創設の理念

バイオ炭素は世界の血液

 体を動かすのは筋肉、呼吸するのは肺、考え指令を出すのは脳。
血液は、そういった具体的な体の活動を直接担うことはないけれど、全身をめぐり、様々な活動を支え、繋いでいます。
 バイオ炭素もまた、血液が体の隅々までいきわたるように、道端の草から我々に一人ひとりの身体の中に至るまであらゆるところにあって、呼吸をはじめあらゆる命の活動を支え、繋いでいます。
 いわば炭素は世界の血液なのです。

 体内で血液が滞ると健康に良くないように、炭素も本来あるべきところにあるべきバランスを保って循環していることが望ましいといえます。例えば今問題となっている地球温暖化も、その原因のひとつは化石燃料に過度に依存した経済活動が、本来あるべき炭素循環のバランスを崩したことにあります。
 化石燃料の活用は、いわば本来地下に静かに眠っていたはずの化石炭素を、人の手で地上の活発な営みの中に呼び戻すことです。
 一方バイオコークスは、地球上のあらゆる植物資源を原料とします。すなわち今現在地球上で活発に営まれている命の営みの延長線上にあり、バイオコークスの活用は地球上で営まれている自然な炭素の巡りの中で完結します。
 バイオコークスは、化石燃料への過度な依存が乱したバイオ炭素の巡りを、地球上の生命の営みによる自然な炭素の循環の中に取り戻す技術なのです。
 すなわちこの世界という身体の、健やかな血の巡りを取り戻す技術だといえるでしょう。

 加えるならば、化石燃料の資源は偏って存在しており、その争奪はときに悲しい争いの原因にもなってきました。しかしバイオコークスの原料は人間の暮らすあらゆる場所に遍く存在しており、資源の偏在という課題をも解決します。

 健やかな血のめぐりが健康な身体を支えるように、健やかな自然な炭素の巡りは世界を支えます。

 炭素は世界の血液。健やかに巡らせよう。未来の世界のために。

監修;バイオコークス研究所 井田 民男
作;文芸学部 松岡 久美子

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