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AIによる学生評価支援の研究成果を発表 学生がAI評価を受容できるか、ワークショップも公開

2018.12.11

  • 経営

AI支援による評価の様子

近畿大学経営学部(大阪府東大阪市)とTDCソフト株式会社(東京都渋谷区)は、AI(人工知能)を用いてアクティブ・ラーニングにおける学生評価の支援を行う研究を、1年以上にわたり実施しています。
平成30年(2018年)12月17日(月)、これまでの研究成果を発表し、「AI評価を受容できるか」について検討する学生参加型ワークショップを開催します。

【本件のポイント】
●グループワークでの貢献度をチャット上のやり取りからAIが分析・評価する研究
●研究成果を報告し、今後の開発につながる学生参加型ワークショップを開催
●AIを活用して、評価の公平性の担保や学生の個性に合わせた活躍の提案をめざす

【本件の概要】
近畿大学とTDCソフトは、教員の負担軽減や、評価の公平性の担保などを目的に、学生がグループワークに用いるチャットツール上でのコミュニケーションや学習意欲をAIに分析・評価させる共同研究を行っています。
本件について、担当教員である経営学部経営学科准教授の鞆大輔が、近畿大学の授業で学生約300人を対象に行った実証実験の結果などこれまでの研究成果を発表し、学生がAIに評価されることをどう感じるか、どうすればAIによる評価が学生に受け入れられるかについて学生を交えて検討するワークショップを開催します。

■日  時:平成30年(2018年)12月17日(月)10:45~12:15
■場  所:近畿大学東大阪キャンパス アカデミックシアター ACT412
      (大阪府東大阪市小若江3-4-1、近鉄大阪線「長瀬駅」から徒歩約10分)
■担当教員:経営学部経営学科 准教授 鞆 大輔(とも だいすけ)
■参加者 :近畿大学学生 15人程度

【研究の背景】
昨今の大学教育では、アクティブ・ラーニングの重要性が説かれており、その代表的な方法が「グループワーク」です。ただし、グループワークは学生らが授業時間以外に自主的に集まって活動することも多く、教員が成果物から個人の貢献度を評価するのは難しくなっています。また、グループワークに積極的に参加せず、成果物だけを得ようとする学生も、ごく一部ですが存在します。そこで、グループワークをチャットツール上で行い、そこでの発言をAIが解析、グループワークで学生が担っている役割や貢献度、学習意欲について分析を行い、これに基づき相互評価を支援するというのが本研究の主旨です。

【現状の研究成果】
近畿大学経営学部の1年生を対象とした講義「情報倫理」で実証実験を行いました。学生が実際のグループワークで発言したチャットデータを採取。それをもとにAIが分析した評価(AI評価)と、学生同士による相互評価(学生評価)を参考にして、学生が最終評価を行いました。
その結果、最終評価において、AI評価と学生評価どちらが優先されたかを評価項目ごとに集計したのが添付のグラフです。緑はAI評価と学生評価が合致(62.7%)、青はAI評価を採用(14.0%)、赤は学生評価を採用(≒AI評価が不服、23.3%)したことを示しています。現状でも全評価項目のうち76.7%(緑+青)でAI評価が学生に受容されていますが、今後研究を進めることで、赤の部分を減らしAI評価の精度を高めたいと考えています。
※さらに詳細な研究成果を、平成30年(2018年)12月17日(月)のイベントで発表します。

【関連リンク】
経営学部経営学科 准教授 鞆 大輔(トモ ダイスケ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/241-tomo-daisuke.html

関連URL:https://www.kindai.ac.jp/keiei/

チャット評価のイメージ

学生のAI評価受容度