ブランディング事業

事業概要

 近大マグロによる食資源保全に続き、エネルギー資源の礎となり得る近大バイオコークスをブランディングする。国内・海外に広がるバイオコークス事業のネットワーク化を図り、未利用バイオマスをバイオコークスとして再生し、石炭代替利用の促進に導く。これは、地球環境問題のみならず、地産地消、地域循環型社会、エネルギー基盤強化への貢献、さらには次世代のエネルギー教育の新機軸とも結び付き、持続可能社会形成に寄与する。

事業目的

 近畿大学は創立91年を迎え、「実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神に、「人に愛され、信頼され、尊敬される」人づくりを教育の目的として、学生教育、研究活動に邁進し、建学時より「実学」を尊び、社会で働き生活する人々の要求を実現することを目的とした研究・教育を志向してきた。
 近年、世界的な課題として、世界人口急増に伴う食糧資源問題、CO2排出増加による地球温暖化やエネルギー環境問題などがクローズアップされているが、本学は、世界に先駆けてこれらの諸問題に取り組んできた。食糧資源問題については、世界で初めて完全養殖に成功した近大マグロの研究は、単なる食糧資源の安定供給のための養殖技術という次元に留まらず、日本の食文化の承継までをも目指してクロマグロを対象とした点で、栄養価と量の確保に重点を置いた食糧政策下の研究・開発と一線を画している。こうした研究に、成果の出ない初期から外部資金が獲得できることは希少であり、未来を見据えた研究開発をサポートし続け成功に繋げた姿勢が近畿大学の一つの実学ブランドと言える。
 一方、湾岸戦争を皮切りにエネルギー争奪による紛争は、絶え間なく続いており、むしろ世界的には増加の傾向にある。また、我が国は、エネルギー資源をほぼ海外輸入に依存し、特にチャイナリスクは、不安定な状況を造り出し、長期安定ビジョンが描けない状況である。さらに、地球規模での環境保全から、地球温暖化ガス(特に、炭酸ガス)排出量削減制限から、化石燃料からバイオ燃料への転換に関する研究・開発は世界中で活発に行われている。
 しかしそのほとんどは、事業化評価の段階で経済的なハードルをクリアできず、技術開発のみで終了することが多い。原因はいくつかあるが大きな要因としては、製造プロセスに要する外部からのエネルギー投入量が製造されるエネルギー量に対して無視できないほど大きくなるエネルギー収支の問題、およびバイオマス燃料製造時にバイオマスの残渣が発生してしまい、その処理方法・コストが実現性・採算性を大きく逼迫する諸課題が挙げられる。多くの大学等の研究は、新技術の検討を主目的とするため、こういった現実的な問題はあまり顧みられない傾向がある。
 バイオコークスの技術は、これらの課題を同時に解決できる世界をリードする唯一かつ国産の研究成果である。この研究成果により、個人事業との連携による地産地消の推進、業務事業との連携によるゼロ・エミッション(廃棄物がゼロのこと)の推進、地方自治体との連携による地域循環型社会の構築、日本を代表する自動車産業との実証試験によるエネルギー基盤創出、さらには、グローバルな地球環境保全・JCM事業(経済産業省/北海道経済産業局委託事業)などの取り組みをネットワーク化し、地方(LCB)から国(EBB)へ、商店(LLB)から企業(EBB)へと様々なスケール、用途へ社会貢献できる仕組みを構築できる可能性を秘めている。
さらに、全世界から本学の理念に基づく学生・研究者を募り、エネルギー教育を行い、世界に送り出すことにより(FDB)、食糧資源に続く、未来を見据えたエネルギー争奪のないエネルギー資源の礎を構築することを本事業の目的とする。

ブランディングの取り組み

地産地消を支える
近大バイオコークスのブランディング
Local-Local Branding:LLB

商店、企業等の連携を進めながら比較的小スケールでの地域に点在する廃棄あるいは未利用バイオマス資源の用途を見据えた最適なバイオコークスの検証を行い、それらの資源による地域活性化の可能性調査や普及・教育活動を行う。

地産地消を支える近大バイオコークスのブランディング

地域循環型社会を支える
近大バイオコークスのブランディング
Local-Circulation Branding:LCB

国内、産官学等の連携を進めながら比較的中スケールでの地域に潜在する廃棄あるいは未利用バイオマス資源の用途を見据えた最適なバイオコークスの検証を行い、地域循環可能性を検討し、普及・教育活動を行う。

地域循環型社会を支える近大バイオコークスのブランディング

エネルギー基盤を支える
近大バイオコークスのブランディング
Energy-Basement Branding:EBB

国内・海外で幅広く連携を進めながら、国家レベルでの比較的大スケールでのバイオマス資源、特に、ASEAN、ブラジルなどとの連携を計り、石炭/石炭コークスに代替できるバイオコークスの検証を行い、世界へ普及・標準に向けた取り組みを行う。特に、全世界から本学の理念に基づく学生・研究者を募り、エネルギー教育を行い、世界に送り出す。

エネルギー基盤を支える近大バイオコークスのブランディング

親しめるデザイン
近大バイオコークスによるブランディング
Friendly-Design Branding:FDB

バイオコークスの魅力は、新資源エネルギーであるが、石炭/石炭コークスと同様に一般的に親しみがない。BBQでの木炭程度である。より、バイオコークスを手に取り、親しみを感じるソフトなイメージを造り出し、エネルギーへの関心を高める活動を近畿大学に潜在するデザイン力から世間一般に普及・教育活動に繋げていく。

親しめるデザイン近大バイオコークスによるブランディング

平成28年度私立大学研究ブランディング事業計画書

平成28年度私立大学研究ブランディング事業進歩状況

平成29年度私立大学研究ブランディング事業進歩状況

平成30年度私立大学研究ブランディング事業進歩状況

平成31年度私立大学研究ブランディング事業進歩状況

私立大学研究ブランディング事業成果報告書

お問い合わせ先

近畿大学バイオコークス研究所
北海道恵庭市南島松157-1
TEL(0123)37-6301

近畿大学バイオコークス研究所推進事務室
大阪府東大阪市小若江3-4-1 東大阪キャンパス38号館S-305
TEL(06)6730-5880(ext.5135)

技術相談窓口

近畿大学リエゾンセンター
E-mail:klc@kindai.ac.jp
TEL(06)4307-3099