茅葺き屋根の葺き替えワークショップ 建築学科の学生が挑む「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」
2018.04.23
- 工
過去の茅葺き替えの様子
【本件のポイント】
●大学の地元・東広島市に残る貴重な茅葺き古民家の保存・修繕に取り組む地方創生プロジェクト
●一般の方も茅葺き屋根の葺き替えに参加できる貴重な機会
●学生は地域に貢献すると同時に、職人から日本の伝統工法を実地で学ぶ
【本件の概要】
近畿大学工学部建築学科 准教授 市川尚紀は、平成21年度(2009年度)から、地域に残る茅葺き屋根の古民家の保存・再生を目的として、学生と共に「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」に取り組んできました。今回、茅葺き屋根の葺き替えに取り組む古民家は、平成24年(2012年)から4年間かけて、学生らが修繕を行ってきたものです。
また、同プロジェクトでは、平成29年(2017年)から東広島市志和町にて、茅葺き屋根の原料となるススキ畑(茅場(かやば))を作る活動を行っており、今回の屋根の葺き替えには、平成29年(2017年)12月に学生らが刈り取った茅を使います。
当作業は、ワークショップとして、一般の方の参加も受け付けます。
■日 時:平成30年(2018年)5月4日(金)~5日(土)10:00~15:00
■場 所:広島県東広島市豊栄町能良 1423
■対 象:一般(定員20人)
■参 加 費 :1人500円/日(保険代含む)
■持 ち 物 :軍手、マスク、汚れてもよい服装
■申込・問合せ:近畿大学工学部建築学科 准教授 市川尚紀(ichikawa@hiro.kindai.ac.jp)宛に、
メールにて申込み、お問合せください。
■申込締切 :平成30年(2018年)5月1日(火)まで
【本件の背景「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」とは】
広島県東広島市は、多くの茅葺き古民家の屋根がトタンや瓦で覆われることなく茅が露出した状態で残っている全国的にも希少な地域です。しかし、伝統の茅葺き屋根の価値があまり認識されず、現在残されている民家も茅葺きの技術継承者不足、原料となる茅の不足、茅葺きにかかる労力、コストなどの問題から消滅の一途を辿っています。
そこで、近畿大学工学部建築学科 准教授 市川尚紀と学生は、地域に残る茅葺き古民家の保存・再生、茅葺き技術の継承を目的に「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」と称し、平成21年度(2009年度)からNPO法人西中国茅葺き保存研究会、茅葺き職人、地域住民と共に茅葺き民家を整備・修繕する活動を始めました。これまで、平成24年(2012年)から約4年かけて東広島市豊栄町にある民家の屋根の葺き替えに取り組んだ他、平成28年(2016年)には世羅郡世羅町から長崎県の五島列島へ茅葺き古民家の移築を実施、平成29年(2017年)には、今後の茅葺き建築物の修繕に必要となる茅の確保を目的に茅場作りを開始しました。
【「豊栄の民家」について】
「かやぶき古民家保存・再生プロジェクト」の一環として、平成24年(2012年)から平成27年(2015年)にかけて、広島県東広島市豊栄町にある茅葺き古民家の修繕に取り組みました。この民家は、元は農業体験などの塾の合宿所等として使われていましたが、空き家になって10年以上経過し、室内外共に損傷が激しかったところを、家主の方のご厚意で、教育の場としてお借りしています。茅葺き屋根の修繕の他、学生の卒業制作として、内装の改修やインテリア作品の制作も行いました。
【豊栄の民家 所在地】
国道375号線から県道60号線に入り、直進約5キロにある「東広島市ふくろう館」から、約1.2キロ(車で約4分)
【関連リンク】
工学部建築学科 准教授 市川 尚紀(イチカワ タカノリ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/1138-ichikawa-takanori.html