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研究者向けHPCシンポジウム開催 スーパーコンピュータ設備を生かした研究事例を紹介

2018.02.23

  • 生物理工

高速計算サーバー

近畿大学生物理工学部(和歌山県紀の川市)は、平成30年(2018年)3月13日(火)、大学教員や学生、企業の研究者を対象に、膨大なデータの超高速計算処理を行うHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)システムをテーマとした研究事例を紹介するシンポジウムを開催します。

【本件のポイント】
●学内外の研究者が集い、HPCを活用した様々な分野での研究事例を紹介
●本学部教授・大和勝幸が京都大学等とともに研究し、世界最高峰の学術誌「Cell」にも論文掲載された研究「ゼニゴケの全ゲノム構造の解明」に使用されたHPC設備を公開
●学内の研究者とのHPC設備の共同利用を促進し、様々な分野の研究発展に貢献

【本件の概要】
本学部では、世界一の性能を記録した富士通社製のスーパーコンピュータ「京」とソフトウェア互換性のある「PRIMEHPC FX10」を平成24年(2012年)に日本の私立大学で初めて導入し、これまでに学内における様々な研究に活用してきました。本学部生物工学科教授の大和勝幸が京都大学や豪・モナシュ大学等と共同で研究し、世界最高峰の学術誌「Cell」にも論文掲載された研究「ゼニゴケの全ゲノム構造の解明」においても、本学部のHPC設備が使用されました。昨年9月には、Dell社製「EMC PowerEdge」によるHPCクラスターシステムへの更改を行いました。そして、今年9月には、高速計算サーバ※1と連携し計算能力を高める対称型マルチプロセッシングサーバ※2の更改も予定しています。
今回は、学内外の研究者を招いてHPCシステムを応用した研究事例紹介や設備見学を行い、HPCシステムやそれを生かした研究の認知度向上とHPC設備の共同利用促進を目指します。
※1 超高速の計算処理を目的に、超大容量のメモリや大量の超高性能CPUを搭載した単一のコンピュータシステム
※2 単一の物理メモリを大量に並列接続されたCPU間で共有して、各CPUで効率的で均一な処理を行うコンピュータシステム

■日  時:平成30年(2018年)3月13日(火)10:00~17:00(受付開始9:00)
■場  所:近畿大学生物理工学部(和歌山キャンパス)3号館110教室
      (和歌山県紀の川市西三谷930、JR阪和線「紀伊駅」からバスで約25分)
      ※会場内に無料駐車場有り(約500台)
■対  象:大学教員、学生、企業・研究者の方(入場無料、申込不要)
■お問合せ:近畿大学生物理工学部 事務部 TEL(0736)77-3888

【HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)とは】
HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)とは、主に科学分野における複雑な不確定要素を内包する自然現象の解明や、膨大な時間や資金がかかる大規模な実験のシミュレーションによる代用などに使用されるコンピュータによる膨大なデータの超高速計算処理のことです。あるいはそれを行うコンピュータ群(クラスター)そのものを指す概念です。計算科学分野などに内包される「高性能計算」という一個の学問分野として発展しています。
HPCに使用されるコンピュータシステムでは、超大容量のメモリや、大量の超高性能CPUを搭載した単一のコンピュータ「スーパーコンピュータ」などが知られています。そのほか、スーパーコンピュータには及ばないものの、十分に高性能なコンピュータを大量に並列接続してシステム全体での超高速計算処理を実現するコンピュータ群(クラスター)によるシステムや、クラウドネットワーク上で並列接続を行う「分散コンピューティング」によるシステムなどもあります。

【プログラム】
■開会の辞(10:00~10:10)

■「HPCを活用した医薬品設計研究」(10:10~10:55)
 近畿大学 薬学部創薬科学科 教授 仲西 功

■「HPCを用いた電子状態計算に基づく分子動力学シミュレーション」(10:55~11:40)
 理化学研究所 計算科学研究機構 研究員 川島 雪生 氏

■生物理工学部HPC見学会(11:40~12:10)※希望者のみ

■「溶媒和概念の普遍化に基づくソフト分子集合系の物質分配機能の解析」(13:00~13:45)
 大阪大学大学院 基礎工学研究科 教授 松林 伸幸 氏

■「大規模計算によるマルチコピーマルチスケールシミュレーションとその応用研究」(13:45~14:30)
 横浜市立大学大学院 生命医科学研究科 特任准教授 森次 圭 氏

■「分子動力学シミュレーションによる生体分子機能モデリング」(14:40~15:25)
 理化学研究所 生命システム研究センター上級研究員 李 秀栄 氏

■「ゼニゴケ・ゲノムから見える陸上植物の進化」(15:25~16:05)
 近畿大学 生物理工学部生物工学科 教授 大和 勝幸

■生物理工学部電算機センター HPCクラスター「MOMO」利用ガイダンス(16:15~16:50)
 近畿大学 生物理工学部生命情報科学科 教授
 電算機センター HPCワーキンググループ 宮下 尚之

■閉会の辞(16:50~17:00)

【関連リンク】
生物理工学部生物工学科 教授 大和 勝幸(ヤマト カツユキ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/499-yamato-katsuyuki.html

薬学部創薬科学科 教授 仲西 功(ナカニシ イサオ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/797-nakanishi-isao.html

生物理工学部生命情報工学科 准教授 宮下 尚之(ミヤシタ ナオユキ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/1352-miyashita-naoyuki.html

関連URL:http://www.waka.kindai.ac.jp/