所長あいさつ

 近畿大学バイオコークス研究所は、実学を基にエネルギーの地図を塗り替え、資源エネルギーの争奪のない、自立できる世界を創出する壮大な目標を掲げて研究開発に取り組んでいます。
 バイオコークスの技術は、地方にも国家にも国家間にも貢献しつつ、さらに地球規模での環境保全を視野に入れた国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)へも実効的な取り組みが提案できる資質を持っています。
 特に、エネルギー資源を自給できていない我が国において、再生可能エネルギーの導入は、喫緊の課題であります。しかしながら、東日本大震災以降、化石資源エネルギー依存度は増加し、環境保全はおろか化石資源枯渇問題まで遠のいた雰囲気すら感じる国難の時代に突入しています。
 バイオコークスとは、バイオマスをシンプルなホットープレス法で製造する、日本発の新たな固形エネルギーです。バイオコークス技術は、次のような特性を持っています。(1)すべての植物性バイオマスを原料として形成でき、(2)堅固かつ高温・長時間燃焼可能なため、石炭コークスあるいは重油/灯油、さらには薪などの代替固形燃料として消費できる数少ない技術の1つであります。
 近畿大学では、バイオコークスに関する一連の特許を確保し、2007年にバイオコークスプロジェクトをスタートさせ、NEDO及び北海道経済産業局/経済産業省、JST、環境省、農林水産省などの支援を受け、バイオコークスの基礎研究のみならず、(株)ナニワ炉機研究所の協力によるバイオコークス量産装置開発からバイオコークス専焼ボイラーの開発、キュポラでの溶解実証試験、さらにはバイオコークスの普及活動や地域や教育機関への再生可能エネルギーに関わる教育活動にも取り組んでいます。
 バイオコークスの市場は、生産目的や生産量から大きく3つに分かれます。
 1つは、地産地消によるバイオマス資源活用であります。例えば、地産されるそば殻からそば殻バイオコークスを製造し、ボイラーなどの加温装置により、温水を製造し地消する。地域で廃棄される未利用バイオマスに付加価値を付けて、地域の活性化を図る取り組みであります。
 2つ目は、広域エリアでの課題を、地域の特産である未利用バイオマスなどで解決し、経済効果を計る取り組みであります。特に、地域の雇用創出を促進しつつ新産業創出により活発化し、広域エリアでの貢献を計る意欲的な取り組みであります。
 3つ目は、海外での豊富なバイオマスから国家間で相互にWin-Winの関係を築きながら、バイオコークスをベースエネルギーとして輸入する取り組みであり、地球規模での二酸化炭素抑制や硫黄酸化物の削減などの効果も期待でき、エネルギーと環境さらにはASEANでのリーダーシップを同時に実現できる可能性を有している取り組みです。と言っても鋳物製造分野だけでも我が国の石炭コークス消費量を20%代替するとしても、6万トン/年のバイオコークスが必要であり、200トンの日生産量を維持する必要があります。
 本研究所では、技術開発を加速的に進めるとともに次世代を担う研究者の育成にも力を入れています。特に、ASEAN諸国からの留学生を積極的に受け入れ、近い将来、二国間での橋渡しができるような研究者の育成を目指しています。
 本推進に当たりまして多大なるご支援を頂いております学内外の皆様方には衷心より厚くお礼申し上げますと共に、今後ともご指導・ご鞭撻を受け賜わりますようお願い申し上げます。

井田 民男 所長(教授)

井田 民男
TAMIO IDA
教授
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