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ゲノム治療における大阪南エリアを担う拠点 府内唯一の大学病院として「がんゲノム医療拠点病院」に指定

2019.09.20

  • 近大病院

遺伝⼦パネル検査等に⽤いる検査機器

近畿大学病院(大阪府大阪狭山市:病院長東田有智)は、令和元年(2019年)9月19日(木)、厚生労働省が指定する「がんゲノム医療拠点病院」として認定を受けました。
全国のがんゲノム医療中核拠点病院11施設に次ぐ位置付けで、大阪府では3病院のみが指定を受けた中、府内大学病院唯一の選出となりました。本院では、次世代シークエンサー※1 を有し、1000例以上のがん患者に無料の遺伝子パネル検査を提供し続けて来た実績を踏まえ、近畿大学病院ゲノム医療センターにて、遺伝子に応じた個別化医療をより推進していきます。

【本件のポイント】
●全国34施設が指定され、大阪府の3施設うちの1施設として指定
●府内唯一の大学病院として、南大阪エリアのがんゲノム医療推進へ大きな期待
●今後、院内での遺伝子検査と分析を可能とし、さらなる個別化医療の実現を目指す

【本件の内容】
厚生労働省は、令和元年(2019年)9月19日(木)付けで全国の34医療機関を「がんゲノム拠点病院」として初めて認定した事を発表しました。「がんゲノム医療拠点病院」とは、遺伝子パネル検査※2 の医学的解釈を自施設で完結できる機能を有する医療機関として、がんゲノム医療の拠点となる病院を意味します。
この度指定された34医療機関は、令和元年(2019年)9月5日(木)に開催された「第2回がんゲノム医療中核拠点病院等の指定に関する検討会」で、選定された数少ない医療機関です。
さらに、診療機能としては、エキスパートパネル※3 や遺伝カウンセリングの自施設での運用、企業治験、医師主導治験、先進医療の実績等の条件をクリアし、先に指定されているゲノム医療中核拠点病院と同等の体制が求められます。
このような条件をクリアし指定された、近畿大学病院ゲノム医療センターでは、南大阪を拠点に、奈良県、和歌山県など近隣エリアのがん患者も集約化し、ゲノム解析を実施することにより新たな治療・診断法・新規分子標的薬の開発等に貢献する事を目指し、地域におけるがんゲノム医療を推進していきます。

<用語解説>
※1 次世代シーケンサー
遺伝子の塩基配列を高速に読み出す医療装置
※2 遺伝子パネル検査
患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために、一度に複数の遺伝子変化を調べる解析技術を用いた検査方法。
※3 エキスパートパネル
がん薬物療法専門医、ゲノム科学専門家、病理医、臨床遺伝専門医、薬剤師、看護師、認定遺伝カウンセラーなど多職種の専門家が集結し、遺伝子パネル検査結果に基づき、患者さんに最適の薬剤情報等の臨床的意味付けを行う会議。

【近畿大学病院ゲノム医療センターについて】
進行がん患者さんを対象に臓器横断的、診療科横断的に遺伝子パネル検査を実施し、最適な薬物治療の機会を提供することを目的に、令和元年(2019年)5月1日(水)設立。近畿大学医学部では平成25年(2013年)より研究にてがん遺伝子パネル検査(近大クリニカルシーケンス)を実施しており、その過程で遺伝子パネルの経験豊富な専門家集会議であるエキスパートパネルを構築しています。がんゲノム医療に係る高い専門性を有する高度医療機関病院の役割を果たす事を担う目的として設立された機関です。

関連URL:https://www.med.kindai.ac.jp