応用化学科・今井教授らの研究チームが、ラジカル発光体からの磁気円偏光発光(MCPL)に成功

2024.11.18

  • 研究

理工学部応用化学科 今井喜胤 教授と奈良先端科学技術大学院大学 服部陽平 特任助教、ラッペン・ゲナエル 教授、京都大学 大田航 特定助教、佐藤啓文 教授の共同研究グループは、トリアリールメチルラジカル発光体からの外部磁場印加による円偏光発光(CPL)の取り出しに成功しました。

Journal: The Journal of Physical Chemistry Letters
Title: Magnetic Circular Dichroism of Luminescent Triarylmethyl Radicals
Authors: Yohei Hattori, Daiya Suzuki, Wataru Ota, Tohru Sato, Gwenael Rapenne, and Yoshitane Imai
DOI: 10.1021/acs.jpclett.4c02793.
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.jpclett.4c02793

安定なトリアリールメチルラジカルは最も一般的な炭素ラジカル構成単位であり、近年その発光特性が注目されています。しかし、単純なトリアリールメチルラジカルでは、その光分解性のためか、マイケル・ファラデーによって発見された磁気円二色性(MCD)や磁気円偏光発光(MCPL)は観測されていません。
本論文では、(3,5-ジクロロ-4-ピリジル)ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)メチルラジカル(PyBTM)と(3,5-ジフルオロ-4-ピリジル)ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)メチルラジカル(F2PyBTM)のラセミ混合物を用いて、トリアリールメチルラジカルのMCDとMCPLを溶液中で初めて観測しました。

キャプチャ.PNG