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「クロマグロ養殖研究の最前線」 近畿大学水産研究所 公開講座

2018.10.15

  • 研究所

クロマグロの仔魚

近畿大学水産研究所(和歌山県白浜町)は、平成30年(2018年)10月20日(土)、串本町文化センター大ホールにて、公開講座「クロマグロ養殖研究の最前線」を開催します。
近畿大学は、平成14年(2002年)に世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功しました。今回の講座では、完全養殖が必要とされる世界のマグロ事情、完全養殖の技術とその開発の歴史について講演します。会場では養殖に関わる魚の展示も予定しています。

【講演の内容】
(1)「卵から稚魚までを育てる~飼育水槽における生残率の改善~
講師:水産研究所大島実験場 場長補佐・技術員 倉田 道雄
クロマグロはふ化から10日目までに大量に死亡します。その主な要因は水面での浮上と水槽の底への沈降による死亡です。これらの死亡を防ぐための研究や飼育方法を紹介します。

(2)「マグロはイケスで何故死んじゃうの?」
講師:水産研究所大島実験場 技術員 本領 智記
クロマグロの完全養殖はなぜ困難で飼育が難しいと言われているか、最近の研究で明らかにされつつあるクロマグロ稚魚の死亡原因について講演します。特に水槽で卵からふ化したマグロが約1ヶ月後に生簀へ運ばれる「沖出し」後に焦点を当て、衝突死・異物誤飲・成長不良・ストレスをキーワードとして解説・紹介します。

【本件の概要】
■日時:平成30年(2018年)10月20日(土)13:00~15:30(12:30 開場)
■場所:串本町文化センター大ホール
    (和歌山県東牟婁郡串本町串本2427、JR「串本駅」下車タクシーにて約5分)
■対象:一般の方(定員先着200人、参加費無料)

【本件の背景】
近畿大学水産研究所は、平成24年度に文部科学省・グローバルCOEプログラムが終了し、事後評価で「設定された目標は十分に達成された」との最高評価をいただきました。このプログラムでは、事業が終了した後も教育研究活動の拠点として、継続して事業を進めることが求められ、本拠点でもその継続を表明しています。グローバルCOEプログラム学内継続支援事業の一環として、毎年紀南地方での公開講座を開催しています。平成30年度(2018年度)は2回の公開講座を予定しており、今回の講座は1回目となります。

【講師プロフィール】
水産研究所大島実験場 場長補佐・技術員 倉田 道雄(くらた みちお)
学  位:博士(農学)
専門分野:種苗生産学
コメント:クロマグロを中心とした仔稚魚の飼育方法の技術開発研究を行っています。近年は、
     クロマグロの初期仔魚期の生残率改善を研究テーマとしています。

水産研究所大島実験場 技術員 本領 智記(ほんりょう ともき)
学  位:修士(農学)
専門分野:水産増殖学
コメント:養殖対象魚(マダイ、カンパチ、シマアジ、クロマグロなど)をいかに"簡単"かつ
     "効率的"に育てる事が出来るのかをメインテーマに、陸上水槽から海上生簀まで
     幅広くフィールドを使って研究をしています。

関連URL:https://www.flku.jp/