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奈良県×近畿大学農学部 「農の入口」モデル事業に関する覚書を取り交わし 多様な担い手の就農を支援する「なら近大農法」確立へ

2017.09.27

奈良県農林部長 福谷 健夫(左)と近畿大学農学部長 重岡 成(右)

奈良県と近畿大学農学部(奈良県奈良市)は、平成29年(2017年)9月27日(水)、「農の入口」モデル事業に関する覚書を取り交わしました。この連携事業により、ユニバーサル農法とICT(Information and Communication Technology)農法の2種類の農法による「なら近大農法」を確立し、多様な担い手の円滑な就農支援をめざします。

【本件のポイント】
●軽量な古着等の繊維によるポリエステル媒地を利用した農法で、農家の作業負担を軽減
●ICT農法による自動化と高収益作物の導入により、安定した所得確保が可能な農業を実現
●農作物を高齢者などが手軽に栄養摂取できる加工品に転換することによって、消費拡大を図る

【本件の概要】
近畿大学農学部の学生が、平成28年度「県内大学生が創る奈良の未来事業」において最優秀賞を受賞したことをうけて、奈良県と近畿大学農学部が「農の入口」モデル事業について覚書を取り交わしました。
今後、両者が連携・協力し、「ユニバーサル農法(ローテク)」と「ICT農法(ハイテク)」の2種類を駆使して、初心者を含む多様な担い手が円滑に就農できる「なら近大農法」の確立をめざします。また、来年度以降は「なら近大農法」を県内各地へ展開して就農を促進するとともに、農業ベンチャー法人「なら近大ファーム(仮称)」を設立し、県内各地の農業経営体とコラボレーションすることをめざしています。

【なら近大農法について】
「ユニバーサル農法(ローテク)」と「ICT農法(ハイテク)」を組み合わせることによって、農家の作業負担の軽減と所得の安定化を図ります。また、若者をはじめとした就農初心者だけでなく、女性や高齢者、障害者といった層の農業参入への障壁を低減することで、就農を容易にすることをめざします。

・ユニバーサル農法(ローテク)による作業負担の軽減と栽培の安定化
軽量な古着等の繊維で作ったポリエステル媒地を利用することで、作業負担が軽減します。また、ポリエステル媒地は一般的な土壌と異なり、長期間において物理性や科学性が変化しないので、栽培法のマニュアル化による安定生産が可能となります。

・ICT農法(ハイテク)による農業の自動化と収益確保
農業は個人の経験や勘に頼ることが多く、就農初期の所得の安定が問題となっていますが、農作物の栽培管理にICTを導入することによって農作業の自動化を実現し、就農初心者でも容易に栽培管理が可能となります。このICT農法と高収益作物の導入により安定した所得確保を実現します。さらに、農作物については食感、匂いなどの嗜好性の調査や機能性成分などの分析、高付加価値品種の開発などを行います。また、咀嚼力の低下した高齢者や生食の苦手な人が手軽に栄養摂取できる加工品(シャーベット等)へと転換することで、消費拡大を図ることができます。

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