食品安全工学科教授・芦田久が「日本応用糖質科学会 学会賞」を受賞

2020.09.02

  • 食品安全

近畿大学生物理工学部食品安全工学科教授の芦田久が、「2020年度 日本応用糖質科学会 学会賞」を受賞しました。
これに際し、2020年9月10日にオンライン開催される「2020年度(第69回)日本応用糖質科学会大会」において受賞講演(オンライン)が行われます。

日本応用糖質科学会は、昭和27年(1952年)に澱粉工業学会として創立され、昭和47年(1972年)に日本澱粉学会、平成5年(1993年)に日本応用糖質科学会と改称して現在に至る、歴史と伝統のある学会です。
日本応用糖質科学会の学会賞は、学会会員の中で、澱粉を始めとする各種糖質科学及び関連する酵素科学並びにそれらの関連産業の発展に関し、顕著な業績、功績のあったものに授与される賞です。

日本応用糖質科学会

受賞概要

■内容
学会賞

■タイトル
ムチン糖鎖による宿主と腸内細菌の共生機構の解明

■受賞者
芦田 久(あ芦田教授(食品).jpgしだ ひさし)
所属:近畿大学 生物理工学部 食品安全工学科 教授
学位:博士(農学)(京都大学)

■受賞研究内容
腸内細菌は糖質の乏しい腸管内に生息するために、難消化性の糖鎖を分解・利用するためのさまざまな糖質分解酵素をもつ。消化管から分泌される糖タンパク質であるムチンは、腸上皮細胞のバリアとなるとともに、腸内細菌との共生因子となっていることがわかりはじめている。ムチン糖鎖による腸内常在細菌の共生機構の解明および糖質による腸内細菌制御を目的として、悪玉菌の代表であり食中毒やガス壊疽の原因にもなるウェルシュ菌Clostridium perfringensと、善玉菌の代表であるビフィズス菌Bifidobacterium spp.の、消化管ムチンO結合型糖鎖に作用する糖質加水分解酵素を解析し、さまざまな相違点を明らかにした。本研究成果は、食品成分による腸内細菌制御方法への応用に繋がることが期待される。