63人の「HACCP管理者」が新たに誕生 東京オリンピックや食品輸出量増加に伴い、関心高まる国際的な衛生管理基準に対応
2017.12.20
- 生物理工
【本件のポイント】
●日本で義務化が検討される国際的な衛生管理基準「HACCP」に関する資格を取得
●学科カリキュラムを修めることで「HACCP管理者」資格が取得できる大学の中で、最も多くの資格取得者を輩出
●学生は卒業後、食品産業における安全管理部門や機能性食品開発部門で活躍
【本件の概要】
現在、食品の安全性をより高いレベルで確保する仕組みとして、国際的に標準となった「HACCP」の考え方を取り入れた食品製造時の衛生管理システムの普及が推進されています。
HACCPは、危害の発生防止につながる重要な管理点を継続的に監視・記録する工程管理システムです。旧来の一部製品の抜き取り検査では、製造工程における監視体制が十分でないため、異物混入の発生防止やその事故原因の追及が難しいという事情がありました。一方、HACCPでは、これらの事故の防止や原因追及が容易なため、アメリカやEUでは、食品製造時の衛生管理の標準的な手法として、多くの食品分野に義務づけられています。
日本においても、近年の日本食ブームによる食品輸出の拡大や、東京オリンピックの開催により「食の安全」への注目の高まりから、厚生労働省がHACCPの制度化を含む食品衛生法改正を具体的に検討しています。それに伴い、HACCPシステムについて十分な知識をもって実務を行う、あるいは、指導する立場の人材「HACCP管理者」が多く求められています。
食の安全と機能に関する科学的な知識を修得する近畿大学生物理工学部食品安全工学科では、学科のカリキュラムのみで日本食品保蔵科学会認定の「HACCP管理者」の資格を取得することができます。今回、新たに63人の学生が資格を取得し、本学科における累計資格取得者は378人になりました。なお、日本食品保蔵科学会における現時点の「HACCP管理者」資格取得者は2122人(平成29年12月時点)で、学科カリキュラムのみで資格取得できる大学としては、本学が最も多くの資格取得者を輩出しています。