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人工知能を使用した原料選別技術を共同開発 冷凍食品の原料品質が飛躍的に向上

2018.02.21

  • 大学
近畿大学(工学部電子情報工学科教授・竹田史章)とニチレイグループの株式会社ニチレイフーズ(代表取締役社長・大櫛顕也)は、ニチレイフーズの工場で使用する原料を人工知能(以下、AI※1)で選別する技術を共同で開発しました。

■開発背景について
ニチレイフーズでは原料受け入れ時に金属探知、X線、近赤外線、光学・色彩などの選別技術を活用して原料の品質保持・管理をしております。しかしながら、不定形な原料や混入している夾雑物※2の位置や角度などにより、判別の精度が下がるため、選別後に人手や目視による検品が必要となることも多くあるのが現状です。
特に鶏肉原料選別では3大夾雑物である「硬骨」「羽根」「血合い」をいかに取り除くかがポイントとなります。「硬骨」については、一般的にX線により選別技術が確立されておりますが、「羽根」「血合い」の除去には全量を人手や目視で対応せざるを得ない状況です。そのため、作業者の負担が大きく、また人手や目視だけでは判別しづらい検査もあります。

■共同開発した技術について
このような背景から、近畿大学とニチレイフーズは共同でAIを使用した選別技術を開発いたしました。
(1)まず、原料を撮影し、その画像の夾雑物部分を独自の技術で強調します。
 (照明技術・撮影技術・画像処理技術の組み合わせによる)
(2)次に、その強調された画像を特殊な方法で数値情報に置き換えます。
 (濃淡ヒストグラム※3・ニューラルネットワーク※4の組み合わせによる)
(3)事前に大量のデータを学習させておき、その数値情報とのマッチングを図ります。これらにより、従来比で夾雑物除去率が約1.5倍、処理スピードが約4倍となります。また、原料は元より、製造工程内および完成品での検査にも応用が可能です。
今回共同開発した技術を導入することで、ニチレイフーズ商品に使用する原料の品質保証力が格段に向上するとともに、生産性の向上、労働環境の改善、人手不足への対応、環境負荷の低減など多くのことが期待できます。
なお、今回開発した技術は作業者の経験に頼らずに安定した検査を行える汎用性に優れているため、ニチレイフーズでは将来的に当該技術の外部販売も視野に入れております。(特許出願済)
また、経験豊かな作業者のスキルを記憶させることで職人技の伝承が容易に可能となり、人の手の感覚や目を超える、つまり五感を超える精度を持つことが可能となるため、完全自動化に繋がる技術と言えます。

■用語解説
※1:人工知能(Artificial Intelligence, AI)とは、コンピュータを使って、人間の知能のはたらきを人工的に実現したもの。具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、論理的な推論を行ったり、経験から学習するコンピュータプログラムなどのことをいう。
※2:夾雑物(きょうざつぶつ)とは、食材由来の通常食用としない部位で、鶏肉であれば骨、羽根など、トウモロコシであれば皮、ひげなどを指す。
※3:濃淡ヒストグラムとは、横軸に画像の輝度値(濃度)、縦軸を画素数とした度数分布図のこと。
※4:ニューラルネットワークとは、人間の脳神経回路の仕組みをモデルにした情報処理システムのこと。自己学習能力を持ち、提示されるサンプルに基づいて、必要とされる機能を自動形成することができる。

【株式会社ニチレイフーズ】
代表者 :代表取締役社長 大櫛 顕也
設  立:平成17年(2005年)
所在地 :東京都中央区築地6丁目19番20号 ニチレイ東銀座ビル
事業内容:冷凍食品・レトルト食品・缶詰・包装氷等の製造・加工並びにこれらの製品の販売

【近畿大学】
学  長:塩﨑 均
創  立:大正14年(1925年)
所在地 :大阪府東大阪市小若江3-4-1
事業内容:大正14年(1925)創立の大阪専門学校と、昭和18年(1943)創立の大阪理工科大学を
     母体として、昭和24年(1949)、新学制により設立。日本有数のスケールを誇る
     総合大学であり、医学から芸術までのあらゆる分野を網羅

【関連リンク】
工学部電子情報工学科 教授 竹田 史章(タケダ フミアキ)
http://www.kindai.ac.jp/meikan/1418-takeda-fumiaki.html

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