電気を用いたベンゾチアゾール類のシアノ化反応の開発に成功

2025.01.27

  • 研究

近畿大学大学院 総合理工学研究科 理学専攻 准教授 松本浩一、同専攻 博士前期課程2年 森腰永遠さん、松瀬瑞季さん、シンクレスト(株)徐 鵬宇 博士、米山 心 研究員らの共同研究チームは、電気エネルギーを用いて、ベンゾチアゾール類へのシアノ化反応の開発に成功しました。

Journal: Electrochemistry誌 (IF = 2.7)
Title: Electrochemical Cyanation of Benzothiazole Derivatives
DOI:   https://doi.org/10.5796/electrochemistry.24-00133

ベンゾチアゾールやその誘導体は、医薬品や機能性材料の基本骨格として重要です。また、今回の生成物の一つである6-methoxybenzo[d]thiazole-2-carbonitrile(CAS RN: 943-03-3)は、以前より推進しているホタルの発光物質(ホタルルシフェリン、https://newscast.jp/news/3175132)の既存の工業的な合成に利用されている重要な中間体でもあります。

この度、研究チームは、隔膜のある陽極室にベンゾチアゾール類とシアノ化源として取り扱い容易なTMSCN(Trimethylsilyl cyanide)を加えて、電気を流すとシアノ基が導入された生成物の合成法の開発に成功しました。低環境負荷型合成、グリーンケミストリーとして重要な成果です。
この成果は、Electrochemistry誌の早期公開版に掲載されました。

2025年1月23日 図.jpg