近大理工通信

令和3年度 近大理工通信(第1号)

ヘッドライン

令和4年4月 エネルギー物質学科開設

令和4年4月、理工学部に「エネルギー物質学科」が誕生いたします。エネルギー関連技術と、それらを支えるマテリアルについての教育・研究を担う学科です。以下、設立の経緯と学科の特色を紹介いたします。
新学科における教育と研究のキーワードは、“Sustainability”と“Quality of Life (QOL)”です。現在、快適な生活を保ちながらも脱炭素社会を実現するための技術革新が求められています。同時に、通信デバイス・医療用センサのさらなる小型化や充電フリー化を目指し、静電気や摩擦などの微小エネルギー、分子モーター、さらには生物による巧みなエネルギー変換をも活用していく必要があります。そして、新たなエネルギー技術は新たなマテリアルなくして実現し得ません。
これらの社会要請に応えるため、エネルギー関連技術を3つの領域、すなわち「次世代インフラエネルギー領域」「「ライフデバイスエネルギー領域」「マテリアル創製領域」に分類し、関連する科目を配置しました。まずは数学・物理学・化学・生物学の基礎を固めつつ、3領域を全般的に学ぶことで広い視野を身につけます。そして、学年が上がるにつれ、各自の希望する進路に合わせて主たる領域を選択し、専門性を高めます。実学教育の一環として、私立大学として唯一近畿大学が保有する教育用原子炉を用いた実習も行います。さらに、今後のモノづくりを支えるシミュレーションやインフォマティックスを活用するための情報リテラシー教育も充実しています。
入学した学生には、得意を見つけ得意を伸ばしてほしい、そしてSDGs達成に貢献し、その先の未来を切り拓く人材として羽ばたいてほしい、そのような想いを胸に、教員一同、全力で教育と研究に取り組んでまいります。


(応用化学科※・須藤 篤 ※令和4年度からエネルギー物質学科へ移籍予定)

電気電子工学科は電気電子通信工学科(エレ通) となってリニューアルします

2022年度より電気電子工学科は電気電子通信工学科(通称:エレ通)と名称変更いたします。電気電子工学と通信工学は非常に密接な関係にあり、今までも、電気電子工学科において、通信分野の講義は開講されていました。今後、Society 5.0実現に向けてエレクトロニクス機器に限らず自動車や産業機器等あらゆる機器は、通信によってつながるようになっていきます。電気電子通信工学科と名称変更した理由は、これら全体を網羅する学問領域であるということ、またハードウエア色の強い電気電子から通信工学を付けることによりソフトウエアの要素も本学科の対象分野であることが受験生や就職先の企業の方々へ伝わりやすい学科名とするためです。変更したのは名称だけではありません。エレクトロニクス分野は、あらゆる技術の骨幹をなし、本分野で活躍できるエンジニアは、今後ますます必要とされています。社会で最も要求されているエレクトロニクス分野の学問領域である「パワーエレクトロニクス・電力工学」、「エレクトロニクスマテリアル」、「オプトエレクトロニクス」、「メカトロニクス」、「情報・通信」の5分野を教育の柱とし、電気電子(強電・弱電)全体を網羅する講義を開講する「総合エレクトロニクスコース」と情報通信に関わるソフトとハードウエアをつなぐ講義を開講する「電子情報通信コース」の2コース体制となります。「総合エレクトロニクスコース」では、国家資格である電気主任技術者養成のための「電力実習」、電気を動力源に使用する「エレクトリックビークル」を開講。「電子情報通信コース」では、世界的に注目を浴びている「量子コンピューティング」を学部講義で開講、さらにAIを利用したインテリジェンスなハードウエア実装に関する講義や実習を追加することで「インフラからアプリケーション」、「ソフトウエアからハードウエア」まで、エレクトロニクス技術を支える工学分野全般の幅広い基礎習得に主眼を置くとともに、最新の内容についても理解し、科学技術の進歩に随時対応できる能力を持つ人材育成を目指します。