGRA)

私たち医療従事者は、職業上結核菌に曝露されやすいため、入学時に結核感染診断(T-スポット検査)を実施しています。結核患者様と濃厚接触した場合、接触者健診時の基礎データとして使用します。既に検査結果をお持ちの方は、保健管理室へご提出ください。
未検査の学生は、お申し込みください。

自己負担(5,900円証紙を購入)

侵襲性髄膜炎菌感染症

侵襲性髄膜炎菌感染症の原因となる髄膜炎菌(Neisseria meningitidis )はヒトを唯一の宿主とする細菌で、主にのどに感染し、咳などを介して感染が拡大します。健康なヒトの中にも一定の割合で保菌者がいることで知られ、日本でのその割合は、低いものの世界各地に散発性または流行性に発症し、学生寮などの共同生活をしている人々や医療現場で二次感染した事例があります。まれに血液や髄液に侵入し、菌血症や敗血症を引き起こすといわれています。
潜伏期間は、2~10日(平均4日)。侵襲性髄膜炎菌感染症は、はじめは咽頭炎など風邪に似た症状を示しますが、その後急激に悪化し全身の壊死を呈します。治療しなければ致死率は50%に達すると言われており(Meningococcal meningitis、世界保健機関(WHO)ウェブページ)、発症した際にはペニシリンGまたはアンピシリン、第三世代セフェム系抗菌薬による迅速な治療が必要となります。
予防には、一部の菌群にワクチンが有効とされており、欧米諸国ではハイリスク者にはワクチン接種が推奨されています。日本での発症は少なく、いたずらに不安を持つ必要はありませんが、流行地域への渡航の際にはあらかじめワクチンを接種することが望ましいとされています。

感染性腸炎

感染性腸炎は病原体が腸管に感染して発症する疾患であり、病原体には細菌、ウイルス、寄生虫などがあります。多くは食品や汚染された水による感染ですが、ペットやヒトからの接触感染もみられます。一般的には、夏には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生します。
安静・保温はもちろんのこと、食事の制限・脱水の予防が大切です。下痢が激しい場合でも、必要以上の下痢止めの投与は、病原体が排泄されずかえって病状が長引くことがあるので注意が必要です。 下痢で失われた水分や電解質を補うために、スポーツドリンクなど、飲める物を少しずつ飲んで、脱水を回避してください。食事は消化の良いものを少しずつ食べるようにするとよいでしょう。
嘔吐がひどくて経口摂取できない場合は、点滴治療が必要となる場合もありますので医療機関への早めの受診をお勧めします。

代表的な感染腸炎について

1.ノロウイルス腸炎

ノロウイルスは冬季を中心に多発する散発性感染性胃腸炎、集団発生胃腸炎および食中毒の主要な原因ウイルスです。感染性胃腸炎で最も多く、冬季に毎年流行します。

原因・経路 飲食物を介して感染する場合と患者との接触によりヒトからヒトへと感染する場合があります。カキなどの二枚貝を生や過熱不十分な状態で食べることが、飲食物を介した感染の主な原因です。
潜伏期 1~2日
注意事項 ノロウイルスは感染力が強ため、10-100個の極微量のウイルスを摂取することで感染が成立します。感染防止策として手洗いの励行とウイルスを含む汚染物の処理が重要です。汚染物(嘔吐物、便)の処理には洗剤ではなく次亜塩素酸ナトリウムを用いることが重要です。

2.カンピロバクター腸炎

カンピロバクターは夏季を中心に多発する散発性感染性胃腸炎、胃腸炎集団発生および食中毒の主要な原因細菌です。食中毒統計では毎年2000-3000人発生しており、細菌性腸炎のなかで最も多く発生しています。

原因・経路 鶏肉とその加工品、生レバーなどが多いですが、牛や豚もみられます。食肉の過熱不足や調理過程でまな板や手指を介しての二次感染もあります。
潜伏期 2~10日
注意事項 感染防止には鶏肉を生で食べないことが最も重要です。感染数週間後に手足のしびれや麻痺が起こるギランバレー症候群を発症することがありますので注意が必要です。

3.腸管出血性大腸菌腸炎(O157腸炎)

腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素を出して、出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす大腸菌です。ベロ毒素は強力で、とくに腎臓、脳、血管などに障害を起こします。

原因・経路 牛、豚などの大腸に生息しています。糞便や糞便で汚染された水、食物を介して、ヒトの口に入り感染します。感染力が強くため、感染したヒトからヒトへも感染します。
潜伏期 4~8日
注意事項 予防のためには、焼肉を食べる場合にはしっかり加熱(中心温度75℃以上で1分間以上)し、焼く箸と食べる箸を使い分けることが重要です。手指の手洗いも重要です。

4.サルモネラ腸炎

1990年代後半までは猛威をふるっていたが、国の種々の対策が功を奏し2000年代に入ると減少しました。しかし今なお細菌性腸炎の食中毒の原因として、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌などとともに多くみられます。

原因・経路 鶏卵と卵調理品が多いが、牛肉や豚肉、ペット(犬、カメ)からの感染もみられる。
潜伏期 8-48時間