養蜂プロジェクト報告第3弾!2015年初夏の採蜜

2015.06.16

2014年6月、工学部のキャンパス内に、ミツバチの巣箱が置かれて早1年...。
6月上旬のとある朝、今年度初めての採蜜が行われると聞き、久しぶりに現地に足を運びました。

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これは、化学生命工学科の山本 和彦准教授(生物機能工学研究室)を中心に、同学科の鈴木 克之准教授(生体分子工学研究室)、建築学科の松田 博幸准教授(建築計画研究室)らが行っている「養蜂プロジェクト」という取り組みです。

医薬品にも応用可能な機能性食品であるハチミツやその他の養蜂で得られる産物の科学的調査などを目的にしており、山本ゼミの4年生の中には卒論のテーマとして取り組む学生もいます。(養蜂プロジェクトについてはこちらから)

昨年は、巣箱を置いたばかりということと、降水量が多かった影響で、採蜜できるほどハチミツが無く、採蜜は断念したのです。(昨年の様子はこちらからご覧ください。前編後編

そして、蜂たちが元気に生きていけるように、ハチミツに果糖を混ぜた「エサ」を注ぎ足す処置も行いました。

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(ハチミツは、蜂が生成しますが、蜂の餌でもあります。採蜜をするときには、蜂たちが生きていける程のハチミツを残さなければなりません。てっきり、1年に同じ巣箱から何回も採蜜できるのかと思っていたのですが、昨年7月の第1回採蜜後は、巣箱をそっとして、蜂が越冬するための大量の餌となるハチミツの生成を見守ったのだそうです。)

......というわけで、今回は、昨年のリベンジ。
今年こそ採蜜できるのか...巣箱を開けてみると...。
昨年と打って変わって、今回はしっかりと巣箱に蜜蝋(みつろう)がこびりついていました。

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今回は、この蜜蝋を剥がす作業を学生も体験。
薄く削ぎ切りをしてふたの役割をしている蜜蝋を剥がすと、中からハチミツが滴り落ちてきます。
薄く切らなければハチミツが勢いよくこぼれてしまうので、なかなか難しい作業です。

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その後、遠心分離機にかけるとドラム缶の底にたっぷりとハチミツが溜まり、
蛇口をひねると綺麗な琥珀色の無添加ハチミツの姿が!

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透き通って美しく、また、舐めると上品な甘みが感じられます。今年の採蜜は成功です!

別の巣箱には、卵や幼虫(ハチノコ)の姿も。

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右下に2つある突起が女王蜂の卵。
この中に、高級健康食材として有名な、あの「ローヤルゼリー」が詰まっているんです!
(右が実際に中から出てきたゼリー)
1群(巣箱1棟分)にこれだけしかないとは、高級なのも納得です。
味はというと...独特のすっぱさです...。

今の時期は、子孫を増やす時期なのだそうで、巣箱に新しい木枠(蜂の巣のベースになる枠組み)を増やします。
蜂の成長スピードは早く、メスは2週間で一人前の働き蜂になるそうです。(オスは働きません。)
同じ働き蜂でも、成長の過程に連れて
・内勤(部屋の掃除などを行う)
・門番(巣の出入り口付近で外敵の侵入を防ぐ)
・外勤(花の蜜を集めてくる)
と、仕事が変わることを初めて知りました。

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今後は、このプロジェクト、学外に飛び出す可能性もあるとか...?
そして、この近畿大学工学部産のハチミツが皆さんのお口に入る日も近いかも...??
キャンパスブログでは、引き続き、プロジェクトの様子を追いかけます!