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日本の大学初 農業知的財産に関する新講座開設について(農林水産省と近畿大学農学部の連携事業)

2018.03.29

近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、農林水産省食料産業局知的財産課(東京都千代田区霞が関)と連携し、農業知的財産(農業知財)に関する講座を開設します。平成30年9月~平成31年3月まで、毎週1回(合計15回)、食料産業局知的財産課の職員が講師として本学農学部の学生(約200人)に対し、講義を実施します。農林水産省と大学の連携により農業知的財産保護についての新講座を開設するのは日本の大学では初めてです。

【本件の概要】
農林水産省では、地理的表示保護制度や植物新品種等の海外流出防止、農業ノウハウの保護といった様々な施策を展開し、農林水産分野における知的財産の保護、活用を目指しています。日本の農林水産業の競争力を維持・向上させるためには、知的財産制度の保護・活用がますます重要となっており、農業知財の人材育成が大きな課題となっています。
今回開設する講座では、平成30年9月から平成31年1月まで毎週1回(合計15回)、知的財産課の職員が講師として、農林水産省が現在行っている知的財産施策等の解説をするほか、国際的な動向、具体的な事例についても講義します。この講座を通して、農林水産分野における知的財産施策の展開・動向の知識を与え、日本のアグリビジネスを担う人材を育成します。双方が連携して農業知財の講座を運営することによって、農業分野の知的財産について知見を有する人材の育成を進め、互いに日本の農林水産業を発展させることを目指します。

■実施期間:平成30年9月~平成31年1月(15回講座)
■対  象:近畿大学農学部学生(2年生予定定員120名)

【主な講座内容について】
近畿大学農学部で開講される予定の15回の講義内容は以下のとおりです。
第1回   講義の進め方、農業知財の保護の必要性・重要性
第2回   知的財産制度の基本的事項とその歴史的変遷
第3回   GI法の概観とその効果
第4回   GI法における申請農林水産物の審査や登録産品の具体例
第5回   国際的な農業知財の動向(TRIPs協定、日EU・EPA等)
第6回   種苗法の概観(品種登録制度等)、種苗をめぐる情勢
第7回   UPOV条約、海外での育成者権の保護
第8回   ICT・AI農業の現状と知的財産(AI農業を中心に)
第9回   GI登録された産品の販売戦略や種苗業界の実情
第10回 農業分野における特許・実用新案制度の活用、意匠制度の概要と効果
第11回 農業分野における不正競争防止法の活用
第12回 商標制度
第13回 地域団体商標制度
第14回 弁護士の視点から見た農業知財(知的財産の訴訟制度、判例解説等)
第15回 全体のまとめ、農業知財の今後(GI法・種苗法を中心とする制度面の課題)

【近畿大学農学部の取組について】
近畿大学農学部は、実社会と結びついた独創的な研究を展開しています。企業と連携して様々な研究を行っており、例えば「近大マグロ」、「近大マンゴー」、「近大みかん」、「新品種メロンバンビーナ」など、商品として世の中に流通しているものも生み出すなど、実学教育を基盤に様々な価値を創出しています。

関連URL:http://www.kindai.ac.jp/agriculture/