教員紹介

桑名 恵

桑名 恵
教授
所属 国際学部 国際学科 グローバル専攻
学位 博士(人間科学)
専門 国際協力
ジャンル 国際情勢/国際社会
コメント 紛争地域の難民支援、平和構築支援、災害後の緊急復興支援について研究しています。特に、東ティモール、アフガニスタンの紛争後の復興、アジア地域の災害支援の研究を進めています。
リサーチマップ https://researchmap.jp/read0091575

自己紹介

大学時代は、バックパックで、欧米、アジア、アフリカなど、沢山の旅行をしました。その場所に行かないと出会えない気づき、多様性あふれる豊かな価値観を知り、優等生とは程遠い、期待される「型」にはまれないことに思い悩んでいた自分を解き放つことができました。
大学卒業後は、イギリスでの大学院留学を経て、NGOスタッフとして、コンゴ民主共和国、イラク、東ティモール、アフガニスタン、南スーダン、スリランカ、ミャンマーなどで紛争や自然災害に関わる人道支援や平和構築の現場で仕事をしました。社会の仕組みが機能しない過酷な状況で、一人一人の市民が声を上げ、国内外の人たちが助け合い、新しい希望ある社会を作っていける可能性を目の当たりにしました。「型」を取り払うことで生まれるものを知りました。
災害や紛争など危機を通じて浮き彫りにされる問題は、グローバル化の中で日本が直面する課題と、つながるものが多くあるように思います。今は、アジア・アフリカの社会開発のみならず、日本国内の災害や地域活性の現場を交差させながら、特に市民の力がもたらしうる社会へのインパクトを追っています。

学生へのメッセージ

ネット革命によって言葉で表せる「知識」は急速に価値を失っていく時代になりました。今後は、経験を通じて獲得される言葉で表せない「知性」-見えないものをみて、聞こえないことを聞き、そこに潜む本質や真実や価値をつかみ取ること-がますます大切になるように思います。
学生時代に、国内外問わず、コンフォートゾーンから、気になる現場に飛び込んでみてください。「こうあるべき」という枠にはまらず、自分の気持ちに素直に、個性を大切にして、社会を感じてみてください。転換期にある日本やグローバル社会の中で、皆さんが心に留めた多様な気づきは、希望ある社会づくりへの手がかりになると思います。

主要科目

ソーシャルアクション入門
平和構築特論
中東とアフリカの現代事情

ゼミ紹介

災害、貧困、食糧危機、紛争など、グローバルな社会的課題が深刻となる中、国家を超えた公共を考慮した社会変革が必要とされています。社会の諸問題への社会変革を促せるのは、国家や国際機関だけではなく、NGO/NPOの役割や、市民社会による働きかけがますます重要になっています。このゼミでは、国際協力、平和構築にかかわるケーススタディのみならず、日本国内の災害復興、地域活性化など様々な社会課題を取り上げ、可能な限り国内外の現場に足を運びながら、理論や事例を検証し、グローバル社会で起こっている出来事を自分と繋がる問題として捉える想像力を育みながら、グローバル市民として行動する思考を深めていきたいと思います。

学歴/経歴

学歴

  • 2002年4月 - 2007年3月
    大阪大学大学院 人間科学研究科博士後期課程
  • 1994年10月 - 1995年3月
    英国国立エセックス大学大学院 修士課程 社会学研究科
  • 1993年10月 - 1994年9月
    英国国立ランカスター大学大学院 国際関係学部
  • 1989年4月 - 1993年3月
    神戸市外国語大学 外国語学部 英米学科

経歴

  • 2023年4月 - 現在
    近畿大学 国際学部 国際学科 教授
  • 2016年3月 - 2023年3月
    近畿大学 国際学部 准教授
  • 2013年4月 - 2016年3月
    立命館大学 共通教育推進機構 准教授
  • 2010年9月1日 - 2013年3月31日
    お茶の水女子大学グローバル協力センター講師
  • 2007年4月1日 - 2009年9月30日
    特定非営利活動法人ジャパンプラットフォーム事業部長
  • 2002年6月1日 - 2003年3月31日
    特定非営利活動法人 Health and Development Services, アフガニスタン事務所代表
  • 1996年2月1日 - 2002年3月31日
    特定非営利活動法人 ピースウィンズジャパン 海外事業部長
  • 1995年9月 - 1996年1月
    アジアボランティアネットワーク ザイール(コンゴ民主)共和国事務所

研究活動情報

研究分野

  • 人文・社会, 社会学
  • 人文・社会, 国際関係論
  • 人文・社会, 地域研究

研究キーワード

国際協力、開発社会学、NGO/NPO、市民社会、人道支援

論文

  1. 難民主導組織(Refugee-led Organization)がレジリエンス促進にもたらす可能性:ウガンダの事例から
    桑名 恵
    Journal of International Studies  8  25-40  2023年7月 
  2. 平和構築にNGO、市民社会が果たす役割
    桑名恵
    生活共同組合研究  561  2022年10月  [招待有り]
  3. 新型コロナウィルス(COVID-19)影響下での災害対応における境界連結活動(バウンダリースパ人ぐ)を可能にする要因」:佐賀県の災害対応の事例から
    桑名恵
    Journal of International Studies  7  113-130  2022年5月 

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書籍等出版物

  1. 緊急人道支援の世紀ー紛争・災害・危機への新たな対応 , ナカニシヤ出版 , 2022年1月
  2. 「非伝統的安全保障」によるアジアの平和構築 , 山田満; 本多美樹編著 , 災害リスクの軽減(DRR) におけるマルチステイクホルダーガバナンスの可能性ー新型コロナウィルス感染症(COVID-19 影響下での人道支援(スリランカ、バングラデシュ) , 災害リスクの軽減(DRR) におけるマルチステイクホルダーガバナンスの可能性ー新型コロナウィルス感染症(COVID-19 影響下での人道支援(スリランカ、バングラデシュ) , 明石書店 , 2021年10月
  3. 新しい国際協力論 改訂版 , 桑名 恵 , 市民社会、NGOの役割 , 市民社会、NGOの役割 , 明石書店 , 2018年12月

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講演・口頭発表等

  1. 福島の復興と国際NGOの関わり: 支援するー支援されるの循環 , 桑名 恵 , 国際ボランティア学会共話シリーズ , 2022年6月
  2. 災害支援における連携の重要性 , 桑名 恵 , 佐賀災害シンポジウム , 2022年6月
  3. 新型コロナ感染症(COVID-19)影響下での災害対応における「外部者兼内部者」の果たす役割:九州地方の水害対応の事例から , 桑名 恵 , 日本NPO学会第24回研究大会 , 2022年6月

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MISC

  1. 内海成治著『ボランティア・難民・NGOー共生社会を目指してー』 , ボランティア研究 , 20 , 2020年3月
  2. 「講演②」 , 桑名 恵 , 未来共生セミナーVol.13 文系大学院を出ると社会でどう活躍できる?今後のキャリアパスと将来像』 , 2017年3月
  3. 「「支援の質のアカウンタビリティに関する国際基準」普及の意義と今後の課題」 , 桑名恵 , 外務省NGO研究会報告書: 緊急人道支援関係者向けの指導要領と教材の開発を通じて、支援の質とアカウンタビリティに関する国際基準のさらなる普及と啓発方法の確立』 , 2017年3月

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受賞

  1. 2006年3月, 国際ボランティア学会, 第6回「隅谷三喜男賞研究奨励賞」

共同研究・競争的資金等の研究課題

  1. 科学研究費助成研究:基盤研究(C), 災害や人道危機でのセクターを超えた協働が公共圏拡大に及ぼす影響
  2. 科学研究費助成事業研究, 基盤研究(B), 東南アジア地域・境界地域の平和構築と紛争予防ガバナンスの確立
  3. 科学研究費助成事業研究, 基盤研究(C), 紛争後の市民社会支援の課題と展望

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