卒業生 interview #5

福庭奈保 本多健建築設計室

私は広島県出身で、地元の自然豊かな場所で建築を学びたいと思い、近畿大学工学部を選びました。
在学中は、建築に魅了され続けた4年間でした。3年生の設計課題や建築意匠研究室での活動を通じてデザインの手法を広く学ぶことができ、関心のある領域を自由に横断することができました。
その中で私は、都市形成と身体感覚の関係性に興味を持ち、卒業制作のテーマとしました。卒業後は、住み慣れた広島に対する視点を変えたいとの思いから、東京のお茶の水女子大学大学院に進学しました。大学院受験前の研究室訪問では、今までの設計課題や当時卒業制作で考えていた事などをプレゼンテーションし、特に卒業制作での都市空間を考察する方法にとても興味を持ってもらいました。大学院では、学部の「同じ意識を持った仲間とアイデアを出し合い、理想をカタチにしていく」環境とは異なり、個人で進める研究が多く、挫けそうになりました。しかし、近畿大学工学部で学んだ4年間で吸収した建築の面白さが原動力となり、乗り越えることができました。
また、上京した研究室の先輩方や同級生が多く、たまに集まっては近況報告をし、その活躍を知れることは、とても励みになりました。大学院卒業後は、本多健建築設計室に就職し、新築の戸建住宅や商業施設から、都内オフィスビルの改修まで幅広く設計に携わっています。

[本多事務所での担当物件|戸建住宅]

現在は衣料メーカーの新社屋計画を担当しています。こちらから一方的にデザインを提案するのでは
なく、クライアントとなる社員の方々との対話をカタチにする作業は、この仕事での一番の醍醐味だ
と感じます。

(2014年2月取材)

略歴|

1984 広島県生まれ
2007 近畿大学工学部建築学科卒業
2010 お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了
2010- 本多健建築設計室勤務